スズキ エスクード 「3万キロ走ってみて（タイヤ交換後の印象)…」のユーザーレビュー

3万キロ走ってみて（タイヤ交換後の印象)…

2022.5.25

総評

友人・知人と重なることのない、非常に販売台数の少ないクルマ。
見た目に似合わぬ動力性能とボディー剛性＋引き締まった足廻りから生まれる楽しい走りは最近の国産車では味わえない。
また4輪制御システム「ALL GRIP」の出来が素晴らしく、オンデマンド方式の4WDとしては屈指のコントロールを見せてくれる。
ただSUVとしての車両サイズは4名乗車時であれば圧倒的に役不足。
2名乗車でのSUVとしては抜群の機動性と小廻り性能を持ち、非常に扱いやすいクルマに仕上がっている。

満足している点

なんと言っても「動力性能」。
ヘタなスポーティーカーを置き去りにするほどの俊敏さを持つ。
足廻りもしっかり鍛えられた感があって、運転してて楽しいクルマ。
欧州車の雰囲気を存分に楽しめる。
また性能に対して車両価格は安価な設定。

不満な点

一世代前の運転支援システムが搭載されてるところ。
最初の頃は「レーダーサポートシステム」の異常が多発し、オレンジ色の警告画面に泣かされた（解消済み）。
またリアサスペンションのアライメントが調整出来ず、片側が滑りやすい路面状況では異常な挙動をみせる（解消済み）。
またハンガリー産の車なので、故障時などの純正部品供給が国産車より圧倒的に遅い。
あとSUVとしての室内の大きさ・荷室量はかなり不足している。

デザイン

5

最近のオラオラ顔とは一線を画す、スポーティーな威圧感がある。
もし後ろから距離を詰めてこられたら思わず道を譲ってしまいそうな獰猛なフロントマスク。
フロントからリアまで続く鋼板のプレスラインは美しい。
リアデザインは少しモッチャリした感じはある。
全体的にはそんな動力性能を秘めてるとは思えない重厚感のあるデザイン。

走行性能

5

ここ一番の加速性能は指折り。
足廻りもしっかり鍛えられている。
ボディ剛性が高く、車体のねじれなどは感じられない。
『ALL GRIP」の制御が素晴らしく、現在はどんな路面状況でも不安を感じることなくハンドルを握れる。
ハンドルを切れば切るだけ曲がるというのではなく、思った通りのレーンをスムーズにトレースしてくれる感じ。
そして何と言ってもトルクコンバーター式の6速ATの出来がいい。
自然な変速と違和感のない加速を実現している。
一部の方は「ブリッピングしない」との声は聞くが、パドルシフトを上手く使えばちゃんとギアダウンしてくれる。

乗り心地

4

純正の足廻りとしては国内販売車の中でもトップクラスの硬いめの乗り心地。
純正装着のコンチネンタルタイヤではゴツゴツとした感じで、そういう硬い足のクルマに慣れてない方には不快感を覚えるかも。
しかし、レグノを履かせた途端、高級SUVのようなしっとり・しなやかで心地の良い・程よい硬さで走ってくれる。
また本革とファブリックの混成シートは、しっかり硬いめでホールド感に富み、非常に出来がよく疲れにくい。

積載性

2

お世辞にも広い・大きいとは言い難い荷室。
キャンプなら2〜3名で荷物を積んで行ける感じ。
室内高もそれほど高くないし、シートアレンジも富んではいないので、車内泊は考えない方がいいと思われる。
後席にはリクライニング機能はなく、足元のスペースも広くないので、普通乗車時でも背の高い成人では圧迫感を感じる。

燃費

3

カタログスペック上では語れないほどの強力な動力性能を持ち合わせる割には良好な燃費ではなかろうか。
ハイブリッドには到底及ばないが、クルマを運転する楽しさ、本来のクルマの乗り味を堪能出来ると思えば燃費は悪くないと思われる。

価格

5

もはや200万円台の価格帯でこういうクラスのクルマは買えないと思われる。
内装がチープだとよく言われるが、欧州車の雰囲気、質実剛健なツールとしての無骨さはアリだと考える。

故障経験

①レーダーブレーキサポートの異常
②ブレーキマスターバックからの異音
③故障ではないがリア足廻りの不具合