スバル フォレスター 「2018年式フォレスターツーリング感想文」のユーザーレビュー

ノイマイヤー ノイマイヤーさん

スバル フォレスター

グレード:ツーリング_AWD(CVT_2.5) 2018年式

乗車形式:試乗

評価

3

走行性能
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乗り心地
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燃費
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デザイン
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積載性
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価格
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2018年式フォレスターツーリング感想文

2018.8.25

総評
フォレスターはRVブームの中、1997年にインプレッサをベースにクロカンとステーションワゴンの中間的なキャラクターのモデルとしてデビューした。全グレードターボエンジン搭載で、発売前に世界最速のSUVとして世界記録を打ち立てるなど異色のキャラクターを持っていた。2代目ではSTI仕様を追加するなどキャラクターを継承、フォレスター新発売後10年目の2007年に発売された3代目で本格SUVルックを得て現在のキャラクターが完成した。最速SUVの面影は2LターボのXTグレードが守りつつ、量販グレードは2L自然吸気であった。

4代目では更に北米を意識したスタイリングになり、
ハード面ではレガシィで好評を博したアイサイトを標準化。ターボ車のMT仕様が廃止されて、変速機がスバル独自のチェーン式CVTを採用。E/Gは2L自然吸気に集約されたが、他のSUVブランドがどんどん都市へ下山していく中、CVT車には悪路操作性を高めるXモードを設定するなど、フォレスターはその名の通り森っぽさを維持したことで全車ターボの高速クロカンだったデビュー時とは逆にモノコックながら本格派クロスカントリーとしての地位を高めた。

さて、ブランド誕生から21年目となる2018年、5代目となるフォレスターが発売された。かつてのスバルはスバリストなる熱いスバルファンの支持を背景に
ビジネスを続けていたが、現代は様子が異なる。

国内ではアイサイトが一般ユーザーたちから熱烈に歓迎され、マジメさゆえの高い安全性が北米ユーザーに認められて販売を伸ばして以降、スバル車は急速にマニアックさを捨て、大柄なボディをまとい北米ユーザーを意識してきた。

ビジネスが好調に回り、販売台数も多くなると生産拠点が多くないスバルにとっては、商品を売れる市場に照準を合わせるものだ。

そんな中で、
2001年、22308台売れていたフォレスターは
2013年、35166台に販売を伸ばした。

1.5倍も販売台数が伸びたのは日本の一般ユーザーにもスバル独自のステレオカメラを用いた
「アイサイト」が認知され、車両側も流行ど真ん中のSUVで実用性が高かったからだろう。不祥事を重ね、ブランドに傷がついたこの時期ゆえにフォレスターの全面改良は重要な意味を持つ。

今回の目玉はHV技術を投入したe-BOXERエンジン搭載だが、基本的には北米を強く意識しつつも、
ボディサイズ拡大を抑え気味に愚直な車体設計を実施したようだ。

新型フォレスターのグレード展開は価格が安い順に
ツーリング(税抜260万円)、X-ブレーク(税抜280万円)、
プレミアム(税抜280万円)、アドバンス(税抜287万円)の4機種で全て4輪駆動を採用している。
ツーリングをベースにオレンジの挿し色を入れたアクティブな外装、撥水シートなどアウトドアに特化した装備内容のX-ブレーク、SUSベルトモールや18インチアルミ、内外装のレベルアップに加え、アイサイトセーフティプラスが追加される。アドバンスになるとe-BOXERとドライバーモニタリングシステムが追加され、他のグレードと差別化のため内外装がグレードアップされる。

装備表を見ているとツーリングの装備の充実度が目を見張るレベルだ。17インチアルミホイール、ヒーター付本革ステアリング、前後シートヒーター、
歩行者エアバッグ、アイサイトツーリングアシスト、サイドビューモニター、EPBなど充実装備を誇る。

試乗車を見て乗っても、最廉価の引け目を感じさせるほどの懲罰的な廉価装備は無く、充分ファーストカーとして使えそうなのだ。

このツーリングに対し、MOPでスマートキー、前席パワーシート、アイサイトセーフティプラス(運転支援)、パワーバックドアを選択すると、価格が税抜280万円に上がる。

実はフォレスターのOPT価格は巧妙に設定されており、プレミアムなら上記OPTを追加しなくても
パワーバックドア以外は最初から装備されて税抜280万円なのだ。ちなみにプレミアムにパワーバックドアを追加すると税抜285万円。

そうであれば、予算を上乗せして内外装のブラッシュアップされるプレミアムの方がお買い得に見えてくるような巧みな装備設定だ。ツーリングの素の状態で魅力を感じなければOP追加は金銭的には割高感が伴う。

それならばツーリングにパワーバックドアとアイサイトセイフティプラス(運転支援)だけを追加したいと思っても、オプションの組合せ上、設定が無い。もしあれば税抜270万円になるはずだった。それをやらせずにプレミアムに誘導するやり方は、スバルさん、商売上手ですねと言わざるを得ない。

