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いまでは希少種になった? 現行モデルの国産スポーツワゴン3選

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いまでは希少種になった? 現行モデルの国産スポーツワゴン3選

■現行モデルのスポーツワゴンを振り返る

 1989年にスバル初代「レガシィ ツーリングワゴン」が登場し、ヒット作となったことをきっかけに、日本の自動車市場ではちょっとしたステーションワゴンブームが起こり、各メーカーから次々と新型ステーションワゴン(以下、ワゴン)がデビューしました。

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 1990年代には隆盛を極めていたワゴンですが、ファミリーカーの主力がミニバンへと移行し、徐々に販売台数は減少。

 売れなければ当然ながらメーカーも車種整理せざるを得ない状況となり、2000年代には一気にワゴンのラインナップは少なくなってしまい、現在に至ります。

 現行モデルのワゴンでは、欧州ブランドのモデルは比較的豊富ですが、国内メーカーのモデルはわずかです。

 しかし、直近では新型ワゴンが登場して好調なセールスを記録するなど、SUV人気が続くなかでもワゴン復活の兆しが見えてきました。

 そこで、現行モデルのスポーティな国産ワゴンを、3車種ピックアップして紹介します。

●トヨタ「カローラツーリング」

 2019年9月に、トヨタは12代目となる「カローラ」シリーズを発売しました。海外向けのカローラとプラットフォームを共通化しつつも、ボディサイズを若干小さくして日本市場に特化したモデルとするなど、カローラならではといえる対応が話題となりました。

 ボディタイプはセダンに加えワゴンの「カローラツーリング」を設定し、ボディサイズは全長4495mm×全幅1745mm×全高1460mmと、日本の道路事情にマッチしたサイズです。

 外観は「カローラスポーツ」のボディを延長したイメージのスタイリッシュなクーペフォルムで、カローラ共通の精悍はフロントフェイスに、ボディサイドのプレスラインとドア上部のラインが前方から後方に向かって上がることで、スピーディな印象です。

 搭載されるパワーユニットは、1.8リッター直列4気筒エンジン+モーターのハイブリッドと、1.8リッター直列4気筒自然吸気、1.2リッター直列4気筒ターボの3タイプで、1.2リッターターボのトランスミッションは6速MTのみとされるなど、ドライビングプレジャーを重視したキャラクターに仕立てられています。

 また、2020年6月と2021年4月には、最高出力170馬力とパワフルな2リッター直列4気筒エンジンを搭載した特別仕様車「カローラツーリング 2000リミテッド」と「カローラツーリング アクティブライド」が、それぞれ500台限定で発売されるなど、よりスポーティなモデルも登場しました。

 カローラツーリングの価格(消費税込、以下同様)は201万3000円からで、全グレードとも200万円台に収めるなど、かなり戦略的な価格設定となっています。

●スバル「レヴォーグ」

 前述のとおり、レガシィ ツーリングワゴンがヒットし、スバルはさらに1992年には初代「インプレッサ」を発売。レガシィよりもコンパクトなサイズの、セダンと同時にワゴンの「インプレッサ スポーツワゴン」を設定し、高性能な「WRX」を展開してヒット作となります。

 その後、2007年にデビューした3代目インプレッサでワゴンが廃止され、2014年にはレガシィ ツーリングワゴンも国内販売を終了しましたが、同年には初代「レヴォーグ」が誕生しました。

 初代レヴォーグはレガシィ ツーリングワゴンとインプレッサ スポーツワゴンを統合した後継車というポジションで、スタイリッシュなデザインのボディで、高性能モデルを設定するなど、スマッシュヒットを記録。

 そして、2020年10月に外観は初代からキープコンセプトとし、新開発の1.8リッター水平対向4気筒DOHC直噴ターボエンジンを搭載した2代目がデビューしました。

 安全運転支援システムも最新の「アイサイトX」を設定するなど、安全性能もさらに進化しました。

 グレード構成は伝統のスポーツモデル「STIスポーツ」系以外はすべてGTの名が冠され、エントリーグレードが「GT」で、アイサイトXを搭載したハイグレードモデルが「GT-H EX」と、スポーティ路線を強調しています。

 エンジンスペックはSTIスポーツも含め全グレード共通で最高出力177馬力、トランスミッションも全車CVTとされるなど、これまでの展開と大きく異なりますが、一方、海外では2.4リッターターボエンジン搭載車が登場するなど、国内でもハイパフォーマンスモデルが展開されるか期待されています。

 また、2代目レヴォーグは2020-2021日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど高く評価され、いまやスバルの主力車種の1台です。

 レヴォーグの価格は310万2000円からで、現在、オーダーストップ中ですが、近いうちに改良モデルが登場すると予想されます。

●マツダ「マツダ6 ワゴン」

 現在、マツダのラインナップは「CX」シリーズに代表されるSUVが主力となっていますが、SUV以外のモデルでフラッグシップに君臨するのが「マツダ6」です。

 マツダ6の前身は2012年にデビューした3代目「アテンザ」で、2019年8月からグローバルで車名を統一したことを受けてマツダ6に改名されました。

 ボディバリエーションはセダンとワゴンで、ワゴンのボディサイズは全長4865mm×全幅1840mm×全高1480mmとフラッグシップにふさわしい体躯で、この大きさを生かした伸びやかで流麗なフォルムが特徴です。

 パワーユニットは、最高出力156馬力の2リッター直列4気筒自然吸気、190馬力の2.5リッター直列4気筒自然吸気、230馬力の2.5リッター直列4気筒ターボ、そして190馬力を発揮する2.2リッター直列4気筒ターボディーゼルをラインナップ。

 トランスミッションは6速ATに加えディーゼル車には6速MTが設定されるなど、ラグジュアリーなモデルながら、マツダらしいスポーツマインドがあふれたワゴンです。

 また、マツダ独自の車両姿勢制御技術である「Gベクタリング コントロール」や、多彩な安全運転支援システムが標準で搭載されるなど、高い走行安定性と安全性を誇ります。

 マツダ6 ワゴンの価格は289万3000円から。なお、マツダ6はアテンザ時代から数えて誕生から10年を迎えようとしており、次期型の登場も大いに期待されています。

※ ※ ※

 現在、世界的に人気沸騰中のSUVですが、ミドルクラス以上のモデルは全高が高いステーションワゴンといっていいボディ形状です。

 いいかえれば、使い勝手の面でワゴンがSUVに劣る要素はなく、豪雪地以外では走破性も大差ないでしょう。

 SUVの方がドライバーの目線が若干高いことで運転しやすいという意見もありますが、ワゴンが運転しにくいわけでなく、ドライビングプレジャーという点ではアドバンテージもあります。

 総合的に見てワゴンが売れない理由は無いのですが、国産モデルでは選択肢が少ないということから、あらゆるニーズに対応するのは難しいといわざるを得ず、完全復活するには至っていません。

文:くるまのニュース くるまのニュース編集部
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