スバル ステラ 「シンプルだけど充実」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

工藤 貴宏
工藤 貴宏(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

3

デザイン
3
走行性能
3
乗り心地
3
積載性
3
燃費
5
価格
4

シンプルだけど充実

2022.6.21

年式
2014年12月〜モデル
総評
単刀直入にいえば「なんらかの理由があってスバルで軽自動車を買う必要がある」という人のためのクルマである。スバルの自動車のルーツは軽自動車にあるだけに、同社が自社生産の軽自動車を持たないのはスバルファンとしては残念に思うかもしれないが、自社生産ではないとはいえ選択肢を用意してくれていることだけでも有難い。個人的には、かつてのスバルの軽自動車のように4気筒エンジン+4輪独立サスペンション、さらにはスーパーチャージャー付のエンジンなどスバルらしさ全開の軽自動車が見てみたい気もするが、今ではコストがかかりすぎて現実的ではないだろう。
満足している点
リーズナブルな価格設定。スライドドアを必要とせず、気軽に乗れる軽自動車を求めている人にとってはマッチングのいい選択肢となるだろう。中間グレードとなる「Gスマートアシスト」のコストパフォーマンスはとても高い。ライバルも同様だが、小さな車体ながら後席は広くて居住性に優れている。
不満な点
ターボエンジンが選べないことが最大のウィークポイント。逆にいえば、その程度しか気になる部分は見当たらない。近年の軽自動車選びの傾向としてスライドドアのニーズが高いが、それを欲しい人はそもそも「ステラ」ではなく他の車種を検討すべき。スバルには「シフォン」というスライドドアを組み合わせた軽自動車を用意している。ちなみにそれはダイハツ「タント」のOEMモデルだ。
デザイン

3

ダイハツ「ムーヴ」のOEMモデルであり、車体自体はすべて共通。フロントなどのデザインも基本的に同じで、違いは車体前後のエンブレムがダイハツマークから六連星(むつらぼし)と呼ばれるスバルのエンブレムに代わっている程度だ。注目は上級仕様の「カスタム」。かつては「カスタム」といえば大きなグリルをメッキで煌びやかに飾ったやんちゃな雰囲気が売りだったが、ステラカスタムはグリルレスのシンプルでモダンな雰囲気としている。いっぽうで標準モデルは大きめのグリルを強調したデザイン。好みに応じて選べるのがいい。
走行性能

3

本家であるムーヴとの最大は、ステラにはターボエンジンの設定がないこと(ムーヴではカスタムも標準タイプでも選択可能)。市街地を走るなら自然吸気エンジンでも事足りるが、郊外路や峠道、高速道路を日常的に走るのであれば、力強いターボエンジンが欲しくなる(点数を2とした理由はそこ)。操縦安定性に関しては、自然吸気エンジン車も含めてしっかり感があって、峠道や高速域でも安心できる。ステラの開発・生産を担当するダイハツのクルマ作りは、この世代のステラ(のベース車であるムーヴ)が登場するあたりからレベルが大きく上がった印象だ。
乗り心地

3

日常使いの軽自動車として不満のない乗り心地。稀に路面状態の悪い場所でサスペンションがバタつく印象を受けるが、軽自動車としてはそれほどめずらしいことではない。後席の居心地はダイハツ「タント」などスーパーハイトワゴンに比べると空間が狭いが、足元スペースは広く確保されていてゆったりと座れるので居心地もいい。一部仕様に装着されるシートヒーターは、軽自動車で一般的な座面だけが発熱するタイプではなく、背もたれにもヒーターが組み込まれているのがうれしい。
積載性

3

居住性(後席の広さ)を重視した今どきのハイトワゴン系なので、リヤシートを最後部までスライドした状態でのラゲッジスペースはそれほど広くない(機内持ち込みサイズのキャリーケースも積めないほど)。しかし、リヤシートには240mmものスライド機構が組み込まれているので、前方へスライドすれば機内持ち込みサイズのキャリーケースなどは積載可能だ。左右独立でスライドできるのも便利。さらに広い積載スペースが必要となれば後席を倒すことになるが、ワンタッチにて左右それぞれ独立で倒すことができる。
燃費

5

軽いコンパクトカーは燃費性能も優れている。WLTCモード計測によるカタログ記載値(FF車)は20.7km/Lと良好。4WDモデルであっても20.0km/Lと落ち込みが少ないのも優れたポイントだ。モーターなど特別なメカニズムは搭載していないにもかかわらず、この燃費は素晴らしい。
価格

4

昨今の軽自動車が「支払総額200万円!」なんて驚かれることもあるが、そのほとんどは電動スライドドアなどを組み合わせたモデル。後席にヒンジドアを組み合わせる、どちらかといえばベーシックな軽自動車に属するステラは、スタンダードモデルの「Lスマートアシスト」だと車両価格は120万円くらい。ただし実際に購入するとなると10万円弱のアップで非接触式キー、オートエアコン(「Lスマートアシスト」はマニュアルエアコン)、チルトステアリング、そしてアルミホイールなどが標準装備される「Gスマートアシスト」のほうがコストパフォーマンスが高いのでオススメだ。
工藤 貴宏
工藤 貴宏
自動車ジャーナリスト
1976年生まれ。クルマ好きが高じ、大学在学中に自動車雑誌の編集部でアルバイトしたことをきっかけに、そのまま就職。そして編集プロダクションを経てフリーランスの自動車ライターに。日々新車を試乗し、日夜レポートを書く日々も気がつけば10年以上。そろそろ、家族に内緒でスポーツカーを買う癖はなんとかしないと。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
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