ブルースの故郷、ミシシッピ・デルタを巡る
2024年の8月末から、アメリカをミシシッピ川沿いに南北縦断して音楽の歴史をたどる旅に出ることにした筆者。最初にカリフォルニア州で仲間とハイキングをした後、ミシシッピ川を30日かけて北上する、計40日のプランです。ルイジアナ州ニューオリンズでダッジ「デュランゴ」をレンタルして3人で移動し、ブルースの故郷であるミシシッピ・デルタへやって来ました。
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伝説にまみれたロバート・ジョンソンの墓へ
ブルーフロント・カフェを後にし、グリーンウッドにあるロバート・ジョンソンの墓に向かった。ロバート・ジョンソン(1911年~1938年)は、デルタブルースにおける伝説的存在だ。今ではYouTubeでもCDでも簡単に音源が手に入るが、ぼくが高校生の頃はモノクロの写真が1枚あるだけでギターを聴くこともできなかった。
しかも、彼には有名な逸話がある。1年間の失踪の間に、ある十字路で悪魔と出会い、自分の魂とギター・テクニックを交換したというのだ。実際、失踪から戻ったとき、音楽仲間たちはギターがあまりに上手くなっていたのにびっくりしたそうだ。彼自身が残した「クロスロード・ブルース」は、エリック・クラプトンがクリーム時代にカバーして伝説とともに有名になった。
それだけではない。生涯でたった29曲しか録音しなかった、関係を持った女の亭主に27歳のときに毒殺された、あの時代にテキサス、ニューヨーク、カナダを旅した、などミステリアスな話は尽きない。
ブルースギターを弾く宮澤カメラマンは、当然、ロバート・ジョンソンに対して特別な思いを抱いている。
「まさかロバート・ジョンソンのお墓参りができるとは……、感激です」
ただでさえ口数が少ないキャラだが、現地が近づくにつれ、助手席でますます無口になってしまった。
目的地のLittle Zion M.B. Churchは、ワインディングする田舎道の脇にひっそりと建っていた。ここからほど近いところにあった「スリー・フォークス」というジューク・ジョイントで、彼は毒をもられたとされている。
道中、ロバート・ジョンソンをさんざん聴かされて洗脳された原田さんも含めて、3人で教会に隣接した墓地を探すこと、10分。何の変哲もない墓跡を発見。その前には、供物のつもりだろうか、ビールの空き缶や菓子などが散乱していた。アーメン。ぼくたちは3人で祈りを捧げた。
ブルースマンたちが集まった街クラークスデイル
翌日はクラークスデイルに向かった。ここは、ミシシッピ・デルタでは最北西部に位置している。つまり、メンフィスにもっとも近い町だった。そのため、ジューク・ジョイントや楽器店が多く集まり、ブルースマンたちがたむろしていたという。
現在は、「デルタブルース博物館」のほか、ハリウッドスターのモーガン・フリーマンらが2001年にオープンさせたクラブ「グランド・ゼロ」がある。残念ながら、この日は日曜で町は閑散としていた。もし興味がある人がいれば、町が賑わう週末に訪ねることをおすすめしたい。
悪魔と取引した「クロスロード」を求めて
クラークスデイルには、もうひとつ「名所」がある。例のロバート・ジョンソンが悪魔に魂を売ったという「クロスロード」である。
そもそもクロスロードがどこだったのか、本人が語ったわけではない。ブルースマンが夢を求めて北に向かったハイウェイ61と49の交差点だった、という説がいつからか信じられるようになり、そこにモニュメントが立っている。
ところが……。
「なんですか、これは! こんなにちゃちいんですか。だいたい、ロバート・ジョンソンの時代にエレキ・ギターがあるわけがない!」
ギター・オタクでもある宮澤カメラマンは、シャッターを切りながら怒り心頭である。
「ちょっと違うんだよなぁ」という呟きを聞きながら、土埃が舞う農道を走り回ること1時間、ついに発見したのが本記事冒頭の写真の道である。みなさんのイメージはどうだろう?
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みんなのコメント
クラプトンが酷評してたけど。
自分はそこそこ楽しめた笑