レクサス UXハイブリッド 「まるでエンジンを積み忘れたのかと思った」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

まるでエンジンを積み忘れたのかと思った

2024.5.29

年式

2018年11月〜モデル

総評

2024年1月にデビューした最新のUXハイブリッドに試乗して驚きました。走りのフィーリングが従来モデルと全く違う。まるでEVに乗っているのかと錯覚させるほど、エンジンの感覚がないのです。理由はマイナーチェンジ時の変更点にありました。ハイブリッドシステムをすべて入れ替えたのです。従来は「第4世代」と呼ばれるタイプでしたが、最新のシステムは「第5世代」。新型プリウスなどに搭載されている、モーターやインバーターなど電気系ユニットがすべて刷新されたタイプに進化したのです。その結果として乗り味が大きく変化。エンジンの存在を感じさせない滑らかさが手に入り、同時にアクセル操作に対する反応もよくなりました。凄い進化です。メカニズムの基本は最新のカローラクロスのハイブリッドモデルと同じですが、カローラクロスよりエンジンが静かなだけでなく、エンジンがかかる頻度も少ないように感じます。UXはエンジンの存在感がより少ないですね。

満足している点

最新ハイブリッドによる滑らかな走り。そしてインテリアの上質さはさすがレクサス。コンパクトで扱いやすい車体サイズやレクサスとしては手が届きやすい価格もいいですね。そして燃費も良好。そして最新型は、走りの滑らかさとドライバビリティも大幅に良くなりました。

不満な点

後席スペースやラゲッジスペースはあまり広くないですね。なので3人以上の家族がいる世帯のファミリーカーとしてはあまり向いていません。あと、レクサスとしては手の届きやすい価格ですが、トヨタブランドで近いパッケージとなるカローラクロスなどに比べると価格はプレミアムブランドを感じますね。

デザイン

3

見るからにレクサスを主張する雰囲気は好み次第ですが、垂直翼のような処理を細部に施したテールランプやタイヤ周囲の樹脂部品は面白いですね。

走行性能

4

ハンドリングはさすがレクサス。適度にシャープで気持ちよく運転できます。そして2024年1月以降のモデルの特筆すべきポイントは、パワートレインの進化。ハイブリッドが「第5世代」へとバージョンアップされ、アクセル操作に対する反応といったドライバビリティも滑らかさも大きく向上しました。まるでEVのような滑らかさにビックリです。ちなみに2024年1月以降のモデルはガソリン車がラインナップから消え、UXはハイブリッドとEVだけの展開となっています。

乗り心地

4

なかなかいい感じ。地に足がついていないようなフワフワ感も粗さもなく、絶妙なチューニングです。2024年1月以降のモデルは車体剛性の向上やサスペンションチューニングの進化もあって、ますますスッキリとした乗り味を得たような印象ですね。

積載性

2

コンパクトハッチバックに比べれば広い荷室ですが、CセグメントのSUVとして考えるとやや物足りないところ。隠れ兄弟車であるカローラクロスのほうが広くて実用的です。いっぽうUXは、雰囲気重視のハッチバック的なクロスオーバーSUVといえるのかもしれません。

燃費

5

FFモデルのWLTCモード燃費は26.3km/Lで、従来モデルに対して約15％のアップ。従来モデルでも十分な燃費だったのにさらに伸びるなんて……凄くないですか？走りがよくなったうえに燃費もよくなるなんて半信半疑ですが、本当にそうなのだから驚くしかありません。もちろん実燃費でもしっかり期待に応えてくれます。

価格

2

435万9000円から553万3000円。レクサスとしては手が届きやすい価格帯ですが、それなりに高価なのは否めません。あとはその価格に見合う価値を感じるかどうかでしょう。