日本サイズのミニバン(小さな箱車)
ミニバンといっても名前だけでちっともミニでないデカバンが多い中、ついに本当の意味でのミニバンが登場した。
実質的に
2009.1.7
- 総評
- 日本サイズのミニバン(小さな箱車)
ミニバンといっても名前だけでちっともミニでないデカバンが多い中、ついに本当の意味でのミニバンが登場した。
実質的にはモビリオ(3列)モビリオスパイク(2列)の後継車に当るが、現行フィットで培った「スペース活用の魔術師」ぶりがいかんなく発揮され、ほぼ新型車と言ってもいい印象を与える。フリードと名前を変えたのも正解だった。
以前のモビリオは質実剛健などちらかというと商用車のような佇まいだったが、フリードはデザイン的にもオシャレな雰囲気をかもし出している。
ライバルはシエンタとパッソセッテ(ブーンルミナス)となる。パッソセッテはシエンタの後継車になるが(共に開発はダイハツ)しばらくは併売される。
元々、このクラスはカローラスパシオが最初だが時代が悪く販売が低迷、その後モビリオの成功を受け、シエンタが発売され、フリード、パッソセッテと続く。
時代的に最も望まれて出てきたのがこのフリードであり、その意味で大成功を収めているといってもいい。事実、フィット、カローラ、ヴィッツに次ぐ「販売4強」の座を射止めている。
エクステリアデザインはコンパクトサイズのミニバンという商業者的なデザインになりがちなところを、フロントからキャビンまでのワンモーションフォルムと、バンパーからサイドを回ってリアまで繋がるアグレッシブなキャラクターラインによって伸びやかで力強いデザインとなっている。
フロントとサイドはオシャレな雰囲気とかっこよさを共存させており、コンパクトさによる卑屈さなど微塵も感じないが、リアのライトがリアゲートで寸断されているのが個人的には惜しいと思う。
ともかくこのサイズでこのデザイン、それに使い勝手の良さ、燃費など総合しても他の大型サイズのミニバンに決して見劣りするものではなく、むしろ日本という狭い国土と細い道には、フリードのコンパクトさがジャストフィットすると思う。「サイコーにちょうどいい」という宣伝文句に偽りはない。
価格さえ納得できれば、小さめミニバンのベストバイだと思う。
- 満足している点
- 全長4215mm全幅1695mmのコンパクトながら脅威の室内パッケージングによって余裕のある3列シートを無理なく収めているところ。フィットでミニバンを作ったらこうなったと言う感じ。もっともベースは現行フィットなのだが。
このサイズで両側スライドドア。グレード(オプション)によっては電動スライドドアになり、ヒンジドアのライバルのパッソセッテに勝っている。
また前のドアも開くのにヒンジに角度が付けられておりドアの上側のほうが広めに開き、乗り降りしやすい。
ダッシュボードの形状は通称レイヤードワイドインパネ。3連構造になっており、手前からエアコンとシフトレバーのあるテーブル状のダッシュボード、ナビの付くラウンドした2段目、そしてメーターとなっている。
アウトホイールメーターと呼ばれるメーターはステアリングホイールの上から視認でき、ダッシュボードの一番奥にあるため、視線移動も少なく非常に見やすい。
テーブル状のところは、運転しながら何か食べることの多い私みたいな人にはすごくありがたい空間だ。
動力性能はフィットと大差ない。4人くらいの乗車なら過不足無くキビキビと走る。
最小回転半径も5,2mとシエンタ2WD、パッソセッテと同じで小回りが効く。ちなみにフィットは4,9m、ベルファイアは5,7m
燃費は16,4km/lと優秀。パッソセッテより上。実用燃費でいくと両側パワースライドドアなど重量が重いモデルでは10km/lを切ることの方が多い。
- 不満な点
- パワースライドドアが欲しいが、Lパッケージ以上でないと付かない(左側のみ)。両側パワースライドドアになるとメーカーオプションか最高級グレードのGiエアロになり、それだけでかなりの値段になってしまう。
カーナビ操作が助手席から遠くて同乗者からはやりにくい。
Aピラーが寝ていることにより視界の邪魔になる。三角窓のピラーが細いのでフィットよりはマシだが。
3列目の収納が左右跳ね上げ式でスマートじゃない。この点床下収納式のパッソセッテに劣る。
リアのデザインがデコっぱちのクシャおじさん。
5人乗りのフレックスの存在意義が微妙。それならフィットの方がいい。
- デザイン
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- 走行性能
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- 乗り心地
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- 積載性
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- 燃費
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- 価格
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- 故障経験