日産 オーラ e-POWER 「e-POWEの性能をフルに活かせるコンパクト」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

4

デザイン
5
走行性能
4
乗り心地
4
積載性
3
燃費
4
価格
3

e-POWEの性能をフルに活かせるコンパクト

2022.1.17

年式
2021年6月〜モデル
総評
日産が国内市場のことを真摯に考え、真面目に作られた一台。車内には人に優しいHMIがふんだんに用意される。デジタル表示のメーターは無骨に感じるが、運転中の瞬間的な視認性に優れ、表示内容も豊富だから電動化車両の特徴がつかみやすい。唯一の不満は、価格だが、それも投資効率から考えれば納得できないまでも理解できる。
満足している点
とにもかくにも、5ナンバーサイズの扱いやすいボディに、電動駆動ならではの滑らかな走り、これだけで満足度は高い。第1世代のe-POWERでは課題であったワンペダルでの回生制御や高速燃費が、ハード&ソフトウェアの技術革新で格段に良くなった。乗って楽しい電動車だ。
不満な点
総力を挙げて開発したプロパイロットを高額なセットオプション(車両価格に対して約20%)として設定したところに不満を感じる。先進安全技術は普及してこそすべてであり、その意味で、セットオプション内容を減らしてでも20万円程度で選ぶことができれば良いのにな、と思う。
デザイン

5

小さなクルマが不得意としていた、上質さの演出を立体的な面構成で見事に実現。5ナンバーサイズに留めながら、抑揚の効かせ方は見事だ。EV「アリア」にも通ずる新世代の日産を象徴するフロントマスクもシャープ。2トーンルーフを選べばさらに個性的になる。
走行性能

4

ノートでは第2世代となりエンジン稼働時のタイミングを車両騒音が大きくなるタイミングに合わせる。こうした考え方に伴う制御は「キックス」から入っていたが、ノートでは車両の静粛性が高いため、さらに静かで上質。肝心のパワーは日常走行領域では十分。アクセルを緩めた際の減速度も第1世代から改良され緻密で自然な制御だ。
乗り心地

4

車両重量の軽さ(最軽量モデルで1190kg)も手伝い、低速域から突き上げもなく、さらに電動モーターが発する駆動力マネージメントが良好でゆったりとした乗り心地が味わえる。4WDモデルでは120kg重くなることもあって、一層滑らかな乗り心地が得られる。
積載性

3

リヤシートは6:4の分割可倒式。4WDモデルはリアモーターが床下に収まるのでラゲッジフロアが若干高くゲートとほぼ同じ高さになる。リヤサスの張り出しも最小限に抑えられているが、いかんせん4m少しの全長しかないコンパクトカーなので、大きな荷物の積載には工夫が必要だ。
燃費

4

シリーズハイブリッド方式であるe-POWERはアクセルを緩めた際の減速方法に拘っていた。これは日常走行での利便性を高めるだけでなく、全域で高い回生制御を行なうためでもあった。ノートでは車速が低い場合には弱い回生、高い車速では強い回生を取ることで、燃費数値を高めた。第1世代の弱点だった高速燃費も改善している。
価格

3

ボトムグレードのSであれば202.95万円から用意される。電動駆動モーターによる滑らかな走りがこの価格で堪能できるのは素直にうれしい。だが、せっかくならACC機能など含めたレベル2機能であるプロパイロットを選択したい。しかし、そうなるとNissanConnect スタンダードプラン+加入に加えて、44.2万円高となる。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
日産 オーラ e-POWER 新型・現行モデル

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