マツダ MAZDA6 ワゴン 「10年選手の掘り出し物ーマツダ６ワゴンに乗った。」のユーザーレビュー

10年選手の掘り出し物ーマツダ６ワゴンに乗った。

2023.11.9

総評

マツダ6は今の車（ボルボV60CC）を買うときにも検討しかけたのだが、既に10年選手の車を新車で買う勇気がなく、試乗もせずに候補から落としてしまった経緯がある。

でも、今乗ってみて、あの時候補から落としたことを少し後悔した。真っ当にいいクルマじゃないの。上質なインテリア、ドライバーの操作に忠実な走り。そして比較的買いやすい価格。

このクルマは近い将来に直列６気筒を積んだFRモデルにチェンジされるのだろう。それはそれで非常に楽しみなのだが、現行モデルも悪くないし、このクルマが今400万円で買えるなら掘り出し物なのではないか。

満足している点

・内外装の質感の高さ。
・正確なハンドリング。
・文句のないシートの座り心地、ドライビングポジション。
・広い室内と荷室。

不満な点

・2Lガソリンエンジンはさすがに少々力不足。
・低速のステアリングはもう少し軽くて良い。
・今一つ直感的な操作ができない、マツダコネクトの操作性。
・レーンキープアシストがあまり賢くない。

デザイン

5

2012年のデビュー時以来、基本的に変わらないエクステリアだが、デッサンからそのまま出てきたような躍動感溢れるデザインは、10年以上経った今見てもカッコいい。


インパネは2018年のマイナーチェンジで今のデザインに改められたもの。
今回乗ったのは廉価グレードの20Sプロアクティブであったが、ソフトパッドや合皮がふんだんに使われており、見て触って感じる質感が非常に高い。廉価グレードとは思えない。フロントガラス投影タイプのヘッドアップディスプレイも付く。
また、各操作系がドライバーの手の届きやすいところに配置されており、使いやすい。窓を開けようとしてドアミラーの角度調整スイッチを押してしまうようなことも、ない。
マツダのクルマらしく、ドライビングポジションも文句なく決まる上、シートの座り心地も期待通りに良い。リアシートの居心地も良く、さすがはマツダのフラッグシップサルーンである。


難点は、マツダコネクトの操作性。
全ての操作はシフトレバー後ろのコマンドダイヤルを用いるのだが、特にCarPlayを使うときに直感的な操作がしづらかった。タッチパネルも併用した方が良いように思える。

走行性能

4

エンジンは2Lガソリンで115kW/199Nmを発揮。
1,530kgの車重に対して余裕は少なく、街中でも少しの加速でもシフトダウンを要求する。やはり25SまたはXDを選ぶのが良さそう。
ただ、高回転まで良く回るエンジンなので、このクルマのキャラクターにはそぐわないが、踏めばそれなりに元気に走らせることはできる。

ハンドリングは正確で、いつもの首都高２号線下りのカーブを走った時の重心の低さを感じさせる挙動は、なかなか気に入った。

このクルマにも一通りの運転支援装置が付いているが、レーンキープアシストは白線からはみ出そうになって初めてステアリングのアシストをするタイプで、車線の中心をキープするようなことはしてくれない。そこはアップデートして頂きたい。

乗り心地

3

乗り心地も期待通りに良い。輸入Dセグモデルと互角に渡り合えるレベルにあると思う。
ただ、荒れた舗装路面での微振動はもう少し抑えたい。ワゴンボディだから仕方ないかもしれないが。

なお、タイヤはマツダ定番のトーヨー・プロクセスR54-A 225/55R17 97Vを履く。

積載性

4

セダンに比べてホイールベースを80mm短縮してリアオーバーハングを稼いだこともあって、荷室は広大。
荷室内のレバーでシートバックを倒すことができるのは、便利。

燃費

4

今回一般道とやや混雑した首都高速を55kmほど走り、燃費はリッター13km台であった。
1.5tonを超えるボディで何の変哲もないガソリンエンジンにしては、良好な燃費ではないか。


ちなみに、アイドリングストップは停止してからブレーキペダルを踏み込んで初めて作動する。エンジンを止めたくなければ、踏み込まなければ良いので、なかなか使い勝手が良い。

価格

4

今回乗った20Sプロアクティブは既にカタログ落ちしているが、確か300万円を少し超えるくらいの価格帯だったと思う。ナパレザーシート、シートベンチレーションが標準の25S Lパッケージでも400万円を切る。お買い得。

故障経験

レンタカーにつき、割愛。