ダイハツ シャレード のみんなの質問

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なぜディーゼルエンジンは4000回転ぐらいで頭打ちになり、それ以上回らないのでしょう?

コモンレール燃料噴射の技術的限界なのか、あるいはもうそれ以上回転を上げる必要が無いからなのでしょうか?

ディーゼルは低回転で高トルクを発生し、さらにガソリンエンジン並みに高回転まで回れば、馬力も大きくなるのにな・・・
と思うのですが---。どんなものでしょうか??

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ベストアンサーに選ばれた回答

まず下記の式をご覧ください。

(トルク)=(正味平均有効圧力)×(排気量)×(爆発回数)/(2π)

(馬力)=2π×(回転数)×(トルク)


ここで、「正味平均有効圧力」=BMEP=Brake Mean Effective Pressureです。
また「正味」とは、制動型試験機で計測したという意味です。
なお「爆発回数」とは、出力軸1回転あたりの爆発回数を意味していまして、4サイクルエンジンは、「0.5」、2サイクルエンジンやロータリエンジンでは、「1.0」になります。

●BMEPは2倍異なる
正味平均有効圧力BMEPがディーゼル・エンジンとガソリン・エンジンでは異なります。

*ディーゼル=最近のインタークーラおよびターボ・チャージャー付きのクリーン・ディーゼルエンジンで20~23。近い将来、25程度になります

*ガソリン=10程度。ターボ・チャージャーあるいはスーパー・チャージャー付きで、15~18程度です。

上記の「トルク式」から、ディーゼルとガソリンでは、BMEPが約2倍違います。このため、ガソリンエンジンでディーゼルエンジンのトルクを出すのは難しいことになります。

●圧力の違いが強度に影響する
正味平均有効圧力BMEPが約2倍も異なると、燃焼室やクランク、クランク軸などの強度を高くしないと、強度的に持たなくなります。一方、ピストンのような可動部の強度をあげると、質量が重くなり、慣性質量の問題で、クランクやクランク軸の強度をあげる必要が出てきます。
また燃焼室壁を厚くすると、クランク軸長さが長くなり、振動が増える原因になるので、これまた強度をあげる必要があります。

●1気筒あたりを小排気量にすると
1気筒あたりの排気量は通常、ミニマム500cc程度です。これをさらに小さくすることで、各部の強度を維持したまま、肉厚を薄くできます。しかし実用的な車両での最小排気量は、約330ccでした(1983年に発売されたダイハツ・シャレード・ディーゼルで、排気量1Lの3気筒エンジン)。1気筒あたりの排気量を小さくすると、強度的にはラクになりますが、別の問題が起きます。
それが、「冷却損失」です。通常、燃料の1/3程度が駆動力ですが、それと同じか、やや多くが冷却系への熱損失として出て行きます。これが冷却損失です。もし1気筒あたり排気量が小さくなると、筒内容積(排気量)に対して表面積が大きくなります。このため冷却損失が増え、燃焼効率が低下するのです。このため、小排気量にして強度をあげるのは、あまり良い方策とはいえません。

●燃焼速度
ガソリンエンジンでは、燃焼速度が非常に重要です。一般に回転数が速いほど、吸入空気の流入速度が高くなり、このため回転数が高いほど、火炎伝播速度は速くなります。もし火炎伝播速度が遅いと、燃焼室の壁付近のエンドガスが火炎伝播が届く前に異常燃焼します。これがノッキングです。もし圧縮比を高くし、BMEPを大きくすると、出力(馬力)も効率も高くなりますが、ノッキングしやすくなり、圧縮比には上限があります。
一方、ディーゼルは拡散燃焼といい、燃焼室内のいろいろな部分から燃焼が始まります。つまり火炎伝播ではないのです。このため、燃焼速度は、燃焼室内容積や回転数にあまり依存しません。このため船舶用の超大型エンジンには、ディーゼルが使われるのです。

●参考URL
ディーゼルエンジンとガソリンエンジンの差異:
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1416938664

ディーゼルエンジンのコスト:
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1417228669

ご参考になれば幸いです。

質問者からのお礼コメント

2008.9.13 23:25

非常に詳しく内燃機関の機械工学的なご説明で大変感服いたしました。
有難う御座いました。
他の方も丁寧なご回答で参考になりました。皆様方、有難う御座いました。

その他の回答 (4件)

  • (´H`)発想が違います。

    オットーサイクルのガソリンエンジンは、1気筒当たり300cc~600ccが最も効率よく燃焼できると言われています。
    これより大きな容積になると、スパークプラグからの火炎の伝播が遅くなり、都合の良くない現象が発生し出します。
    そのため、ガソリンエンジン車は多気筒化を行う事で、排気量の拡大を行います。
    多気筒化はスムーズな回転を齎し低振動へと繋がるので、高速回転を可能とする環境が整います。

    ディーゼルエンジンは、自然発火方式を採用するので、ノッキング等の心配がなく1気筒当たりの容積を大きくする事が可能です。
    大きなシリンダーは、気筒数の削減に繋がり生産と整備のコストを引き下げます。
    一方でディーゼル特有の高圧縮と大きく重たいピストンは、激しい振動の発生源となります。
    つまり、高速回転を可能とする環境が整わないのです。

    高回転を望まない事は、一方で回転部の磨耗や劣化が少なくて済む利点があります。
    回転域を狭める事で、高速回転に対応した高価な部品や技術を使用せずにすみます。
    また熱損が少なくなるので、優れた燃費を生み出します。
    ディーゼルは、大きなシリンダーでゆっくり無駄なく燃焼するエンジンといえます。

  • 低回転・小排気量で高いトルクを発揮してしまうからこそ、現実的なコストの材料を使うとピストン、コンロッドやクランクシャフトなどの摺動・回転部品が強度を稼ぐためにガソリンエンジンより重くなってしまって高回転までまわせないのです。
    しかし、ディーゼルエンジンはトルク特性がフラットで低回転からトルクが立ち上がるため、トランスミッションのギア比を伸ばしても実用的な加速と最高速が得られるため、ガソリンエンジンに対してレブリミットの低さはデメリットにはなりにくいのです。
    むしろ実用域の回転数が低いため、ガソリンエンジンよりも機械的損失(摺動、回転による摩擦熱損失)が少なくなることにより、高い燃費を実現しています。
    つまり、これ以上レブリミットをあげるには材料コストがかかりすぎることと、これ以上あげる必要がないという二つの理由によって、上がらない(上げない)のです。

  • 文系なので技術的なことは解りませんが...
    やっぱり必要ないからではないでしょうか。

    高回転まで回そうとすれば中低速域でのトルクが落ちますし、燃費も悪化します。
    また、7000や8000回転まで回すのであれば、当然それに耐えられるように作らなくてはなりません。ディーゼルエンジンは圧縮比が高いため、ただでさえ頑丈で重たく作られているエンジンがますます重くなってしまいます。製造コストも上昇するでしょう。
    バスやトラックなどの商用車に使われるものとしては、具合が悪いことが多いように思います。

  • ガソリンエンジンはガソリンと空気を混合して(混合気)シリンダーに吸入し、最大に圧縮したところで点火プラグから火花を飛ばして一気に燃焼させます。このため、高回転に出来ます。
    ディーゼルエンジンは空気のみをシリンダーに吸入し、最高に圧縮して温度が上がったところに軽油を噴射し、自然に着火させて燃焼させます。このため、ゆっくりと燃焼します。このような差があるため、ディーゼルエンジンは低速でトルクを発生するものの、高速回転は苦手で、自動車用で大体4000回転までになります。
    私がわかるのはここまでなので、あとはご自分で検索してみてください。

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