ダイハツ ロッキー 「走行感覚はガソリン車に近いけど確かに燃費はいい」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

走行感覚はガソリン車に近いけど確かに燃費はいい

2023.1.11

年式

2021年11月〜モデル

総評

何を求めるかによって評価は大きく変わってきそう。実用性と燃費と（ハイブリッドカーとしての）コストパフォーマンスを重視するならいい選択です。ただし、ハイブリッドカーらしいモーターの走行感覚を期待するのなら……とりあえず試乗してから決断するのがおすすめです。

満足している点

優れたパッケージングによる実用性と燃費。そして抑えめの価格設定。堅実なユーザーに向けた賢いハイブリッドカーと言えますね。

不満な点

ハイブリッドカーを所有する満足度という点で、走行フィーリングにハイブリッドカー感が少ないのは意見が分かれるかもしれませんね。とはいえ停止から発進にかけての流れは静かでスムーズだから、快適性ではしっかりとハイブリッドらしさを実感できます。また燃費もいいので、走行フィーリング以外はしっかりハイブリッドを感じられますが。

デザイン

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まず最初にお伝えしておくと、兄弟車であるトヨタ「ライズ」との見た目の違いはほぼありません。異なるのはエンブレムだけですね。デザインは全長4m弱という制約（伸びやかなプロポーションを作るのは厳しい）のなかで、しっかりと存在感を示せているなと思います。程よくワイルドな顔つきで、今どきの武骨なSUVの雰囲気を出していますよね。小さな車体にありがちな弱そうなイメージがないのも人気の理由ではないでしょうか。ちなみにハイブリッドモデルは、テールゲートやフロントフェンダーに「e-SMART HYBRID」のバッジが付きます。それ以外は基本的にガソリン車と変わりません。

走行性能

4

しっかりと車体が作られているなという印象です。バリバリ走るといった操縦性ではありませんが、適度に芯があってしっかり感も強いですね。気になるハイブリッドシステムのフィーリングは、驚くほどにガソリン車的。システム的にエンジンは発電機に徹して駆動力はすべてモーターで生み出すので日産の「e-POWER」と同じ“シリーズハイブリッド”ですが、日産が驚きのモーター感（まるでEVのよう）なのとは対照的に、ロッキーはまるでガソリン車です。その理由はエンジン回転数。日産ではアクセルの踏み込み量とエンジン回転数が一致しないのに対し、ロッキーはアクセルを踏む量に応じてエンジン回転がリニアに上下するのです。理由は（価格を抑えるために）バッテリーが小さく、その状況に応じた発電量が必要だから。とはいえ燃費はしっかりいいのでハイブリッドの意義をしっかり満たしているのでご安心を。

乗り心地

4

不快感はないですね。車体が上下に揺すられたり嫌な振動をすることも、段差を越えたときに厳しい突き上げがあることも、タイヤがバタバタするようなこともありません。後席スペースも広くて快適です。

積載性

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自慢の一つと言っていいでしょう。全長わずか4mと小さな車体にもかかわらず、「こんなに積めるの？」と驚くほどの広い収納スペースを確保しています。荷室床面のボードは高さを上下調整でき、下段にした状態での床上容量は369L。小さな車体に見合わないたっぷりさです。いっぽうで、ガソリン車との違いは床下。ガソリン車では買い物かごが2つ納まる大容量床下スペースを用意していますが、ガソリン車の81Lに対してハイブリッドは17Lと狭くなっています。その理由は、ハイブリッド車はエンジンルーム内に置き場所がなくなった12Vバッテリーを荷室床下に置いているから。

燃費

5

WLTCモード燃費は28.0km/L。ガソリン車（FF）でも20.7km/Lとかなり凄いのですが、その4割弱もアップしているのだからさすがです。このハイブリッドシステムは発進＆停止を繰り返すような市街地走行で大きなメリットがあり、逆に高速道路や郊外路を高い速度で巡行するような使い方だと思ったほど燃費が伸びない特性があります。なので自分の使い方がそんな特性としっかりマッチしているかを考えてから購入するといいでしょう。

価格

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ベーシックグレードで212万6000円からという価格は、ハイブリッドのコンパクトSUVと考えれば破格ですね。ガソリン車との差額は約30万円です。もちろん一般的なユーザーであれば低燃費で浮いたガソリン代でその差額を取り返すことは難しいでしょうけれど、減税や免税、そして次の買い替え時のリセールバリューまで考えると「ハイブリッドがいいかな」と思えるようなバランスがあるかもしれません。