レクサス IS 「セダンの格好良さを再認識」のユーザーレビュー

セダンの格好良さを再認識

2021.12.29

総評

一言でいうと、つべこべ言わずこの外観が気に入れば、購入する価値はある。

パーソナルなFRセダンとして、ネガな部分が少なく、バランスが良い。エクステリアが好きであれば、内装などの古臭さは個人的には許容範囲な人も多いと思う。個人がセダンを選ぶのは、既にマイノリティなのかもしれないが、先進性よりもスタイルや熟成された走行性能、また国産であることなどに価値を見出すのなら、良い選択肢の１つだと考える。

以上、2021年10月納車で、3500km程乗ってみての感想。

満足している点

エクステリアの満足感が高い。フロントは素直に格好良く見え、リアの造形は個性的に思える。
内装の質感は上を見ればキリがないが、相応に高いと感じる。
走った感じが、低速から高速までスッキリとした乗り味で気持ち良いのも満足出来る点。但し、操舵支援機能(LTA)をオフにした場合に限る。

不満な点

2Lターボの性能に不満はないが、エンジンに高揚感が足りず、凡庸な感じがする所。
運転席周りのインフォテインメントが古いし不足がち。HUDの設定が無いのも不満点。
アイドリングストップのオン/オフを初期設定で変更出来ないこと（初期値オン）
車内のイルミネーションが少ないからか、夜の車内は結構暗い。

デザイン

5

2013年発売の前期型から2度の大きなマイナーチェンジを経て、2020年のモデルチェンジで外観はかなり大きく変更。フルモデルチェンジ級と言っても良い変更は、よくやったと思う。ただ、逆に言うとタイミング的にはフルモデルチェンジでも構わない時期だったので、それが出来なかったのは残念な所。

車全体としても少し大きくなり、長さ4710mm、幅1840mmなのは、特に幅が日本の環境でパーソナルユースとするなら、ほぼ限界では無いかと思う。デザインはフロント、リア、サイド全周でかなり変わっており、ワイドアンドローに見えるスタイル、トレッド拡大による特にリア周りのボリューム感が、セダンという車型として格好良くまとまっている。

個人的にスピンドルグリルは好きな方ではないが、このISのデザインでは大きなグリルが綺麗なまとまりでデザインされている。外装色が黒だったことも大きいとは思うが、気になりにくい。

走行性能

4

2Lターボで245ps/350Nmなのは、車重1640kgではあるものの、パワー感も有り速いと感じる。しかし、少なくともこのパワートレーンにおいては、この車の主役はエンジンでは無い。ハンドリングが絶品とまでは言えないものの、足回りやシャシー全体で質感の高さを感じるような、乗り味を楽しむ車だと思う。

接地感が良いと感じる為か、低速から高速までドライバビリティが高く、特に高速道路の速度域では、直進安定性がかなり高いと感じられる。
また、今どきの車では重要な、安全装備やADASについても、2020年時点の最新に近い所はキャッチアップ出来ていると思われ、最先端ではないものの必要十分といえる。
ちなみに操舵支援機能(LTA)は、必要時以外はオフ推奨。常時オンなら、評価は３。

乗り心地

4

レクサスの売りとしての静粛性は、完璧とは言えなくても十分感じられる。気に障る音が減るというのは、快適性にかなり寄与する。
スポーツセダンというキャラクターから言うと、いわゆるふんわりとした安楽な乗り心地というわけではなく、堅めなのがベースライン。ただ、足回りはしなやかに動くので、思っているよりも遥かに乗り心地が良い。TNGAではないものの車体を効果的に補強していると思われ、カッチリしていて、それが乗り心地の良さに貢献していると考えられる。

積載性

3

トランクは思っていたよりも奥行きもあり、巨大ではないがセダンとしては十分。リア席も倒せるので、フラットでは無いが長めの物も積載可能。居住空間内で言うと、グローブボックスにセンターコンソール、ドア下部やシートバックなど、一通り入れる所はあるのだが、何となく少し足りない気はする。

燃費

2

ハイオク仕様2Lターボで、WLTC12.2km/L。各モードで見ても、実際はほんの少し落ちる気がするが、概ねスペック通り。特に良くも無いが、不満は無い。10km後半を求める人は対象外。その場合、ハイブリッドしかない。

価格

3

車単体(特別仕様車で585万)で見れば高く感じる。しかし、高いのは車単体だけでなくレクサスの品質・サービス・ブランド料込みと理解して許容出来るのなら、相応レベルだと思う。もしくは比較対象によっては、若干リーズナブルかもしれない。

故障経験

今の所なし。