筋力で不利な女性の力では操作が難しいバックドアゆえに、パワーバックドアだけは単独OPT設定すべきではないかと思う。

当初、税抜260万円のツーリング良いじゃん!と思ったものの、OPT追加を通じて結局、税抜280万円のプレミアムに誘導されてしまう。プレミアムに流れるとe-BOXERの恩恵でエコカー減税が適用され、自動車税でも有利な税抜287万円アドバンスに誘導するルートが現れる。(購入時の税金が4万円安くなり、残る3万円は自動車税6年分でペイできる)

アウトドア好きに捧げるX-ブレーク以外は全て上級グレードに誘導するような強い流れを感じさせる。
勿論自動車販売ビジネスであることは百も承知だが、上級グレードに誘導するやり方が露骨に感じた。

今回の全面改良はボディサイズこそ拡大量を押さえたがメイングレードの2.5L化などアメリカナイズが進み、一方でMT車やターボ車など従来のフォレスターらしさを持ったグレードを一斉に整理して合理化を進めたように感じる。

車両からはスバルらしいマジメさを感じたが、北米中心のエンジンラインナップに加え、露骨に上級グレードを選ばせて粗利を稼ぐ販売戦略はかつてのスバルを知る私のような者にとっては少々寂しさが残る。

MTはムリでも、レヴォーグの2.0Lターボを積んだXTを残してくれたら、税制的に有利で2.5L相当のパワーを発揮する1.6Lターボを積んでくれたら、ツーリングのオプション選択をもっと柔軟にしてくれていればとついつい思ってしまう。水平対抗ターボMTのフォレスターに魅力を感じて歴代乗り継いだスバリストも先代フォレスターで、「今回はMTが無いのか。ターボがあるだけ良いか」と妥協してくれたのに、今度は「ターボも無いのか・・・。自然吸気の2.5Lでいっか」と妥協してもらうことになる。段々とスバル味を薄めていくと、顧客のロイヤリティは徐々に低下し、競合車に流れてしまうリスクを持っているような懸念も持った。

見積もりを取ったが、カーナビもナビパックと称して
ETC2.0とバックカメラ抱き合わせになっており、ケンウッド製7インチ21.7万円~パナ製8+6.3インチ24.7万円。7インチ版はカーナビの画面が着て欲しいI/P上端には抱き合わせのナノイー発生器が配置されてナビ画面は下寄りに配置される。およそ自動車メーカーの純正用品として不適当に感じた。結果、3万円の事だから良い方を買おう、というストーリーになっている。

私の場合、ツーリングに好きなMOPを着けて税抜き285万/税込み307.8万円、ベースキット、ナビバック、コーティング含む用品が46.1万円、エコカー減税無し、点検パック、延長保証を含んだ諸費用39.1万円。合計393万円である。ものの本に拠れば平均値引き16.8万円との事。

仮に20万引いてくれても、373万円では焼け石に水だ。

フォレスターも随分と高価な車になってしまったと痛感する。車自体は★4つ着けたいと思ったが、価格設定の面で★3かなぁと判断。
満足している点
1.最廉価グレードの充実度
2.バックドア開口の広さ
3.Rr席のシートベルトとリクライニングの両立
4.歩行者エアバッグ標準装備
不満な点
1.会社としてマニアを相手にしなくなった
2.DOPカーナビの抱き合わせOPT
3.バックドアの操作力の重さ
4.簡単に最廉価グレードを買わせてくれない。
デザイン

-

走行性能

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新型フォレスターに用意されたパワートレーンは水平対抗直噴2.5Lとe-BOXERを名乗る駆動用モーター付水平対抗直噴2.0Lが選べる。

今回試乗したのは2.5Lの方だが、先代と比べて500ccの排気量アップは明らかに北米を志向したものと言えそうだ。北米市場では市場要求の問題で余裕のあるトルクが必要で、現地で販売されている日本ブランドのSUVは全て2.5L級のエンジンを搭載している。

燃費性能は2.0Lと変わりません、と力説していたが日本の税制上は明らかに不利だ。どうしても2.0Lが欲しいという人にはe-BOXERをどうぞと言うことなのだろう。

走らせると発進から豊かなトルクを感じることが出来る。変速機は例によってリニアトロニックCVTなので発進から制限速度の50km/hに至るまでE/G回転数は1000rpm近傍にべったり貼り付いたままだ。

これが小排気量Bセグならばストレスが溜まるのだが、フォレスターは余裕あるトルクを活かして走らせる分には不満は無い。もう少し踏み込めばエンジンが本領発揮という印象でしっかりした加速が出来るのだが、右足とのリンク感が無いと言うCVTの問題は残されたままだ。

車にこだわりのない人ならCVTの違和感は気にしないだろうが、これがスバルの自動変速機の味なのかと考えると、かつてのスバルを知る者からすれば引っかかるものがある。CVTがアレでもせめて6MTがあればなぁ。

