スズキ アルトラパン 「かわいくて懐かしくて遊び心も満載」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

かわいくて懐かしくて遊び心も満載

2023.7.21

年式

2015年6月〜モデル

総評

車名の由来でもあるウサギをモチーフに、かわいいセンサーをくすぐるラパンと、どこか懐かしくてオシャレなラパンLCは、どちらも完成度の高いセダンタイプの軽。室内はオシャレなだけでなく実用的で、走れば山道も高速道路もシッカリ。見た目だけでなく中身も備わっているからこそ、息の長い人気を維持しているのだと思います。お気に入りのモノに囲まれて生活したい、という人にピッタリです。

満足している点

メーターの表示パネルにちょこちょこと登場する、ウサギのアニメーションがずっと見ていたくなるかわいさ（よそ見注意）。これはラパン開発時にデザイナーみずから考案したものだそうで、アイドリングストップの時にピョコピョコと動いたり、一時停止などの標識を教えてくれたり、時にはしゃべったりするからずっと飽きないのです。エンジン始動時のアニメーションは季節やイベントによって変わり、あらかじめ登録しておくと誕生日や記念日に特別なメッセージが表示されるのも嬉しいところです。

不満な点

ほとんど不満な点はないのですが、内外装が個性的で希少なだけに、ターボモデルがほしいという人もいるのではないかと思います。ラパンというキャラクターには合わないという理由なのか、コストの問題なのか、自然吸気エンジンのみというのはちょっともったいない気がしています。坂の多い地域に住む人や、長距離ドライブが多い人なら、ターボが欲しいのではないでしょうか。

デザイン

5

ぴょこんと耳が立ったウサギのマークやまんまるのキュートなヘッドライト、ホワイトを散りばめたレトロモダンな内外装のラパンは、女の子の夢の世界。対してラパンLCは、小さな楕円形の専用のメッキフロントグリルガーニッシュが、上品に微笑む口元のような雰囲気で、メッキヘッドランプガーニッシュが瞳をひとまわり大きく引き立てています。どこか懐かしく、でもかわいらしく、ちょっと大人っぽいデザインは往年の名車にも通じる魅力があり、熟年世代にも響きます。

走行性能

4

歴代のラパンは、かわいい見た目のイメージに反してなかなかスポーティなハンドリング。低重心でじわりと落ち着いたコーナリング、安定した高速走行を見せることに定評があります。もちろん、自然吸気エンジンのみ＆タイヤも14インチなので、パワフルでハードな走りができるわけではないですが、出足からの軽やかさと、ボディの一体感が感じられるところにあらためて感心。車両重量が680kgという軽さ、全高が1525mmという低さを活かしつつ、4つのタイヤがちゃんと接地して丁寧に仕事をしている感覚があります。

乗り心地

4

2015年の登場から長い年月が経っているので、最新のプラットフォームのモデルと比べるとユルさを感じるシーンもあるものの、乗り心地はおおむね良好。全車に運転席＆助手席シートヒーター、USB、キーレスプッシュスタートが標準装備というのも、快適性をアップしている要因。頭上のゆとりはそこそこですが、足元スペースは十分な広さがあります。

積載性

3

ラゲッジスペースは4人乗車時なら日常の買い物に使えるくらいの容量になりますが、少し深めで開口部は大きく開きます。後席が5:5分割で倒せるので、大きな荷物も積み込めます。クッションの厚みがあるので傾斜はできますが、隙間のないスペースになります。助手席の背もたれを90度倒せて、長尺物の積載もOKです。

燃費

5

カタログ燃費は26.5km/L（WLTCモード）で、やはり車両重量の軽さが効いているのかもしれません。スズキが展開するグリーンテクノロジーはすべて採用されており、運転しながら自分の操作がどんな状態なのかがわかりやすい、エコドライブインジケーターもついています。エコドライブに気をつけながら走ることができるのも、燃費アップのコツ。アイドリングストップからの再始動がスムーズです。

価格

4

ラパンは125万円台から149万円台、ラパンLCは140万円台から154万円台と、上質感を強調しているLCの方が高めの設定。でも装備は双方のトップグレードで大きな相違はないので、快適性重視ならラパンの方がコスパは良いということになります。