マツダ MX-30 「EVとしての完成度は高い」のユーザーレビュー

EVとしての完成度は高い

2021.2.28

総評

マツダ発の市販EVということで、独自のフルハイブリッドを持たないだけに、あまり期待していませんでした。

ところが、乗ってびっくりです。

走りの質感が高く、アウディのコンパクトみたいに輸入車に乗っているような錯覚すら覚えるものでした。

不満な点に挙げたものは、いずれも購入時に分かっていることなので、デザインと走りが気に入って、航続距離が気にならない人にならおすすめできます。

これで、バッテリー搭載量がもっと多くなったり、ロータリーが搭載されれば、もっと多くの人におすすめできるのに、と思います。


ただし、買い方には要注意です。

現時点では、EVのリセールが望めないので残価設定ローンでの購入の場合のみ、おすすめできます。

満足している点

・乗り心地、ハンドリングの質の高さ

MHVグレードと同じボディとは思えない上質さで、正直驚きました。

リヤがトーションビームであることを忘れさせ、Mazda3やCX-30と同じプラットフォームとは思えない走りでした。

・MHVモデルと変わらない室内空間

元々広い室内ではないですが、ラゲッジを含めてMHVと変わらないのは評価します。

・違和感のない回生協調ブレーキ

自社ハイブリッドを販売していたわけではないのに、違和感のない回生協調ブレーキの出来に驚きました。

日産のようなワンペダルではなく、回生具合をパドルで調整できるのも、個人的には好みです。

不満な点

・航続距離の短さ

もうこれは、クルマの出来が悪いわけではなく、メーカーの方針のせいなのですが…。

ハードの出来が良いので遠くに出かけたくなっても、心理的にハードルになってしまう航続距離だと思います。

せめて、リーフe+くらいの航続距離が欲しかったです。

欲を言えば後発なので、それ以上欲しいところです。

この点は、ロータリー搭載車にお任せだということなのだとは思いますが。

・Basic Setの装備

パワーシートはともかくとして、EVでシートヒーターがオプションでも付けられないというのは、致命的かと。

シートヒーターやステアリングヒーターが欲しければ、最上級グレードを選べというのは理解できません。

せめてオプションで選べれば、Basic Setが標準的なグレードとして検討できるのに、もったいないです。

・外部給電機能がない

これも、今EVを買う上では致命的かもしれません。

電池容量に余裕がないからかもしれませんが、ロータリー搭載時には追加して欲しいです。

・価格

このバッテリー搭載量だと、割高に感じてしまいます。

リーフe+くらいの搭載量でこの価格なら納得できるのですが。

ただし、マツダが利益を出すためにこの価格設定をしたという訳では無さそうです。

詳細は価格項目で。

デザイン

4

MHVでは、使い勝手の悪さが気になるデザインも、EVなら個性的で良いのかなと思えてきました。

走行性能

5

RAV4 PHVやテスラのように飛行機のような加速感はありません。

アクセルを床まで踏み込んでも、常識的な加速です。

これが不満に感じる人もいるかもしれません。

ただし、0からリニアに盛り上がっていくモーター特有のトルク感は感じられ、個人的には不満は感じませんでした。

乗り心地

5

カーブではロールをあまり感じず、大げさにいえば水平に曲がっている感じですが、乗り心地はとても上質で、マツダの車作りのレベルの高さを再認識しました。

EVモデルに乗ってしまうとやはり、MHVは急ごしらえで作ったのかな、と思えてしまうくらい差があります。

積載性

5

MHVと変わりません。

デザイン上、高さがあるものは積めません。

燃費

-

価格

4

バッテリー搭載量を考えると、価格は高いと思います。

ただし、マツダは台数が出ることをあきらめたわけではないようです。

残価設定プランの残価率が高いのです。

というか、CX-8のディーゼルモデルと同様の残価を設定しています！

これは正直驚きです。

リーフを見ても分かるように、EVのリセールはとても悪いことが世間の常識ですが、マツダは損をかぶってこの残価率を設定してきたようです。

EV補助金の保有義務が4年なので、これに合わせて支払い回数48回のプランも用意されています。

3月末までは金利も1.99%ということで、年間12,000km以内の走行であれば、これを使わない手はありません。

ロータリー搭載時このプランがあれば、結構欲しいです。

故障経験