三菱 アイ 「世界中どこに出しても恥ずかしくないジャパニーズ・コンパクト」のユーザーレビュー

rei045 rei045さん

三菱 アイ

グレード:G(AT_0.66) 2006年式

乗車形式:マイカー

評価

4

走行性能
4
乗り心地
4
燃費
2
デザイン
5
積載性
4
価格
5

世界中どこに出しても恥ずかしくないジャパニーズ・コンパクト

2021.2.27

総評
まずこのクルマを見て、今から15年前(コンセプトカーに至っては18年前)、21世紀になりたてホヤホヤの頃に発売された軽自動車だと思う人はいないでしょう。

目新しいだけの見てくれを売りにするクルマは数多いですが、理想とするパッケージングから必然的に導き出されたデザインを、商品性というフィルターを限りなく排除してそのまま市場へと送り出されるクルマは決して多くありません。

そのようなクルマは総じて造り手の意思が明確で、良くも悪くも機械そのものが持つ魅力(そして実力)がダイレクトに乗り手に伝わってくるわけで、いわゆる「名車」として後世に名を残すのも、ジャンルを問わずこの手のクルマであることはさして異論がないことでしょう。コンパクトカーで言えばビートル然り、ミニ然り、2CV然り。国産で言えばエスティマなどもそうかもしれません。

そして、同じようなクルマの常として、あまりにも理想主義的なパッケージングを現実のものとした引き換えに、モデルチェンジができない(する必要がない)という弊害が立ちはだかり、それが原因で一代限りで姿を消すことになったのも、先に挙げた名車たちと同じかと。

同じ形、同じ名前、同じ性能で同じものを売り続けることができない時代というのは寂しくもあり、でも、エスティマみたいに当初の理想をかなぐり捨てて、名前だけが残るのはもっと寂しいと思う派なので、アイはこれで良かったのだと個人的には思っています。
満足している点
・360°どこから見ても破綻のないデザイン
・オンリーワンのパッケージング
・パワフルで耐久性の高いパワートレイン
・高い次元で両立しているハンドリングと乗り心地
・雪道でも4WDの必要を感じないトラクション
不満な点
・時代遅れの4AT
・時代遅れの燃費
・ダッシュボード周りの映り込み
・上下方向の画角が狭いドアミラー
・風の強い高速道路での直進安定性
デザイン

5



だいたいどんなにカッコいいクルマだって、上下左右360°引いたり寄ったり傾けたりして眺め回してみれば、気の抜けたアングルとかバランスの悪いアングルとかが出てくるものなのですが、このアイに限って言えばそのようなアングルが見当たりません。

パッと見ものすごくプレーンな印象のある外装デザインですが、よく見るとそこかしこに「過剰」な部分があるのも、個人的には高ポイント。

たとえば、本当にクルマの四隅に追いやられたタイヤは、フロントなんかよく見るとナンバープレートよりタイヤ前縁のほうが前にあるんじゃないかって思うくらいで、こんなクルマはLMPカーくらいしか他に類を見ません。まさに全身で「エンジンは後ろです!」と表現している感じ。こういうのが本当のデザインだと思います。ホントに。

そんなエクステリアにくらべて、内装はわりとおとなしい感じなのは、ちょっとホッとしつつ、ちょっぴり残念なポイントでもあります。なので、特筆すべきことは特にはございません。いいのかそれで。

使い勝手的には全く問題ないものの、光線の具合によってフロントガラスにダッシュボードが盛大に映り込むのと、シートがほんのちょっぴり体に合わなくて、ロングドライブだと腰が痛くなることがあるのは残念なポイントです。
走行性能

4



私のアイはターボモデルのため、これっぽっちも動力性能に不足は感じません。

というのは嘘で、もうちょびっとだけパワフルだったらというのは偽らざる感想です。そうですね、せめて高速の登坂車線があるあたりで、キックダウンしなくてもするする加速していけるくらいには。

ピークパワー以外の、街中で普通に乗る分にはまさに過不足ないという表現がぴったりでしょう。当たり前ですが実用ユニットのため、MIVECターボとはいえフラットトルクで、大きな盛り上がりは感じないタイプです。あ、もう一度言いますね、MIVECターボです。

