優勝目前でクラッシュした2012年よりも仕上がりはいい
琢磨にとって記念すべき10回目のインディー500を迎えた。
最終プラクティスの前日、琢磨に直接たずねてみた……。「今日ここまでの仕上がりは過去10年で何番目にランクされますか?」琢磨は目を見て力強く即答した。「2番目です」。
「(優勝した)あの2017年は究極の仕上がり。毎日が確認作業の連続だけでした。(優勝争いのあと、クラッシュした)2012年はカーブデイで大混乱を起こして、日曜日にはやったことのないコンセプトを捨て身でしてみたんですよ。そして日曜日が歴史的に暑い日になってすべてが(上手く)ひっくり返ったんです」。
「確かに2012年のレース・デイのクルマは速かったです。でも、あまりにもナイフ・エッジというか綱渡りのようなドライビングが要求されるものになってしまったんです。それに比べたら今のマシンのほうがドライバビリティというかトラフィックの中での動きが緩やかで良いです」。
その言葉のとおり、翌日のカーブ・デイ(最終練習日)で琢磨は3番手のスピードを記録した。カーブ・デイは予選を終えたマシンを再び決勝モードのセッティングに戻し、トラフィックのなかでの動きを確認するのが最大の目的だ。ドラフティングを使い合うだけにそのスピード・ランクは一概にアテには出来ない。
しかし、琢磨の言葉を借りれば「トップ5にいられれば、クルマが良い方向に向かっているのは間違いない」とうことになる。
「3位は現状このチームでのベストリザルト」
そして、決勝レース。
14位スタートから琢磨は最初のピット・ストップを迎えるまでに3つポジションを上げていた。しかも、最も燃料をセーブ出来たため、2周に渡ってリード・ラップまで記録した。
だが、好事魔多し。右リヤ・ホイールの締め付けが悪く、再度ピット・インする羽目に陥った。これで順位は31位まで転落してしまう。しかし、琢磨は「500マイルの長丁場。諦めないでいこう」と気を取り直し、追撃を開始。
最後のリスタートの時点では5位まで這い上がっていた。ラスト14周、琢磨はリスタート直後のターン1でエド・カーペンターをアウトから抜き、続くターン2でジョセフ・ニューガーデンのインすらうかがう。バックストレートでカーペンターがインから抜き返そうとするも琢磨はターン3でアウトから車体を合わせサイド・バイ・サイドで押さえ切る。
さらにラスト9周でジョセフ・ニューガーデンをターン3のアウトから仕留めた。スタンドからは大歓声が上がる。あとふたり。トップのシモン・パジェノーと2位のアレクサンダー・ロッシの背後まで迫ったが、このふたりは速い。ロッシが残り3周でトップに立つも、残り2周のターン3でパジェノーが再びその座を奪い返した。
ファイナル・ラップ。ロッシが最後の力を振り絞ってバック・ストレッチで並ぼうとするのをパジェノーは強引に防ぐ。そして、シモン・パジェノーがインディー500初優勝を飾った。琢磨はその攻防に加わることは出来なかったが、トップからわずか0.3413秒差の3位に食い込んだ。
「ロッシに挑戦したかったけれど、届かなかった。パジェノーは王者の走りで500を制したと思います。心から祝福したいです。ターン3をアウトから行くのは一昨年、エリオ(カストロネベスとの戦い)から教わりました。(3位は)現状、このチームでベストのリザルトだと思います。最後は暑くてスライドしてしまって厳しかったです」と琢磨。
堂々3位の結果を出して琢磨の10回目のインディー500が終わった。
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