メルセデス・ベンツ GLCクラス 「Cクラスをベースにした都市型SUV」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

3

デザイン
4
走行性能
3
乗り心地
3
積載性
4
燃費
2
価格
3

Cクラスをベースにした都市型SUV

2022.12.21

年式
2016年2月〜モデル
総評
「GLC」の前身は「GLK」。GLKは先代Cクラス(W204型)をベースに駆動方式をFR方式からフルタイム4WDである4MATIC方式へと改め、この最終型では先進安全技術群である「レーダーセーフティパッケージ」を装備するとともに、V型6気筒3.5L直噴エンジン(276型)を搭載していた。受け継いだGLCを狙うのであれば、後期型のディーゼルモデルがいい。エアサスペション仕様だと快適性もグンと向上する。
満足している点
人気車種であるW205型CクラスのMRAプラットフォームにSUVボディを組み合わせた。それがこの「GLC」だ。日本市場において、先代に相当する「GLK」では左ハンドルしか選べなかったが、GLCでは逆に日本では右ハンドルのみの設定に。同時にデファレンシャルギヤの構造から右ハンドル仕様の後輪駆動力配分は左ハンドル仕様よりも増え後輪駆動寄りとなり、素直なステアリング特性になった。GLKよりも洗練された都市型イメージだ。
不満な点
導入当初は、2.0Lターボエンジンしか選べなかったこと。ここがユーザー評価をわけた。日本市場のおいてディーゼルエンジンのメリットが認知され出したことから、メルセデス・ベンツにも本国で用意のあるディーゼルモデルの導入が望まれた。しかし、当時の日本におけるインポーターはディーゼルの導入を否定。同時に足回りもオンロード向けの硬めのセットアップのみとし、19インチタイヤでスポーツ路線を歩んだ。が、モデル後半でディーゼルを導入する。
デザイン

4

全幅は1890mmとCクラス(W205型)との比較で最大80mm大きいが取り回しはそれほど悪くない。19インチタイヤだと最小回転半径は5.7m。見た目こそSUVのセオリーに則り、大径タイヤに腰高ボディというマッシブな印象を抱かせるが、いざ乗り込むと洗練されたCクラスそのもの。クルーザーのインテリアを意識したというSクラスに通ずる優雅なインテリアデザインは、適度な包まれ感があって優しい雰囲気を醸し出す。
走行性能

3

当初は2.0L直噴ターボから導入されていたGLCクラス。211PS/35.7kgmで9速ATとの組み合わせだ。1900kg近い車両重量だが、1500回転あたりから十分なトルクを発揮(最大トルクは1200〜4000回転)するので動力性能に不足はなかった。高回転域での伸びはいまひとつで5000回転を超えたあたりからパワーが売り切れるものの、実用域での走りには納得だ。
乗り心地

3

2016年当時に筆者が試乗したモデルが工場出荷から間がなく走行距離も3桁台ということもあり、乗り味は硬めで、とくに市街地ではしなやかさがもっとほしい感じた。基本的な走行特性はCクラス(セダン)に通ずるもので、ステアリング操作に対する位相遅れがとても少なく好印象。低めに収めた重心高と適正化されたロールセンター位置によって、初期の硬さ(渋さ)はあったが、決して突っ張ることなく、じんわり適度なロールを許す。
積載性

4

ボディサイズのうち全幅が大きい(1890mm)こともあってラゲッジルームにもゆとりがある。後席は40:20:40の分割可倒式を採用し、センター部分のみ倒すと長尺物を積載しながら4名乗車(定員は5名)が可能だ。後席の背もたれをすべて倒すことで最大で1600Lもの広大なスペースが出現する。このラゲッジスペースのフロア下には、車載ジャッキや折りたたみ式カーゴケースが収まるサブトランクが用意されている。
燃費

2

9速ATでJC08モード燃費値13.4km/Lが当時のカタログに記載されている。当時、メルセデス・ベンツの2.0Lターボは、成層燃焼と均質燃焼、さらにその混合である均質成層燃焼の3モードが与えられたエンジンが車種に応じて搭載されていたが、GLCクラスにはオーソドックスな「均質燃焼」版。燃焼システムの違いにより燃費数値は大きく変化し「3モード」版に対して、同じ条件で10〜15%程度、高速道路における巡航燃費数値が劣る。
価格

3

当時、試乗したのは「GLC 250 4MATIC Sports」で7,450,000円。他モデルではオプション装備として別途購入となる19インチサイズのAMG5ツインスポークアルミホイール、AMGスタイリングパッケージ(フロントスポイラー・サイド&リアスカート)、そして前後2段構えとなるパノラミックスライディングルーフなどがすべて標準装備。この時代のメルセデス・ベンツから、ヘッドライトとリアコンビランプ類の電球がLEDになり始めた。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
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