三菱 エクリプスクロス PHEV 「電動ハンドリングマシン－三菱エクリプス・クロスPHEVに乗った。」のユーザーレビュー

電動ハンドリングマシン－三菱エクリプス・クロスPHEVに乗った。

2023.11.8

総評

カーシェアカレコのラインナップに、最近アウトランダーとエクリプスクロスのPHEVが加わったというので、早速３時間ほど借りて一般道と首都高速を走ってみた。

S-AYCによるハンドリングがものすごいと聞いていたが、確かに怖いぐらい良く曲がるクルマであった。また、電動駆動で期待されるスムーズさも文句なく、少なくとも日本での使い勝手を考えると、BEVではなくe-POWERあるいはPHEVがベストな選択肢だと思う。

ただ、今回乗ったエクリプスクロスにおいては内外装のデザインとステアリングがどうも好きになれず、購入したいとは思わなかったが、より設計の新しいアウトランダーはどうだろう。気になるところ。

満足している点

・電動四駆＆S-AYCの相乗効果によるハンドリング。
・電動ならではの、スムーズなパワートレイン。
・手ごろなサイズ。

不満な点

・太いゴム棒をねじるような、ステアリングフィール。
・荒れた路面で気になる、ロードノイズと車体のビビり音。
・見た目も古い上、使い勝手も良くないインパネ。
・座椅子のような、リアシートの座り心地。
・電費が今一つ。

デザイン

2

2020年にディーゼルが落とされ、PHEVが追加された際に大幅マイチェンを受け、フロントとリアのオーバーハングが増やされたが、正直前の方が良かったと思う。大概、クルマのマイチェンでカッコよくなった試しがないような。


インテリアもさすがに旧さを感じる。スイッチ類のデザインが統一されていないし、メータやモニターの向き、シフトノブの配置など、ドライバーの視線や手の動きと微妙に合っていないのも気になった。
また、ヘッドアップディスプレイも付いているが、インパネからせり上がる投影板に映し出すタイプで、しかもその位置が近すぎる。コストは掛かるだろうが、フロントガラス投影タイプの方が断然見やすい（特に老眼持ちには）。
なお、ステアリング及びペダルレイアウトに大きな不満はなし。これは良いところ。シートは可もなく不可もなく。

走行性能

4

PHEVモデルは2.4Lアトキンソンサイクルガソリンエンジンと、前60kW/137Nm、後70kW/195Nmのモータを組み合わせる。通常はバッテリーからの電力供給で走り、エンジンは基本的に発電用であるが、高速走行時にはエンジンも駆動に参加する。


電動四駆で緻密なトラクションコントロールが効くので、e-POWER同様に街中では非常に乗りやすい。

加えて、高速では四輪が路面にへばりつくような安定性を示す。
いつもの首都高2号線下りをターマックモードで走ったが、ステアリングを切った方向にグイグイとコーナーを曲がる。こりゃすごいな。

減点要素としては、ステアリングに太いゴム棒をねじるような、妙な反力を常に感じるところ。

乗り心地

3

乗り心地自体は悪くないのだが、ほぼ電動駆動でエンジンの音は聞こえないため、荒れた路面でのロードノイズやボディのビビり音や微振動が気になる。

ちなみに、タイヤはブリヂストンのエコピアH/L422 225/55R18 98Hを履く。

積載性

3

このクラスの国産SUVの平均的なサイズだと思われる。床下収納スペースは充電ケーブルなどに占領されている。

燃費

2

今回は一般道、高速合わせて80km走行した。
満充電でスタートしたが、60kmくらいでバッテリーが90%くらい消耗してエンジンが掛かり始める感じ。

バッテリー容量は13.8kWhなので、電費は60÷(13.8 x 0.9)=4.8km/kWh程度。良くはない。

普通充電と急速充電の両方が使えるのが長所。ただ、航続距離の長いPHEVであることと、バッテリーの負担を考えると、急速充電には頼らない方が良いかも。バッテリー容量が小さいので、普通充電でも数時間で満充電になることだし。

価格

3

今回乗ったのは最上級Pグレードで、価格は約465万円。これに国からの補助金55万円に加え、東京都であれば45万円の補助金がもらえ、さらに税金などの優遇がある。

補助金を差し引くと365万円相当のクルマなわけだが、電動パワートレイン＆S-AYCによって得られる鬼ハンドリングとスムーズネスを考えたら、お買い得なのかもしれない。
ただ、+50万円でより設計が新しくて上質な（と思われる）アウトランダーの中級グレードが手に入るのが、悩ましい。

故障経験

レンタカーにつき、割愛。