マツダ CX-60 「CX-60 直6ディーゼル FRベース」のユーザーレビュー

チェロ. チェロ.さん

マツダ CX-60

グレード:XDハイブリッド エクスクルーシブスポーツ_4WD(AT_3.3) 2022年式

乗車形式:マイカー

評価

4

走行性能
4
乗り心地
4
燃費
5
デザイン
5
積載性
4
価格
4

CX-60 直6ディーゼル FRベース

2022.11.24

総評
個人的にはそれなりに良くできた車だと思う
ステアリング比がスローなのは残念に感じるが,FRベースの素直な操舵感
アダプティブサスが付いてないのは仕方ないとしても,せめてステアリング比くらいはスポーツモードで変えて欲しい
頭を上下に振られるようなバウンシングに違和感を最初感じたが,ピッチングやロールが少なく,荒れた路面やコーナリングで頭が左右に揺すられにくいので,運転してて疲れが少ない
約2トンの車体が,その巨体をものともせずコーナリングするのは感動もの
こんな車なんだと受け入れて,車に合わせた乗り方に変えれば長く付き合えるように思う

ただし,完成度は多めに見て70〜75点といったところ
熟成度はこれから上がるかもしれないので,不満なく乗るならスバルじゃないけど最終型くらいまで待つ必要あるかもしれない
3〜400万ならこの程度でも良いかもしれないが,5〜600万だと不満を感じる人が多いと思う
満足している点
いつまでICE車両が販売されるか先行き不透明なこのご時世に,新規開発の直6エンジンをFRレイアウトで出してきたところ
国内向の直6はマイルドハイブリッド搭載 or 非搭載のディーゼルだけであるが,海外向には直6 SKY-Gや直6 SKY-Xが販売を控えており,直4ガソリン,直4ガソリン+プラグインハイブリッド車両も発売間近である
20年以上前の国産車では普通に搭載されていた直6エンジンであるが,いつしかV6に置換わり,ダウンサイジングの波に乗って直4ターボや直4HEVに変化してきた中で,直6FRを販売し続けてきたメーカーはBMWくらいである
最近になって,20年ぶりに復活させたベンツやランドローバーにも直6が搭載されているが,そんな中で直6を販売したことがないマツダが,直6を新規開発したというのは一つのニュース
4気筒やPHEVしかなかったら絶対に買っていない
不満な点
エンジンとミッション間をトルコンレスとするため,モーターを挟んで2組の湿式クラッチを採用した機構は,クラッチの位置は異なるが日産のFRハイブリッド車でも採用しており特段珍しいものではないが,そのセッティングが煮詰まっていない
マイルドハイブリットの3.3Lディーゼルターボという割に,0-100が7.4〜7.5秒なので仕方がないが,加速は遅くはないけど速くない
減速停止前の微速時や,発進微速時にガサゴソと異音と振動を感じるが,i-stop状態での停止直前には出ていないことから,エンジンとモーター・ミッションとの同期がとれていないような感じ
i-stopからのエンジン再始動はドンと大きな振動があり,これは大トルク駆動用モーターによるものか,再始動時のクラッチ制御に問題がある
解消するには素のディーゼル同様,セルモーター駆動にする必要あると思われる
トルコンのAT車やCVT車に乗り慣れた人,アクセルオンオフを繰り返す人などにとってはギクシャク感や異音などを大きく感じると思う
変速フィーリングは,マニュアル車の感じでアクセル操作すれば,巷で言われるほど悪くないので,マニュアル車に乗り慣れた人がセッティングしたんじゃないの?と思ってしまう
トルク増幅効果がない湿式クラッチ採用なのが原因なのか,モーターを挟んだ2クラッチ制御のせいかもしれないが,もっと躾けて欲しいところ

個人的には不満はないものの,足回りについては好みもあるだろうが,全般的に固めで,荒れた路面走行時には安物感がある
フルロック転舵時の足回りからの異音や振動はジオメトリそのものに問題がありそう
デザイン

5

車体サイズは全長4,740mm x 全幅1,890mm x 全高1,685mmと大きい
プレミアムとエクスクルーシブなどのプレミアム系と下位モデル,プレミアム系でもスポーツ系とモダン系などで外装に違いがあるが,内装同様に個人の好みで選択肢は多い
リアのマフラー出口がダミーなのが個人的には残念に感じる
マフラーはAutoExeが開発中であるが,DOPになっていることから,純正マフラーから出口を変えた程度で,ディーゼルでは高揚感のある排気音は望めず,ドレスアップパーツの一つだろう
取付けにはガーニッシュ交換のためのバンパー切り欠き加工が必要なので,元に戻すことはできなくなる

