スズキ ワゴンRスティングレー 「R06Aエンジンの完成度に感動」のユーザーレビュー

R06Aエンジンの完成度に感動

2015.7.8

総評

来年のフルモデルチェンジを控えモデル末期感が付きまとう現行型ですが、リコール問題を含め細かい改良が済んでいる点は安心材料でしょう。とはいえ車両価格がハスラーより高めに設定された新車は買いにくいですね。
とにかくこのクルマの魅力はR06A型エンジンです。Sエネチャージだとか半年で色褪せるコテ先技術に惑わされてはいけません。

満足している点

このクルマの魅力の半分はエンジンです。「直6は完全バランスだがV6はシリンダーブロックを削る」が口癖だった兼坂弘氏がもしご存命なら入れ歯を飛ばして驚いたことでしょう。それぐらいこのR06Aはよく出来ています。私は直6もV6もV8も所有したことがありますが、これら過去の多気筒エンジンにそん色ないスムーズさです。いや、出来の悪いV6・・・3VZ型なんかよりR06Aのほうが良いと感じるぐらい。特定の回転数で音や振動のピークが高まるということもなく、電気モーターのように回って必要なパワーを取り出すことができます。たった3気筒でこれだけスムーズなエンジンを作れるのだから、多気筒エンジンが存在意義を失い「ダウンサイジング」の流れが訪れるのは当然のことです。

不満な点

R06Aエンジンは洗練されていますが、それ以外の部分はおおかたMH23Sの踏襲で特筆に値するものはありません。内装などはむしろライバル他車に比べ見劣りするのではないでしょうか。私はタバコは吸わないけど、小物入れとして灰皿は絶対欲しいのにこのクルマにはありません。タバコを吸う人はどうすればいいの？ナビの画面が上を向いているので西日を反射しやすいのも明らかな設計不良。小物入れが少ない割に、内装をバラしてみると実は結構なスペースが空いていたりします。デザインは好みの問題としても機能性でライバル他車に劣っているのはどうにも面白くありませんね。

減速してコーナーを旋回、再加速の流れでどうしても期待するギアで加速してくれず、CVTが落ち着くまで？ややローギヤの状態が続き、エンジンが煽り気味になります。タイムを争うサーキット走行ならこれでも良いけど、市街地走行ではもっとハイギヤを使ってゆったり旋回、加速したいのです。「ならば」とパドルシフトを試してみるも、ハンドルを９０度以上回した状態でのパドル操作は曲芸に近いし、実際操作しても作動制限に引っ掛かり、やはりMTのようには行きません。
それと密かに気になっているのが後輪の軸の中心がホイールアーチの中心から外れていること。ちょっと内側によっているように見える・・・というか実際に寄ってますよね(笑)。これはカッコ悪いでしょう？時間やコストが許さなかったにせよ、この状態で量産OK出しちゃうことも理解できません。

デザイン

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走行性能

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高低差の大きい中国自動車道でもスイスイ走れます。ただ、スピードメーターを見ずに流れについて走っていたら一時的にアクセルが床についていたことはありました(笑)。「なんだ、大したことないじゃん」と思うかもしれませんが、限界付近までパワーを出し切っていることにドライバーが気付かないぐらいスムーズってことです。タコメーターの針が5000回転を超えてもまだ常用域で、エンジン音が急激に高まるようなこともありません。ただし高速走行時ステアリングの手応えが希薄なのと、センターへの戻りが悪いのが気になります。良く言えばFRっぽいニュートラルなハンドリングで、厳しく見れば直進性が心配です。

乗り心地

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決して固くはないけどゴツゴツした感じを受けるのは165/55R15タイヤ故でしょう。次回のタイヤ交換で60へサイズアップする予定です。R06Aエンジンがとても静かなのでその他あらゆる音が気になるのは皮肉なことですが、10年ぐらい前の軽から乗り換えればこのワゴンRがうるさいと感じる人はいないでしょう。ロードノイズはともかく、エンジン音だけなら「昭和の高級車」レベルに達しています。初めて６気筒に乗った時の、あの”エンジンが遠くにある感覚”をまさか軽自動車で味わえる時代が来るとは夢にも思いませんでした。

積載性

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燃費

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ターボで４駆なので悪条件は多いものの、1万キロ走行現在の平均値は19キロ/リッターで文句なし。ただこれが高速道路を使用すると極端に悪化し、メーター読み時速100キロ（実測90キロ程度）で16～17キロ/リッター程度しか走りません。CVTが馬力を食っているのか、ターボのせいなのか、原因はよくわかりません。

価格

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故障経験