スズキ アルトラパン 「「ちょっとプレミアム」のハシリ…のような気がする」のユーザーレビュー

「ちょっとプレミアム」のハシリ…のような気がする

2021.4.22

総評

ときどき忘れそうになりますが、正式名は「アルトラパン」。
つまり、徹底してベーシックな作りであるアルトをベースに、パーソナルカーとしてのプレミアム感を付加した「ちょっとイイクルマ」です。
以前HA24Sアルト（正確にはOEMのピノ）に乗っていましたが、比べるとキャラクターの違いや車としての方向性の違いがハッキリ分かって面白いですね。
走らせたときの動力性能やシャシーの性能はほぼ同じながら、内外装のデザイン、人が乗る・触る部分の質感の良さ、僅かな差額で「ちょっと高いもの・人と違うものを買った満足感」を得られる作り込みには感心しました。
これは長く人気を得るモデルになったのも納得します。
「この時代に『愛車』が欲しい」というのであれば、きっと買って損はしないでしょう。

満足している点

なによりもデザイン。アイコンであるウサギマークがそこかしこに散りばめられており、ウサギ好きには男女関係なくハマるだろう可愛さ。
また、可愛く丸められながらもしっかりハコ型なので、車体感覚もつかみやすいです。
室内は「人が乗る」のを優先して作られている感があり、背の低いセダン型の軽ながら、後席も大人が乗っても窮屈に感じないうえ、シートや手に触れる部分の作り込みがしっかりしています。
数もそれなりに出ているため最近では安価で入手できるうえ、基本的にはK6Aのアルト・ワゴンRなので、中身（走行機能）に関しては部品もまだ多く出るのが○。

不満な点

デザイン優先のためか、ドアミラーが車両内側・上側の鏡面積が足りないような形状をしていて、角度を合わせるのに気を使います。また、他の車の感覚で視線をやると映っている範囲が違うので、慣れるまで困惑しました。
あとは、高い居住性とデザイン性の代わりに荷室が若干犠牲になっている感。特に横幅がもう少し欲しいです。

デザイン

4

多くのフォロワーを生んだ「MINI系ではないカワイイ系」「ベーシックモデルがあってのちょいプレミアムモデル」のハシリだと思ってます。
クドいを通り越して清々しさすら感じる徹底的にウサギウサギしたデザインもいい感じ。
バックドアやステアリング、ホイールにすらスズキエンブレムはありません。
インパネやシートのデザインも、いい意味でクルマっぽくなくて落ち着く雰囲気。

走行性能

3

NAの軽ですから、不満はありませんが必要最低限な感じです。
今回、運良くCVTのモデルを見つけられたのですが、以前乗っていたK6A+3ATに比べるとアクセルのツキや加速がマイルドで扱いやすいです。

乗り心地

3

突き上げは仕方ないとして、揺すられ感の大きさと収まりの悪さがちょっと気になります。
まぁ、NAの軽ですから、不満とまでは言いませんが必要最低限な感じですね（2回目）
ただ、ステアリングを半分以上切った状態でちょっと大きめのギャップを超えると嫌な衝撃音と軽い横滑りをするのですが、これはもともとの性能限界なのか、足回りがヘタってるのが原因の個体差なのかは不明です。

積載性

3

人が乗る部分の居住性が高い代わりに荷室容量はちょっと不満ですね。
普段遣いには必要十分なのですが、ビミョーに「あと少し」が欲しくなる感じ。
一昔前の軽なのでもちろん最近の高価格帯の軽のような「全部取り」は望みませんが、それにしたってもう少し内張りやリアシートバックはイジメてもよかったような気はします。

燃費

4

購入してから初回給油時の満タン法では約14km/Lでした。
関東の市街地でこれだけ出てくれれば十分です。

価格

4

うちの子は中古車サイトで見つけた「関東で一番安い修復歴無し車」でした。
それでいてアルミ・スマートキー・ドアミラーウィンカーになるXグレードのCVT、バイザーとマット付き、記録簿こそ無いですがシールを見る限りメンテは言いなりでちゃんと受けていた雰囲気。
現状渡しで結局消耗品はチマチマ替えましたが、十分いい買い物だったと思います。

現行型もモデル末期に差し掛かりつつあり、HE22Sは手頃な個体が多くなっています。
安全装備は最新の車種と比べるべくもないですが、それなりに売れた車種のため選択肢も多く、悩んで選んで楽しい状況になっているかとは思いますね。

故障経験

特に無いです。油脂類はちゃんと替えられていたようですし、自分でも消耗品類は（予防措置も含めて）ひととおり替えました。
12年落ちながら、まだまだ元気に走ります。