マツダ デミオ 「マツダデミオ：試乗インプレッション」のユーザーレビュー

マツダデミオ：試乗インプレッション

2015.8.21

総評

これまではスズキスイフトかホンダFITがこのクラスのベストと
思っていたが、このニューデミオ登場でその考えは変わった。
デミオ1300が私におけるこのクラスのベストを更新した。

これはあくまでガソリンエンジンの13系グレードについてであり、
人気のディーゼルモデルについては、メカニズムの共通性がある
CX-3を試乗した限りにおいては「デミオには不釣り合い」というのが
個人的見解である。

価格は約30万円の差であり、燃料代やクラス越えた絶大なトルクを
引き換えれば一見良さそうに思えるが、100kgもの重量増（しかもほとんど
前輪側が増える）はコンパクトハッチクラスの車両としては大きく
バランスを崩すこととなり、致命的とさえ感じる。
ディーゼルモデルは大きな車にとって有効なのであり、コンパクトカーの
本質は「いかに軽量で手足のように気持ち良く軽快に走らせられるか」という
点に尽きると思う。
マツダは他社ハイブリッド車へ対抗するための話題性と収益に寄与する
ためのいわばドル箱と位置付けてディーゼルモデルを設定したのであり、
一般的なコンパクトカーに求めるユーザーの期待と必ずしもマッチしている
とは思えない。

もしアクセラやロードスターの1500ccのガソリンエンジンが搭載されれば
性能的にも余裕が出てなかなか面白くなるのではないか。
いずれにしろ私はガソリンエンジンのモデル一択と結論づけたい。

満足している点

・このクラスにしては異例のロングノーズショートデッキの
　特徴的スタイル。
・運転環境に対して最大限に配慮した設計が実現している。
・クラスを越えた内装の質感を持っている。
・スカイアクティブガソリンエンジンのスムーズな吹け上がり。
・CVTでなくトルコン式6ATを採用し、他車にないダイレクトで
　違和感のない、キレのいい変速を実現している。
・全てのグレードでMT車を選択可能（価格差なし！）
・コンパクトハッチらしい軽快なハンドリング特性を持つ。
・グレードによるカラーバリエーションの差別がほぼない。
・中核グレードの諸費用込総額が200万円以内で収まる。

不満な点

・室内空間はライバルに比べてタイト。
・個人的主観であるが、フロントナンバープレートの配置

デザイン

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走行性能

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1300NAのスカイアクティブガソリンエンジンで試乗。
まずスッキリとした雑味のない吹け上がりが気持ちいい。
薄い燃料で燃焼しているのか、トルクやパワーの濃密な感覚や
官能的なサウンドはないものの、フリクションを徹底的に排除したと
思わせるスムーズなエンジン回転を示し、ガソリンエンジンらしく回す
愉しみがある。
また他モデルに対する特徴として、流行りのDCTやCVTでなく敢えて
トルコン式6ATを採用しているのと、全グレードで同一価格にて3ペダル
MTが設定されている。
ギアによるメリハリのある加速感を狙ってのことだが、特に6ATは
制御が素晴らしく、エコ走行もこなしつつその気になって踏み込めば
切れのいいシフトアップを披露し、トルコンのダイレクト感の強さも
相まってこのクラスとして走りの軽快さを増している。

ハンドリングも不自然な挙動はなくナチュラルな特性であり、グレードに
よるタイヤのキャパシティの差こそあれど意のままにコーナリングが
愉しめる。

最も素晴らしく感じるのはドライビング環境である。ドイツのプレミアム車
が採用するようなオルガンタイプのアクセルペダルを奢り、ドライビング
ポジションの適正化とスロットル操作のコントロール性を上げているし、
Aピラーの付け根をドライバー側へ寄せた設計により左右方向の視界が
きちんと確保されている。

乗り心地

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オーソドックスなグレードではタイヤも穏当な扁平であることから
路面の当たりはマイルド。コーナリング時の脚の動きもしなやかで
仏車のようなライドを感じる。
一方エンジンの遮音はクラスの平均的なレベルであり、エンジン音は
それなりに侵入してくる。それでもエンジンそのものはスムーズで
煩わしく感じることはなく、むしろ積極的にドライブしているという
テンションは上がってくる。
シートは今時の低反発系のクッションで、サイズはともかく座り心地も
悪くない。

積載性

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コンパクトハッチバッククラスなので大きくは期待できない。
積載性を優先するならばメーカーは異なるがホンダの（FIT）シャトルが
適しているのではなかろうか。

燃費

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試乗につき燃費測定はしていない。
ガソリンエンジンの平均的数値は出せるのではないか。
MTモデルがあるので、そちらは多少期待できるか。

価格

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故障経験

試乗中における不具合の発生は皆無であった。