三菱 ミニカ 「無くすには勿体ないクルマ」のユーザーレビュー

無くすには勿体ないクルマ

2020.4.4

総評

　街乗りでは十分にミニカの良さが光るが、遠出や高速走行では設計の古さと弱さを露呈してしまうところは残念である。
　基本的な構造は頑丈であるし、セダンタイプの扱いやすさについては、現代の軽と然程変わらないので、是非ともＭＴで積極的に乗ってほしいクルマである。

　今では売れないタイプのクルマではあるものの、基本がしっかりしていればアルトみたいに程々に売れると思われるので、是非とも三菱には何時か復活させてもらいたいと、切に願っている。
　こんないいクルマを廃盤にするのは、本当に勿体無い。

満足している点

〇今では数少ないセダンタイプのボディなので、１～２人で乗る分には全く問題ない広さと、キビキビと走る気持ち良さ。
〇人気が無いので、中古でも格安で手に入る上、上級車種になると十分な装備を備えてくれるので、今時の使用でも全く問題ない。
〇三菱お得意の電子機構の充実により、このクラスでは早々と全席オートパワーウィンドウが付いていたり、ランプ類の自動消灯等の装備がとても便利である。
〇特別な機構がないものの、コンスタントに高燃費なところ。
〇シンプルな造りと基本的な構造がしっかりしているので、頑丈で故障が少ない。

　後は以前書いた前期型の満足と同じである。

不満な点

▲パワー＆トルクが２世代前のものなので、遠出はキツイ。
　唯一の旨味だった低速トルクも排ガス対策で失われたし、高回転まで回しても全く官能的ではないし、パワーも出ない。
▲小さい上ホールド性がないシート。唯一前期型より進化したのはへたりを抑え固くなりコシが出たところのみ。
▲前席は十分だが、リヤシートの足元はセダンの割に狭い。もう少し後ろに下がれば良かったかも…。
▲小物入れの劇的な少なさ。
▲頻繁に起こるブレーキのジャダーはリコールものでは？と言いたくなるほど頻繁に起こる。
▲軽だから仕方が無いが、塗装が弱い。バンパーやボンネットに飛び石による欠けやハゲが…。

　後は以前書いた前期型の不満と同じである。

デザイン

3

　セダンタイプの王道であるデザインで、シンプルで飽きの来ないモノに仕上がっていると思う。

走行性能

3

　兎に角エンジンパワーが無いので、普通に走る分にはそこまで影響がないものの、高速走行及び峠道走行に関しては本当に50psあるのか？と思ってしまう程。
　しかも、唯一の旨味であった低速トルクも、排ガス対策により細くなり、この前に所有していた前期型の感覚でクラッチを繋ぐと、エンストしてしまうこともしばしば。
　
　サスは柔らかめであるものの、芯はしっかりとしているのでコーナーでふらつくことなく、淡々といなしてくれる。
　ただ、リヤサスは弱いのか、フル乗車をすると底付をよく起こしていたのはマイナスポイント。

乗り心地

4

　サスは割と柔らかめ、１３インチ＋６５タイヤの影響もあり、普通に乗っている限り悪くはない。
　ショックが抜け気味だったのでＫＹＢのNEW SR SPECIALに交換しても、その傾向は変わらず。
　しかし、コーナー時は最近のハイト軽と違い、重心が低めなのと頭が軽いので、それ程ふらふらすることなく、安定感はある。

積載性

3

　現代のワゴンタイプと違い、シートスライド機構が無いので大きな荷室が確保出来ないのと、シートバックが分割式ではないのでフル乗車時の荷室は確保出来ないが、少量であればそこそこの大きさはあるし、シートバックを倒せば、バンタイプもあった影響でそれなりの荷物（大型テレビ等）を載せることは可能。

燃費

4

　車体が軽いので、２世代前のエンジンの割には高燃費をコンスタントに出してくれた。

　平均で約１８㌔／Ｌ
　最高で２２㌔／Ｌ

価格

3

　不人気車だけあって、購入価格は激安。
　この価格で十分な装備が備えられているので、お買い得感はアリ。

　ただ…、下取及び買取は格安で買える分、絶望的であることをお忘れなく。

故障経験

　基本頑丈なので大きな故障はなかったが…
　・この時代の三菱軽によくある、ブレーキのジャダー。研磨と交換を繰り返すものの、症状は直ぐに出てしまう厄介者。
　・全般的にプラ部品が弱い。エアクリボックスの爪割れで新品交換と、導入口のプラリベットの不良（これはリコールで交換）。
　・エンジンマウントの交換。
　・飛び石によるフロントガラス交換と、その後半年経たず再び飛び石によるウインドウリペア。

　修理とは別に、予防として…
　・ショック交換（KYB NEW SR SPECIAL）
　・ホーンボタン追加