マツダ CX-30 ハイブリッド 「エンジンの選択だけは悩む「美しきSUV」」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

エンジンの選択だけは悩む「美しきSUV」

2021.2.22

年式

2019年10月〜モデル

総評

搭載エンジンによって評価や印象が大きく異なる車です。しかし、どのエンジンであっても「高速域での安定性」と「美しい内外装デザイン」という美点は共通しています。自分のフィーリングや予算感に合ったエンジンを選ぶことができたならば、満足度の高い「いい買い物」になるでしょう。

満足している点

日本で使うにあたって「小さすぎず大きすぎず」といったサイズ感は、大家族や、趣味の道具などを大量に載せる人以外にはいい感じでマッチするはず。またクールで美しい内外装デザインは、「所有する歓び」をオーナーに与えるでしょう。高速域での安定感も◎です。

不満な点

ディーゼルターボエンジンは、燃費は良いのですが、ディーゼルターボならではの「低回転域からきわめてトルクフルである」という美点は若干薄いと感じられます。また新世代ガソリンエンジンであるスカイアクティブXはややわかりにくいというか、高いお金を投じるだけの価値が「パッとすぐわかる」といったものではありません。

デザイン

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エクステリアは「面で見せる美」を特徴としていて、ボディサイドの光の映り込みは、このSUVに華やかさを与えていると同時に、どこか日本的な「静かな美」も感じさせます。全体としては、ファミリー層に使われることが多いSUVとして重要な「室内空間の広さ」と「スタイリッシュであること」が見事に両立。インテリアのパーツひとつひとつも、派手さはありませんが、その分だけ「雑味」がなく、クラストップレベルの質感とセンスを有しています。

走行性能

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パワーユニットは、2Lガソリンの「スカイアクティブG 2.0」と、1.8Lディーゼルターボの「スカイアクティブD 1.8」、そしてガソリンとディーゼルの“いいとこ取り”と言える「スカイアクティブX」の3種類。スカイアクティブGは軽快な印象で、運転感覚はSUVというよりも「出来の良いハッチバック」を運転しているかのようです。スカイアクティブDも同様に操縦感覚は良好ですが、低回転域でのトルク感はディーゼルターボにしては薄め。新機軸のスカイアクティブXは、ディーゼルエンジンのレスポンスの良さと、ガソリンエンジンの伸びやかさが確かに同居していますが、コストパフォーマンス的にはやや微妙かも。

乗り心地

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市街地での乗り心地は「もちろん悪くはないが、だからといって極端にいいわけでもない」という中庸なニュアンス。しかし高速道路などで速度を上げていくと、タイヤが路面に吸い付いたかのような乗り味に変わりますので、かなり良好な乗り心地を堪能することができます。

積載性

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比較的コンパクトなサイズのSUVであるため、荷室の広さ自体はさほど広大ではありません。しかし荷室の開口部がワイドで、床面の位置も高からず低からずといった場所にあるため、やや大きくて重めの荷物であっても積み下ろしは容易です。ちなみにCX-30の荷室にはA型／B型のベビーカーが積載可能です。

燃費

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マツダ CX-30の燃費はエンジンの種類によってずいぶん異なります。カタログ燃費ではなく実燃費で言うと、2LガソリンのスカイアクティブGは「普通ぐらい（可もなく不可もなく）」といったニュアンスで、新世代ガソリンエンジンであるスカイアクティブXは「良好」、ディーゼルターボのスカイアクティブDも「良好」といったところです。ただ、トヨタ C-HRなどのハイブリッド車にはさすがに負けます。

価格

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2LガソリンのスカイアクティブGエンジンを搭載するモデルであれば、上級グレードであってもプライスは比較的お手頃です。しかしディーゼルターボのスカイアクティブDや、新世代ガソリンエンジンであるスカイアクティブX搭載モデルは、そこそこお高いお値段となります。