スイフトの源流なのか
:
急遽決めた1000㎞走行、スタッドレス付の車がなかなか借りられず、ようやく相棒にできたのが2001年発売のスズキエリオだっ
2011.1.25
- 総評
- スイフトの源流なのか
:
急遽決めた1000㎞走行、スタッドレス付の車がなかなか借りられず、ようやく相棒にできたのが2001年発売のスズキエリオだった。
2代目スイフト以前のスズキの乗用車は、初代スイフトやワゴンRワイドに代表されるような軽自動車をただ拡げて大きめのエンジンを乗せただけのイメージだった(もちろん実際はいろいろ変えている)。
第一印象も、前後のオーバーハングが長く、しかも前後の絞り込みも弱いので、一世代昔の車の感じだ。
さらに1.5Lとコンパクトカーの割には大きめの排気量だったが、私が以前乗った同じ排気量の他社の車がいい印象でなかったので、その車より重い1170㎏もの車重と相まって、乗るまでの期待度はかなり低いものだった。
実際乗ってみると・・・
:
- 満足している点
- :
△しっかりしている車台△
1.8Lどころか輸出仕様では2.3L のエンジンも載せていた。その出力まで受け止める器があるということ。約7万キロ走破した車体のせいなのか最近の車に比べ気密性は高くないが、不整路を走っても、車体が歪むような印象は受けなかった。 建てつけの悪いカタカタ音はするが、骨格の歪むようなミシミシ音は感じなかった。
△穏やかなエンジン特性△
普通のアクセル操作では変速ショックや不必要なエンジンの吹き上がりがほぼない。先に述べた他社の車1.5LのATではアクセルを軽く踏んでいくだけでも、意に反してエンジンがいちいち吹き上がり乗ってて私には結構なストレスだった。
巡航時のエンジン回転数は100㎞/hで3100くらいで、ほぼ彼の車と同じなのだが、その印象はエライ違っていた。
△前後のヘッドレストの高さ△
座高90cmを超える私の頭部を支えてくれる。安全意識が今ほど高くない当時のコンパクトカーとしては座面のたっぷり感と合わせ、疲れにくく、追突にも対応した安全性の高いシートだと思った。(後部座席は前後長が不足気味で、長時間では疲れる。)
△穏やかなハンドル操作△
上述の他社車では強めのレーンチェンジで、意図しない後輪のズレみたいなものを感じ、ヤバイと感じた。
一方エリオはそんなことなく、キビキビ感はなかったが、後輪は踏ん張り、安定してレーンチェンジできた。同じ1.5Lでもこっちは当時のスズキラインアップでは高車格車、素性の違いなのかもしれない。
:
- 不満な点
- :
▼チルトステアリング未装備▼
私が適切な運転姿勢を取ると、メーターの上半分が完全に隠れる。シートアジャスターはあるが、一番下げても全然ダメ。私はレーダー探知機に表示される速度を見ながら走りざるを得なかった。
メーターを見えるような姿勢をとるには――
①腰を前にずり出していわゆるダラシナイ恰好で座るか、
②背もたれを後方に倒して首をもたげるような格好をとるしかない。
しかし①では衝突時、サブマリン現象を起こし、膝をしこたまダッシュボードに打ちつけるか、骨盤を拘束できないシートベルトが内臓や腰椎に大きなダメージを与えそう。
一方②の姿勢では、アクティブヘッドレストでもない限り、後頭部とヘッドレストの間隔が開いて、追突時、頸椎が強く前後に揺すぶられ、頸椎損傷いわゆる鞭うち症を起こす可能性が大だ。座面裏の波バネを調整して座面を下げるとかしかないか。
座席自体は大ぶりで疲れにくかったが、メーターとの位置関係はダメだ。
▼燃費▼
約1000㎞の内訳は高速9割、残りが地方の流れのいい一般道。往路は飛ばし気味だったとはいえ13㎞/Lはいただけない。復路は雪による速度規制があり、速度を抑え気味に走って約15㎞/L。ATは楽だけど今の時代にはそぐわない。
▼環境性能安全性能▼
燃費の悪さを含め、排ガス浄化機能や製造廃棄でも見るべきポイントはない。ABSは装備されていたが、受動・能動どちらの安全性もとりわけ高いということでもない。
◎まとめ
当時の車に多かったイケイケキャラ(省エネを感じさせないエンジン特性など)。エリオはそうではない「鈍重」なイメージさえも持たれそうだが、私にはそれが好ましく映った。現代の環境性能、安全性能を身に付ければ、積極的に買いの一台になり得るのではなかろうか。
骨太な印象はこの後登場してスズキの名を世界に轟かした2代目スイフトと同じ流れ上にあるようにも思えた。
:
- デザイン
-
-
- 走行性能
-
-
- 乗り心地
-
-
- 積載性
-
-
- 燃費
-
-
- 価格
-
-
- 故障経験