ホンダ クロスロード 「時代を先読み過ぎた個性派SUV」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

工藤 貴宏
工藤 貴宏(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

4

デザイン
5
走行性能
3
乗り心地
3
積載性
4
燃費
4
価格
4

時代を先読み過ぎた個性派SUV

2021.9.30

年式
2007年2月〜モデル
総評
個性的なスタイルで、当時は珍しかったコンパクトSUV市場へ切り込んだ、ホンダらしい提案型モデルだ。このクロスロードの前身は実質的に「HR-V」であり、後継にあたるのが「ヴェゼル」と考えれば、現在のヴェゼル人気へとつながるホンダのコンパクトSUVの歴史が理解できる。
満足している点
個性的なスタイル。そして小さな車体ながら3列シートを実現したパッケージングだ。いまは大人気のジャンルとなったBセグメントクロスオーバーSUVだが、当時はまだ異端児的な存在。時代を先取りしたホンダの意欲作と言える。
不満な点
3列目の実用性は極めて低いが「イザというときに使える超補助的なシート」として、それを前提に考えておけば問題ではない。“ある”ということが大切なのだ。生産終了から10年以上が経過しているので、車両はそろそろ経年劣化が気になってきてメンテにも手がかかり始めるだろう。
デザイン

5

ホンダ「クロスロード」といえば、1993年に登場した初代はランドローバー「ディスカバリー」のOEMとなるバリバリのクロスカントリーカーだが、2007年デビューの2代目は純ホンダ製のシティ派のコンパクトSUV。直線だけで描いたかのような“カクカク”のデザインはまるで「ハマー」のようで、ファッション感覚での無骨さを表現している。
走行性能

3

2代目クロスロードのメカニズムのベースとなっているのは2代目の「ストリーム」で、いわば一般的な乗用車。そのため見た目に反して特筆すべきほどオフロード走行性能が高いわけではないが、いっぽうでリヤサスはコストの高いダブルウィッシュボーン式を採用するなど、オンロード走行性能に配慮した設計となっている。
乗り心地

3

厚みのあるタイヤを履く上にしっかりとサスペンションストロークが確保されていて、乗り心地は上々。3列目の居心地は、車体が全長4285mmとコンパクトなので過度な期待はすべきではない。空間が狭いうえに乗車姿勢も窮屈で「数十分程度の移動なら座れないこともない」レベルのもの。
積載性

4

3列目使用時のラゲッジスペースは“ない”と考えておくのが正しい。ブリーフケースのように厚みのない鞄なら置けるが、商品をたくさん入れた厚さがある買い物袋ですでに厳しい。いっぽうで3列目を格納すれば全長4.3mのコンパクトカーとしては広めの荷室が確保されている。3列目を使わなければ実用的になる。
燃費

4

1.8Lと2.0Lが設定され、トランスミッションは5速AT。燃費値は当時一般的だった「10・15モード」なので現在の基準とは直接比較できないが、4WDも含めて12.4〜13.4km/Lと悪くない数値。実燃費は状況にもよるが、一般走行で10km/L、高速道路で14km/L程度が目安だ。
価格

4

発売当時の新車価格は、ベーシックタイプが200万円弱、最上級グレードのFFモデルで250万円ほどだった(4WDは約290万円)。絶版車なので中古車サイトをチェックしてみると、程度のいい個体は100万円台後半。平均価格も100万円弱ほどなので、販売終了から10年以上が経過していることを考えると相場は高め(2021年9月現在)。人気モデルとなっており相場は高値で推移している。
工藤 貴宏
工藤 貴宏
自動車ジャーナリスト
1976年生まれ。クルマ好きが高じ、大学在学中に自動車雑誌の編集部でアルバイトしたことをきっかけに、そのまま就職。そして編集プロダクションを経てフリーランスの自動車ライターに。日々新車を試乗し、日夜レポートを書く日々も気がつけば10年以上。そろそろ、家族に内緒でスポーツカーを買う癖はなんとかしないと。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
ホンダ クロスロード 新型・現行モデル

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

※ 掲載しているすべての情報について保証をいたしかねます。新車価格は発売時の価格のため、掲載価格と実際の価格が異なる場合があります。詳細は、メーカーまたは取扱販売店にてお問い合わせください。

ユーザーレビューを投稿する

ユーザーレビューを投稿する

※自動車SNSサイト「みんカラ」に遷移します。
みんカラに登録して投稿すると、carview!にも表示されます。

ログイン

中古車探しをもっと便利に

  • 中古車お気に入り管理
  • おすすめ中古車の表示
carview!の最新情報をチェック!
Facebook
carview!公式Facebook
最新のクルマ情報をお届けするcarview!オフィシャルページ(外部サイト)

carview!公式X(旧Twitter)
carview!の中の人がクルマ情報をポストする公式アカウント(外部サイト)