ホンダ フィット 「頑張ったのは認めるが中途半端 仕事上で街中、高速含めて約1000ｋｍほど乗った感想です。1.5X、フィットの中でも落ち着いたエレガントで上質な走りを目」のユーザーレビュー

頑張ったのは認めるが中途半端 仕事上で街中、高速含めて約1000ｋｍほど乗った感想です。1.5X、フィットの中でも落ち着いたエレガントで上質な走りを目

2010.11.10

総評

頑張ったのは認めるが中途半端
仕事上で街中、高速含めて約1000ｋｍほど乗った感想です。1.5X、フィットの中でも落ち着いたエレガントで上質な走りを目指したモデル。方向性としてはベンツAクラスのエレガンス的なモノを目指したと勝手に自分は判断。
しかし、当のベンツAクラスと似てるのはエクステリアデザインのみ。中身はやっぱりフィットです。同じエントリーカー同士。しかし、日本車とドイツ車の車造りの根本的な背景や、方向性の違いは比較して簡単に埋められる差ではないと、この車に乗って痛感しました。というのも、昨今の車のダウンサイジングの流行に乗って、アコードやインスパイア、レジェンドに乗っている人が買い替える際、ベンツAクラス、VWポロ等の外国車に逃げられない様にする為に、1.5Xは存在しているのでしょうが、国産の中～上級モデルに乗っている人が、この車を選ぶとは到底思えません。誰が見ても無理があると思うからです。
確かに内装の造り、走った時の静粛性はフィット1.3Gと明らかに違いますが、車の基礎的部分はどうしようもない様で、ホンダなりに頑張ったのは認めますが、小手先の改良(これが精一杯)という印象は否めません。まず、ロードノイズは上記にある様に、1.3Gと比較して随分と静粛性が改善しています。しかし、高速道路走行時、逆に風きり音が気になってしまう場面があります。また、サスの動きは比較的しなやかな動きを見せ、まぁまぁ落ち着いた雰囲気が味わえますが、直進安定性は疑問です。1.3Gと比較しても差は無いですね。更にハンドルの手ごたえが軽すぎる事も、上質な雰囲気をぶち壊しています。もっとドッシリとした雰囲気が出せれば、このXというモデルも活きてくるのでしょうが、コストの問題や車の基本設計の問題等があり難しいのでしょう･･･。1つの問題を改良で潰せば、違う所が出てくる･･･。それが上手く(＝全く)隠し切れないのが、実に勿体無く感じます。やるなら徹底的にやって欲しかったというのが、個人的な総評です。

満足している点

何と言ってもフィットの醍醐味である広い室内空間と収納スペース。特に小物入れスペースは「これでもか！」という具合にある。このソフト面(使い勝手)では外国車に圧勝している点だと思うし、とても魅力的。また、ガソリンがレギュラー使用なのも良い。燃費もまずまず。購入後の費用対効果を考えると、別にフィットハイブリッドを選ぶ必要があるの？と思ってしまうレベル。
1.5Xの長所は遮音材を多様した事により、ロードノイズが1.3Gと比較にて大幅に改善したこと。これはハッキリ分かる。やや重量も増したのか、サスの動きに落ち着きが見られる。1.3Gで見られるよヒョコヒョコ感がしない。この辺りはハイブリッドならもっと重量があるから落ち着いた動きを見せるかもしれない･･･。
またフィットのモデルの中では、コンセプト通り一番落ち着いたインテリアの雰囲気。パッと見た目は悪くない(但し、欧州車や国産上級車を知ってる人は吟味が必要)。

不満な点

安全装備がオプション設定が多すぎる。ポロやAクラスは標準で付いているのに･･･。これらを同じ条件にすると確実にポロに手が届く射程圏内に入ること。最近の日本車(特に日産マーチやジューク)にありがちだが、オプションを付けると実は安くなかったりする。
さらに軽すぎるハンドルの手ごたえと落ち着きのない直進安定性･･･上質を謳い文句にしている割に、普通のフィットと変わらず、余計に安っぽく感じてしまうこと。このモデルのコンセプトを完全に、いとも簡単にスポイルしてしまう。これだけで、普通のフィットとの差別化が殆ど無くなってしまう。単に値段が高いだけ･･･と。せめて16インチタイヤにすれば、乗り心地も含めて多少は変わったと思われるが、RSとの差別化が気になったのであろう15インチタイヤ･･･これもマイナスだ。
さらに発進時のモッサリ感。何とも「気だるい感じ」がして上質とは言えない。CVTの特性だから仕方ないのかもしれないが、せっかくVTECなのだから、何とかして欲しかった。
また、長所にある様に、遮音素材を多様して静粛性は向上したが、逆に風きり音が気になる。ここの改善は行ったのか疑問。内装の出来に関しては、パッと見た目の雰囲気はエレガントな雰囲気を出しているが、細かい隅の部分の仕上げや、使用している素材の差はドイツ車には遠く及ばず･･･。小手先の誤魔化し程度と言われても仕方ないと思うほどだ。これでは国産上級車に乗っていた人はVWポロ等に顧客を奪われる。タイトル通り頑張ったのは認めるが、中途半端な改良と演出では顧客は獲得できないと思う。

デザイン

-

走行性能

-

乗り心地

-

積載性

-

燃費

-

価格

-

故障経験