平成12年式SiR(AT)
FFでありながらローアンドワイドなスタイリッシュな正当派スペシャリティクーペ。
安全基準や環境規制のおかげで装備が複雑化し
2007.7.16
- 総評
- 平成12年式SiR(AT)
FFでありながらローアンドワイドなスタイリッシュな正当派スペシャリティクーペ。
安全基準や環境規制のおかげで装備が複雑化してしまった現在の国産ラインナップでは考えられないクールなスタイル。
FFでありながらやけに低くて長いボンネットがスペシャリティカーの存在感を引き立たせている。
エンジンも200馬力を6800回転で発生する高回転型の2.2LのDOHC-VTECで、5200回転前後で音が切り替わるシステムも心を躍らせる。
しかしVTEC特有の低速トルクの貧弱さと、フロントが重いためもあり、ATの場合の出足は遅い。最近の軽やコンパクトにも負ける。
先代にくらべてボディが新設計のためボディ剛性は飛躍的に向上しており、直進安定性やコーナリング性能は信頼できる(あくまでFFスペシャリティカーとして)。
エンジンノイズが抑えられており、停車中はヒソヒソ話もできるほど静であるが、ホンダ車の例に漏れずロードノイズは強く、走行中は若干うるさい印象(スポーティといえばそれまでだが)。
内装もこの時代のホンダ車にしては上出来で、落ち着いていて飽きのこない出来栄え。スイッチ類も使いやすい。
後席の居住性は期待してはいけない。細身の体格なら座れなくはないが、荷物置きと割り切るくらいでちょうどいいかも。
総評としてはホンダが輝いていた時代の秀作であり、誇りと意地が垣間見れる名車であり、プレリュード(前奏曲)というよりはミニバンメーカーに変わり果てる前の20世紀のホンダへのレクイエム(鎮魂歌)的な車だと思っている。
今後二度とこの価格帯でここまで色気のある国産モデルは登場しないであろうと思われる。
プレリュードが復活したらぜひとも買いたい。ミニバンメーカーに成り下がったホンダには無理だろうけどぜひ作って欲しい。
- 満足している点
- FFでありながらローアンドワイドなセクシーなスタイル。
アクセルレスポンスのよさと、時速40キロからの余裕のある加速感。
ホンダのスポーツエンジンらしくレブまできちんと回るし、常用域のトルクも確保されおり、スポーティながらもジェントルなエンジン。
ATでもシーケンシャルシフトが装備されているので、VTECを楽しむことができる。
VTECの切り替わりがわかりやすく、心がときめく。音がいい。マフラーを変えるとなおよい。
ワインディングでのスポーツ走行にもそれなりに応えてくれるが、ノーマルでサーキットはきついと思う。
内装もそれなりの高級感があり、スイッチ類がシンプルに配置されているので使いやすい。
オーナーが少ないのでエンブレムを外してしまえばどこのメーカーの車なのかわからなくなる(短所でもある)。
オーナーが少ないので情報が集まるところも限られており、情報収集がしやすい。
低い車体のため洗車がしやすい。
- 不満な点
- VTEC特有の低速トルクの貧弱さに加えて、フロントが重過ぎるので出足は遅い。
ATの場合、出足だけを見れば軽やコンパクトに負けるし、最高速度も最近のミニバンと同程度。
踏み込んだ時のエンジンサウンドやフィーリングはGOODだが、走りに過度の期待はNG。
ATの場合、時速100キロまではいいのだが、それを越えたあたりから加速が鈍り始め、最高速は「ぬうわ」キロほどで打ち止め。飛ばしたい人はMTかタイプSかSスペックを買うべき(20馬力差であるがSiRと比べるとレスポンスもパワーもはっきり言って別物)。
燃費があまり良くなく、街乗りリッターで6~7キロで、高速では10~11キロ。
パーツがとても少なく、そもそも適合表に載っていないこともしばしばなので、いじる時は冒険を余儀なくされることも多い。
社外品スピーカーを装着したい時はボディ側の加工は必須。
座り方や体型も悪いのか(当方171センチで58キロ)、1時間も経てば腰が痛くなる純正シート(レカロに交換したら解決した)。
収納の使い勝手が悪い。
純正ナビ装着車を買ってしまうとカセットしか聴けなくなるようだ(純正CDチェンジャーは生産終了)。気をつけたし。
- デザイン
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- 走行性能
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- 乗り心地
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- 積載性
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- 燃費
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- 価格
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- 故障経験