サマリーにも書きましたが、不満なのは時代遅れの4ATです。すでに時代的にはCVTが珍しくないはずなのですが、このおかげで走り味が(あと燃費も)古色蒼然たるものになってしまっているのは、このクルマの最大の欠点と言っていいかもしれません。

エンジン以外の部分に目を向けると、基本パッケージングの素晴らしさが、そのまま走行性能に反映されています。ハンドリングはその優れた重量配分と、見た目よりも低い重心から、典型的な優れたリアエンジン車のマナーを示してくれます。

強力なトラクションと車体全体が沈み込むようなブレーキ。そしてそのブレーキのリリースにわりと敏感なターンイン。初心者向け964といった感じで運転できるし、そうすると速いし楽しい。っていうか、ホントにそういうレベルで語れる素晴らしいハンドリングです。

トラクションの高さはエンジンの位置だけでなく、リアのサスペンション形式も一役買っていると思われます。

対地キャンバー変化がなく、それでいてバネ下重量を低減できるド・ディオン式サスペンションは、ジャッキアップすれば分かる通りバンプはもちろんリバウンドストロークも大きく、リアタイヤの接地感がリニアに伝わってきて、このクルマの隠れた美点だと思っています。
乗り心地

4



正直なところ、軽自動車ということで切り捨てられている点は多々あり、それが乗り心地というか、走りの質感の部分で残念な印象を与えてしまう部分はあります。

特にフロント周りにそれは顕著で、重量物が集中しているために自然と強度も剛性も必要とされるリアに対して、どうしても局所剛性に不足を感じてしまうのですね。主に一点というより、ストラットタワーからロワアーム支点からステアリングラックの取り付け剛性から、全部なんとなく頼りない感じ。

その点を除けば、乗り心地も軽自動車どうこうではなく、コンパクトカーとして十二分に満足できるものです。

全体としては非常に高いボディ剛性と、前後ともにたっぷりとしたホイールストローク。それに2550mmという未だ軽自動車最長のホイールベースとの組み合わせで、非常におおらかな、ゆったりとした乗り心地になっています。また、車重が実測940kgと適度に重いのと外径の大きいタイヤも、明確に乗り心地にプラスとなっているでしょう。

ひとつ、優れたパッケージングの明確なデメリットとして、高速走行時の横風への弱さが挙げられます。車両重心よりも横風に対する空力着力点が前にあることで、進路を乱された際にはステアリングによる修正が欠かせません。ホイールベースが長いことで、多少なりともマシにはなっているのでしょうが、これはこのクルマの弱点のひとつです。

とはいえ、たとえばサンバーみたいに怖くて風の強い日は80km/h以上出す気がしないといった程のものではなく、背が高くてトレッドの狭いリアエンジン車という割には真っ直ぐ走るけど、ホイールベースの割には真っ直ぐ走らないというのが個人的な印象です。
積載性

4



できるできないで言えば、家族3人で2泊3日のスキーに行けるだけの積載量は確保されています。スキー3セットとブーツ3セットとスキーバッグ2個と人間3人を詰め込んで片道4時間走っても、特に文句は出ないレベルです。

エンジンが下に入っている都合から荷室の床が高いので、荷室高そのものは低いのですが、変に敷居をまたぐようなデザインにもなっていないので、積みやすさ自体は悪くありません。

開口部が高いので背が低い人にはちょっとキツいかもしれませんが、個人的には腰にやさしいデザインだと思っています。

ちなみに人間の積載性で言えば、フロントシートは軽自動車のご多分に漏れず小ぶりで、上でも書いたようにちょっと腰にダメージがある感じ。リアも当然同じような感じなのですが、足元も広く、水準以上のスペースは確保されています。
燃費

2

こちらも先に書いたように、主に古代の4ATのおかげで燃費は最新の軽自動車から見るとお寒い限り。ターボモデルで街乗り13〜14km/L、高速で15〜17km/Lといったところです。

もうちょっと具体的に言えば、高速走行一切なしのお買い物やら保育園への送迎やらそんなのばっかりで13.8km/L。千葉から越後湯沢への高速往復実速110km/h巡航で15.7km/Lという感じ。

ひとついい点を挙げるとすれば、35Lとそこそこのタンク容量を確保しているので、脚自体は長いところですね。
価格

5

古い三菱車というだけでとてつもない安値で買えます。たぶん世界でいちばん安いミドシップターボ車だと思います。
故障経験

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