マツダ MAZDA3 ファストバックハイブリッド 「マツダの躍進のはじまり」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

マツダの躍進のはじまり

2021.3.25

年式

2019年12月〜モデル

総評

クルマ全体のクオリティは高く、デザインの好みだけで購入しても、ずっと大切にできるモデルだろうと感じる。たとえば、自分で初めて新車を買おうとしている人は、ちょっと背伸びしてMAZDA3を購入するのも良いかもしれない。愛車を所有する喜びも感じられるし、とても素直に運転できるクルマなので、ドライビングの基礎が自然に養われるはずだ。

満足している点

心を惹きつける美しいデザイン。国内でも海外でも同セグメントモデルと比較すると圧倒的な存在感と美しさを持っていると思う。特に実際に所有している人は、日々どこかへ運転して行って、様々な場所で見る自分のクルマの姿にうっとりしそう。また、クルマと一体感あるドライビングフィールにもマツダらしいクルマ作りが表れている。

不満な点

マツダの第7世代の第一弾目であるMAZDA3。マツダの中でその理想が高すぎたのか、できている部分とできていない部分の差が大きいように感じる。パワーユニットのソフトウェアアップデートは無償で行われるそうなので、今後も商品改良を重ねて、完成形のMAZDA3に近づいていくのかもしれない。

デザイン

5

MAZDA3を見かけると、息を飲んでしまうほど、そのデザインやリフレクションは美しい。余計なプレスラインが排除されていて、面の処理だけで豊かな表情を作り出している。特にハッチバック（ファストバック）は、Cピラーからリアにかけてのボリューム感が、これまでのコンパクトハッチにはなかったデザインだ。もはや芸術品のようになりつつあるので、いくら美しくても好き嫌いは分かれやすいかもしれない。

走行性能

4

新プラットフォームの「SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE」を採用し、新エンジンの「SKYACTIV-X」を搭載するなど、新しいことづくしのMAZDA3。実際に運転してみると、滑らかなハンドリングでとても運転しやすいモデルになっている。さらに静粛性もとても高いので、車内の空間も快適。ただ、どのパワーユニットも少々パワーが足りていなかった。SKYACTIV-DとSKYACTIV-Xに関しては、今後ソフトウェアのアップデートが入るので、その改良が入ってはじめて、MAZDA3らしいモデルになると思う。

乗り心地

3

デザイン、走行性能や静粛性など、他のカテゴリのレベルが高い分、気になるのが乗り心地だ。様々な段差で、跳ねるような突き上げを感じるので、ドライバー以外はあまり快適とは言えないかもしれない。4WDモデルはその突き上げを少なく感じるので、もしMAZDA3の乗り心地がネックになって悩んでいるとしたら、4WDを試すこともおすすめしたい。

積載性

4

セダンとハッチバックモデルがあるので、自分の用途に合わせて選ぶことができる。荷室の積載量は一般的なCセグメントのモデルとほぼ変わらず。ただ、小物入れなどは必要最低限のものしか付いていないので、そのあたりは事前に確認する必要あり。

燃費

4

燃費は、15.6〜19.8km/L（WLTCモード）と、やや良くない。特に、ガソリンモデルとSKYACTIV-Xモデルは、他メーカーのモデルと比較すると、燃費では譲るものが多い。ただ、マツダが得意としているディーゼルエンジンは、燃費の良さ＋軽油の価格の安さがあるので、燃料の価格によっては、ハイブリッドよりお得になる可能性も。

価格

4

パワーユニットが4種類あるため、価格は約222〜368万円と、かなり幅広い設定になっている。ガソリンモデルは低価格で購入できるが、MAZDA3のクルマとしての質感を考えるとややパワーが足りていないため、個人的にはディーゼルかSKYACTIV-Xを勧めたい。ただ、ガソリン、ディーゼル、Xの順に価格が上乗せされるため、予算との兼ね合いでちょうどいいモデルを見つける必要がある。