三菱 アイ 「良くも悪くも全てが普通車並の傑作車」のユーザーレビュー

XYVYX XYVYXさん

三菱 アイ

グレード:G(AT_0.66) 2006年式

乗車形式:マイカー

評価

4

走行性能
5
乗り心地
3
燃費
2
デザイン
5
積載性
3
価格
4

良くも悪くも全てが普通車並の傑作車

2023.5.3

総評
三菱がリコール隠し問題で倒産寸前に陥っていた時代に、起死回生をかけ全力を注いで作った車。
この時期唯一の完全新規車種であることからも、相当な気合が入っていたはず。

各所の設計が軽自動車としては明らかに過剰品質であり、恐らくはこの車をダイムラーに供給するか、もしくは三菱自身で世界展開する計画があったはずである。そうでなければ、まともにコスト計算していたのか疑問に感じるレベル。

車の基本である「走る・曲がる・止まる」に関しては一切妥協していない設計。にも関わらず軽自動車として発売したため、コスト面から内装などが割を食っている。
トッポBJワイドなんて作るより、アイこそワイドボディの普通車版を作り、諸々の制約から解放された完全体のアイを作るべきだったと思う。

プラットフォーム含め一切合切を専用新設計したもののこれらが他車に全く活かされなかったため、この車は商業面において大失敗、もはや黒歴史と思われる。
しかし、ユーザーからみればそれが特別感、ロマンを与える要素になっている。
満足している点
三菱が発売時にアピールしていた、リアミッドシップレイアウトによる「斬新なデザイン」「スムーズな走行感覚」「高い衝突安全性」。
これらが実際に軽自動車としては本当に高いレベルで融合しており、一部のコンパクトカーよりも上の次元ですらある。
不満な点
軽自動車にしては維持費が高い。
タイヤは前後異サイズな上、実質アイ専用サイズのため高い、というか量販店では売ってなく取り寄せになる。

また、エンジンが傾斜配置されているせいか、オイルが4L近く必要でエンジンオイル代も馬鹿にならない。

燃費も悪く、普通車に対するこの車の経済的メリットは税制と高速道路料金程度。
デザイン

5

圧倒的に唯一無二。
世の車が概ね空間効率重視、メッキ加飾の威圧的方向に向かい、アイのような丸さと可愛さに拘ったデザインのフォロワーが現れなかったため、いつまで経っても古く見えない。

同じフォルムをもった車が一切存在しないため、不人気車であることも相まって大型商業施設の駐車場では一発で自車を発見できる。
走行性能

5

ミッドシップレイアウトならではの前後重量配分の良さから、非常にスムーズで楽しい走りを誰でも体感できる。

特に、ワインディングにおいては後輪駆動と最適化された前後重量配分が相まって、思った通りのラインを容易にトレースでき、かなり高いコーナリングスピードを実現できる。軽自動車でパワーがないため峠の上りは厳しいが下りには強く、そこら辺のスポーツカーに勝るとも劣らないレベル。箱根駅伝で言えば6区選手といったところ。

また、コーナーの楽しさはスピードを出さずとも体感できるため、街中の交差点を右左折するときですら一般的な車との違いを体感できる。

直進安定性はそこまで良くなく、特に初期モデルはパワステセッティングがかなりフワフワしているため、高速道路で100km以上を出すと横風の恐怖に怯えることになる。後期モデルのパワステではこの点がかなり改善している。

ブレーキ時の挙動も優れており、制動時の前後重量配分はほぼ50:50のため、急ブレーキ時もつんのめり感がほぼなく、カックンブレーキになりづらい。この点では運転が苦手な人にもおすすめできる車。
乗り心地

3

スポーツ向けではない車としてはかなり硬め。
大きな段差を乗り越えると盛大な振動と音が発生する。ただし、我慢できないほど酷い乗り心地という訳ではない。

静粛性は軽自動車としてはかなり高い方。フロント乗員からみると、エンジンという音源からの距離が一般的な車より長く、また、走行音は後ろに流れる性質もあるため、荷室下にエンジンがあるとは思えないほど静か。
ただし、エンジン上に着座する形となる後席については、一般的な軽より振動と音が大きい。
積載性

3

後席を倒せばフルフラットになるため、それなりに荷物が積める。大人1名であれば車中泊もできる。
ロングホイールベースによる軽乗用車最長の室内長で、長物は結構載る。
一方、エンジンを床下に積んでいるという性質上、高さ方向は割を食っている。もっとも、全高が1600mmとワゴンRより少し低いくらいのため、絶望的に室内高が低いという訳ではない。
燃費

2

あまり良くない。街中では12〜14km/l、高速だと17〜19km/lくらい。

2000年代半ばという、環境意識が高まり経済性が重視され始めた時代に逆行して、なぜか燃費性能向上には不向きなスクエアストロークエンジンを採用したため、燃費が良くなるはずがない。
(先代の3G83エンジンはロングストロークエンジンだったのに、何故?)
価格

4

人を選ぶデザインでそもそも万人受けしないことに加え、メーカーが三菱のため、輪をかけて不人気。それ故安い。

ターボ車、キーレスエントリー、オートエアコン、オートパワーウインドウといった一通りの快適装備がついた中では一番安く買える車かもしれない。
故障経験
当方購入車では特になし。
一般的には持病としてPCVバルブが壊れやすく、ここがやられると蒸気機関車のように煙を盛大にバラまきながら走ることになるため、予防的に交換することがおすすめ。

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