普段はジーンズを着用しているので,白内装とタン内装は色移りが気になること,嫁の「白とタンはイヤ,黒が良い」という声もあって,黒内装一択としたためエクスポをチョイス
黒内装でも質感と高級感を感じることができるが,強いて言えば,パネルはメッシュメタルではなく,プレスポのマットブラックヘアラインが好み
シート中央に合皮のデコレーションラインがあるが,このデコレーションのせいなのかお尻の辺りに突っ張り感と言うか引っ張り感と言うか,気になる感触がある
パノラマルーフは,ルーフ部が30kg重くなるのを嫌ったこと,嫁が要らないと言ったこと,後部座席に人を乗せることがないことから未装着で,ルーフ30kgは公表燃費1km/L低下以外に,ハンドリングや車両の挙動などの走行性能にも影響ありそう
走行性能

4

3.3L直6シングルターボディーゼルにアシストモーターを併用したマイルドハイブリッドで,縦置きFRのレイアウト,機関出力は控えめの254馬力 550Nmに加え,加速時には16.3馬力 153Nmのモーターがアシストしてくれるものとなっているが,3.3Lという割にパワー感が乏しく,同クラスのエンジン搭載した欧州車と比べるとパワー不足を感じなくはない
モーター駆動だけの走行はできないが,モーターは加速アシストに加え,アイドルストップからのエンジン始動,減速時やコースティング時の回生発電機として機能する
ミッションはトルクコンバーターレスの8速ATで,エンジン-クラッチ-モーター-クラッチ-ATの構成で,2つ湿式多板クラッチを採用している
機構部品の位置関係は異なるが,日産FUGAやSKYLINEなども2クラッチトルコンレスを採用しており,珍しい構成と言うわけではない
アイドルストップからはアシストモーターで再始動するため,セルモーターを使用しないので,アイドルストップ用12Vバッテリーは使用されていない
エンジンは良くも悪くもディーゼルで,アイドリングや低速ではディーゼル音が聞こえてくるが,ある程度の速度域(回転域)ではディーゼルであることを忘れさせる仕上りとなっている
メータークラスターを見ると,レッドゾーンが5000rpmと低いことがディーゼルを感じさせられるが,レッドゾーンまでスムースに回転上昇してくれ,通常走行では1000~1500rpm程度でシフトアップしていき,トルクがあるので鈍重さは感じない
0-100kph加速は7.4秒程度なので,速いというものではないが,100kphまでの加速でストレスを感じることはなく,トルコンやCVTのようなスリップ感がなく,クラッチワークが上手な人が運転するマニュアル車のような感じで,加速時はDCTのようにポンポンとシフトアップしていく
AWDは雨天や雪上などの滑りやすい路面での発進性確保もあるが,4輪の駆動力を最適配分して運動性能を高めるためのもので,後輪駆動のニュートラルな旋回性に,AWDの安定性をバランスさせたものとなっている
アイドルストップからの再始動には,トルクが大きなアシストモーターを使用することによるものか,セルモーターで始動する時よりも大きな振動を感じるところは改善の余地があり,再始動と発進が同時だとガクっと音と振動を感じることがある
コースティングからの再始動はアイドルストップからの再始動よりもマシであるが,再始動時にもう少し滑らかにできないものかと感じる
慣れてくるとモーター再始動タイミングが分かるので,アクセルワークを加減すると違和感は低減できる
3Lクラスのターボディーゼルであれば馬力もトルクも更に出せるであろうが,必要な出力を確保した上で余裕を燃費と排ガス性能に回しているとのことで,確かに燃費に関しては街中,高速のいずれでも驚くほど良い数値をたたき出すものとなっている
乗り心地

