ダイハツ タントファンクロス 「普通のスーパーハイトワゴンでは遊び心が足りないと思っている人へ」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

普通のスーパーハイトワゴンでは遊び心が足りないと思っている人へ

2023.6.22

年式

2022年10月〜モデル

総評

見た目が気に入ったら買い！　こういうクルマはキャラクター勝負だから、それに尽きます。

満足している点

普通のタントを買うよりも楽しい生活が送れそうなこと。アウトドアに行かなくたって、遊び心のあるクルマがあれば毎日が楽しくなります。しかも価格は、中身を考えれば十分に安いのだから驚きますよね。

不満な点

自然吸気エンジンは、動力性能がちょっと物足りないこと。街中なら気にならないけれど、バイパスや高速道路への合流は「もっと加速してくれると運転が楽なのに！」と思うことも。

デザイン

4

昨今流行りの、軽自動車スーパーハイトワゴン派生のクロスオーバーSUVモデル。バンパーをはじめ車体下部の樹脂パーツの追加で上手にSUV感を出していますね。こういうのは「好みなら買えばいいし、興味がないなら普通のスーパーハイトワゴンを選べばいい」というある意味割り切った商品。そういう意味ではしっかりと個性化と差別化ができていると思います。そして個人的には「大いにアリ」だと思っています。ちなみに顔つきは、普通のタントじゃなくてタントカスタムをベースとしているのがポイントですね。

走行性能

3

背の高いワゴンなので、運動性能は高くありません。とはいえ、ひと昔前のこの手のタイプと違って峠道や首都高で「なんだか安定しないね」と思うほどのレベルではないのでご安心を。エンジンは自然吸気とターボが選べますが、オススメはやっぱりターボ。動力性能にゆとりがあるから高速道路の合流などでも不安が少ないし、運転していて疲れません。そのうえで値段も、税込みで10万円も違わないのだからお買い得！　点数はターボのもので、自然吸気エンジンなら「2」ですね。

乗り心地

3

まず居住性の話からすると、後席足元スペースの広さには驚くばかり。これは「デリカミニ」や「スペーシアギア」などライバルも同じですが、軽自動車の底力を感じます。ちなみに後席の絶対的な広さではデリカミニのほうが上ですが、その差はわずか。スペーシアギアも含めて「どれも驚くほど広い」のでここはあまり争点にならないかも。乗り心地は不満ないレベルですね。そして静粛性は、ターボ車を選んだほうが加速時のエンジンの唸り音が少ないので快適です。トルクに余裕があって、エンジン回転を上げずに済むからです。こういう部分でも、ターボ車のメリットってあるんですよね。

積載性

2

後席の広さを重視したパッケージングなので、後席展開時の広さに過度な期待は禁物。ただシートスライドがあるので、前に出せば大型スーツケースや複数の機内持ち込みキャリーケースも積めますよ。

燃費

4

FFモデルは自然吸気エンジン搭載車で20.1km/L〜、ターボエンジンでは18.7km/L〜というWLTCモード燃費値。ちなみにそれらはアイドリングストップ非装着車のデータなので、装着車だとそれぞれ21.9km/L、20.6km/Lまでアップします。もう十分といっていいでしょう。声を大きくして言いたいのは「ターボエンジンでも燃費はそんなに悪くないんですよ！」ってこと。

価格

4

約170万円からのスタート。ちょっと高いように思えるかもしれませんが、一般的にいえば「上級グレード」であり、左右両側のスライドドアをはじめ多くの装備を標準としている事を考えればむしろ「安いのでは？」と思えるほどです。ターボでもわずか177万6500円ってどうなっているんでしょうか？