今回SGP(スバルグローバルプラットフォーム)を得て走りの全性能がレベルアップした。フレーム配置は連続的で美しい。外見よりも骨組みがスタイリッシュなのがフォレスターの美点だ。走りのしっかり感と家族を乗せても快適な乗り心地なのだが、
XVと較べるとフロアからブルブルした振動を感じた。例えば、シビックハッチバックやカローラスポーツと較べてしまうとうねった路面を通過する時のブルブルした振動が取り切れていない印象だった。
尤も同セグメントのSUVと較べれば充分良いレベルにあった。

余裕あるエンジンを搭載していることからもフォレスターの走行性能はセグメントの中でも高いレベルだ。
乗り心地

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積載性

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フォレスターのスタイリングはスクエアでお世辞にも流麗でスピード感のある感じとは言えず、真四角のハコフグのような印象だ。

たっぷりした寸法、四角い車体断面を活かしてフォレスターはミニバンのような快適な居住空間でゆったりした気持ちで走らせることが出来る。

運転席からの景色も視点が高くSUVそのもの。XVと較べて高価格にシフトした事もあり内装デザインは加飾が効果的に加えられている。

居住性で特筆したいのは、Rrシートベルトの肩ベルトの設置方法だ。フォレスターは簡易リクライニングが装備されていて、座面のストラップを引けば3段階にリクライニングする。エクリプスクロスのシートスライドと9段階リクライニングには劣るものの、リクライニングするかしないかは大きく違う。

このリクライニング機構を備える車は数多いが、後席乗員がリクライニングしても肩ベルトがしっかりパッセンジャーの肩に追従する。その理由は肩ベルトが乗員の後方、デッキサイドから出ているからだ。後席肩ベルトは一般的にCピラーから出ていることが多い。肩ベルトを出す位置は法規で決められていて成立範囲が狭い。キチンと着座した状態なら効果を発揮するが、少しでもリクライニングしたら乗員の肩からベルトが浮いてしまう。更に乗員の身長差もカバーできない。Cピラーはほぼデザインで傾斜が決まり、後方視界で細さも求められるので太さ、形状から考えても肩ベルトを出すスリップジョイントを配置することが難しい。

フォレスターは私がリクライニングしてみても、しっかり肩ベルトが追従するのでベルトが肩から浮かない。これなら家族を乗せられる、と頼もしく感じた。

また、四角いデザインの恩恵はバックドアを開けてみればすぐに分かる。広大なだけでなく、開口部の幅が競合車と比べてぶっちぎりで広いのだ。一般的な開口幅はベビーカーやゴルフバッグが積める様に一定の幅を確保し、競合車との横並びを見ながら、そこそこ競合性のあるレベルに留め、後はスタイリング代に使うものだが、フォレスターはスタイリング代を犠牲にしてひたすら開口を確保する方向に走った。下手なミニバンより広いのではないだろうか。

一般的にはバックドア開口を確保する為には、ホンダN_BOXのように縦側の細いRrコンビランプを採用するか、Rrコンビランプを車体側とバックドア側に分割して設定する方法が一般的だ。Rrコンビランプも法規で光らせるべき面積が決まっているので、4代目のようにコストを重視して車体側で完結させると、バックドア開口幅のボトルネックはRrコンビランプとなる。実際はRrコンビランプのレンズの内側に
車体への取付け構造部があり、その内側にバックドアのウェザーストリップが挟まれるフランジがある。

5代目フォレスターは、スタイリングの努力でRr部を絞り込ませず、車体断面を絞らないままコンビランプを車体最外側に置いた。そして最低限の点灯面積を車体側に残して、他の点灯部分をバックドア側に移す事で美しいバックドアオープニングを得た。

実は更にお金をかけられるなら、DS7クロスバックやアウディQ3のように全てをバックドア側に配置することでRrに絞り込むような意匠も両立できるが、
夜間にバックドアを開けると点灯部が無く危険なので、車体側に点灯部を設けなければならずコストがかかってしまう。ノンプレミアムのフォレスターは愚直に四角い意匠を選択し、薄型のRrコンビランプを置いた。これが機能性を大いに感じさせる素晴らしい開口部で私のような何となくSUVのワクワク感を期待する層にとっては「何を積もうか」と考え始めてしまうのだ。エクリプスクロスのようにRrパンサイドの床面が省略されたりしていないので小物も置けるし、IKEAで買った組立家具も飲み込んでしまうだろう。

但し、そのしわ寄せなのかバックドアの操作力が驚くほど重い。男性の私でも重いと感じるレベルなので、女性や子供には過酷なレベルと言える。ガスダンパーの反力を下げたら良いじゃないかと言いたくなるが、今度は冬場にバックドアが自重で下がってくることも避けたい。冬場は出すダンパー内のガスが冷えての反力がこのような重さになっているのかもしれない。坂道に車を止めてバックドアを開けるシーンでは反力に余裕がないと勝手に閉まってきてしまう。日本最北端の自動車メーカーとして寒冷地でのバックドア性能を無視できなかったのかもしれない。

それを知ってか知らずかパワーバックドアと言う便利な装備が全グレードにOP設定されている。他車では上級グレードのみ装備されるなど、優雅な上級装備と言う立ち位置で準備されるのだがフォレスターに限っては購入時、必須と考える。
燃費

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価格

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故障経験

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