4

フロントはダブルウィッシュボーン,リアはフルマルチリンクで,ステアリングタイロッドは前側に付いている
リアリンクのハブ側にはボールジョイントを採用しているが,国産・輸入車問わずボールジョイントを採用している車種は多く,ブッシュのように捩れて踏ん張るというものではないので,レスポンス向上やジオメトリー変化抑制に効果があっても,固さや渋さに影響するものではないだろう
ボールジョイントの受け側は樹脂製らしいので,耐久性が気になるところ
多くの車は前後軸のストローク中心軸は揃っておらず,後軸の前側にピッチングセンターがあるが,CX-60では前後軸のストローク軸を揃えてピッチングセンターを車両後方に置いているとのこと
そのため車両の動きは,ピッチングセンタを中心としてお辞儀と仰け反りするピッチング挙動ではなく,前後が共に上下動となるバウンシング挙動となるが,路面と速度によっては,このバウンシングに違和感を感じることがある
リアのスプリングレートが高い割にダンピングが弱いためか,周期的な起伏でリアのバウンシングが収まるのが遅く,そのために不安を感じることが多いことから,足回りのセッティングは及第点とは言えない

転舵時にフロントが持ち上がって操舵感が減少するのを嫌って,フロントキャスターを立てたことで,セルフアライニングトルクが減少しているようで,ハンドルの戻りが弱い感はあるが,高速走行時の直進性に問題はない
直進性はリアのセッティングでカバーしているようで,走行中はフラットライド感が高いものの,路面によっては前述のようにバウンシングを大きく感じることがある
乗り心地に関しては,路面によっては多少の固さを感じるが,足下がバタついたり不快に感じるものではなく,段差などによるガツンとした入力は抑えられており,総じて言えば悪くない
BMWのMは別格としても,MパフォーマンスやMスポーツモデルに比べても全然マシである
試乗車はプレスポで,自車はパノラマルーフなしのエクスポであるが,試乗コースと同じ道を走った限りでは,頭の揺すられ感やバウンシング量の多さなどの挙動が試乗時と異なっていたのは,ルーフの30kg差が効いているのか,もしかすると個体差なのかもしれない
Gベクタリングは採用されておらず,ロードスターに採用されたKPCが採用されているが,コーナリングではフロントのまくれ上がりや大きなロールが発生せず,2トン近い車体とは思えない姿勢でコーナーをクリアすることができる
ただし,転舵しながら加速する時にフロント荷重の抜けを感じなくはない
※KPC(キネマティック・ポスチャー・コントロール)とは,リアサスのアンチリフト特性を利用し,横Gが発生するコーナリング時にリア内側を制動制御することで,ロールを抑えて姿勢安定させる技術とのことである
ステアリング比がスローなので,右左折時などでハンドル切り角が多少多く必要で,個人的にはもう少し速い方が良いなと思うが,スポーツカーではないので慣れるしかないだろう
ステアリングを重く感じる人もいるかもしれないが,BMW Mパフォーマンス車のコンフォートとスポーツの間くらいの重さで気になるものではない
ブレーキは片押しであるが,フロントは2ポッド,リアは1ポッドのベンチレーテッドで,制動性能は2トンの車重に対して十分であり,回生によるブレーキへの違和感は抑えられており,初期制動が高いというものではなく,踏めば踏んだだけ効くという感じで,BMWのブレーキと感じがよく似ている
タイヤはBS ALENZA001の235/50R20,ホイールサイズは2075+45で,ホイールインセットを小さくするとセルフアライニングトルクが更に低下するなどの問題が出るようであるが,スクラブ半径などジオメトリーが変わるので,そういうこともあるだろう
リアに比べてフロントが柔らかいのか,フロントタイヤの動きが大きいようで,FFミニバンのようにフロントショルダー摩耗が早く,タイヤ寿命を考慮すると小まめな前後ローテーションが必要
積載性

4

ロングノーズショートデッキのプロポーションなので,SUVとしては容量が若干少なめだと思うが,タイヤ4本は十分積載可能だった
カーゴ床面が高めなので,重量物の載せ下ろせは注意が必要であるが,気になる人は社外のスカッフプレートでも付ければいいだろう
燃費

5

ハイオクと比べると30円/L以上安くて,街乗り燃費が18km/Lくらいなので,燃料に関してのランニングコストは十分満足できる
ただし,オイル交換頻度がガソリン車より多く,オイル量が多いので燃料費のポジは若干消される
価格

4

価格は,値引なしということであったが,下取査定額の上乗せと万単位のハンツ落としでこれなら良いかと思えた
標準でフル装備なので,選択できるオプションは限られており,必要最小限の選択としたが,メンテパックと保証延長は入っておいた
歴代車両の経験上,初回車検前に乗り換えるなら不要,3年以上乗るなら付けておいた方が良いかもしれない
故障経験
増えてきたので整備手帳にアップ

https://minkara.carview.co.jp/userid/113606/car/3325676/7209921/note.aspx

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