シトロエン C5 エアクロスSUV 「ハイドロの血はちゃんと流れています。」のユーザーレビュー

ハイドロの血はちゃんと流れています。

2021.3.21

総評

良くも悪くもシトロエン。唯一無二。
シトロエンのモットーは快適性全振り。
快適性は試乗では分からない。長く乗ってこそ見えてくる部分があります。
油圧サスのハイドロを20年近く乗り継いできましたが、Ｃ５エアクロスは充分期待に超えてくれました。
前のＣ５セダンと同じく、日本国内からディーラー部品がなくなるその日まで付き合っていける車です。

満足している点

前に乗っていたシトロエンC5初代後期型セダンからの乗り換え。
現在、オドメーターは13000㎞を超えています。

エアクロスは、しっかりと油圧のハイドロラクティブを積んでいたシトロエンの血が流れている。バネのサスだがハイドロだ。
それだけで満足です。

不満な点

前に乗っていたＣ５初代セダンは、ロードバイクがタイヤを外さずに載ったが、エアクロスは前輪を外さないと載らない。
全長が200㎜以上短くなっているため仕方なし。

デザイン

5

外見は唯一無二。どう見てもシトロエン。
やや厳ついフロントのため、この車が400万円台ということが分からないデザイン。
知らない人が見れば「何だこの車？」という、デザインはシトロエンならでは。

走行性能

5

ディーゼルのため低速トルクが強く、市街地では軽く踏むだけであっという間に法定速度。見晴らしがよいため山道の登りもディーゼルの低速トルクがあり、意外に粘るサスでそれなりの速度で走っていく。

ステアリングはやや軽いが反応が良く操作しやすい。

高速巡行はシトロエンの得意分野であり、キックダウンなんかしなくてもグングン加速していきます。

乗り心地

5

新しいハイドロぽいサスペンションのPHC（プログレッシブ・ハイドローリック・クッション）。
油圧式サスのハイドロラクティブと同様に前後にゆっくりドンブラコと揺れる。ディーゼル車なのでエンジンが重いため良く分かります。
ロールもしますが、これも比較的ゆっくり。でも、振り返しは一発で収まるのも油圧のハイドロっぽいです。
路面からの不快なハシュ―ネスは皆無。最初期のエアクロスなのでタイヤがM+S（現在はコンフォートタイヤ）ですら不満がない。
ただ、先代のC5初代後期型セダン（ハイドロラクティブⅢ）はさらに柔らかいセッティングであり、これに較べたらやや硬い。その前のC5初代前期型セダン（ハイドロラクティブⅢ+）の方が固めでこちらに近い。

シートはＣ５初代セダンに較べれば、ちょっと固めのソファー。座面は皮のため張りがあり、座ると軽く沈みそこで固定される。背中からお尻までまんべんなくシートが当たり圧が分散されるため疲れないシートです。長距離になればなるほど実感します。

ハイドロ車の後部座席に物心ついた時から20年近く乗っている我が子が「エアクロスでもよく寝れる。」というくらいのシートと乗り心地。

静粛性は高く、走っているとディーゼルとは分からないくらいエンジン音は静かだが、ドライバーには、運転する上で必要なエンジンの振動と路面状況は伝えてくる。不快ではない。

助手席・後部座席では嫌な振動はないです。

積載性

4

荷室全長が1650mm程度なので、ロードバイクは前輪を外さなければ積めない。婦人車は搭載できない。フルフラットにはならない。

天地方向は、荷室で座っても170cmほどなら頭が天井に当たらない。
荷室床下にテンパータイヤが入っているが、その横には結構スペースがあり、小物がかなり入る。

ライフスタイルによるが、買い物で使う分には積載量には困らない。

燃費

5

通勤で市内だけ（朝夕往復片道4㎞）でなら平均11.5㎞/Lほど。
高速だけでみるなら20㎞/L近く走ります。
車重1640kgと考えれば上出来。軽油ですし。

Ｃ５初代後期型セダンは2.0Ｌ直４でハイオクでした。街中で夏は8㎞/Ｌほど、高速で14～15㎞/Ｌなので、燃費には不満はないです。

価格

4

ディーゼルの標準仕様に、ナビ、ETC2.0、FOCALスピーカー、フロントライト・ロー側とフォグランプLED化で税金など全て込みで500万円ほど。

ちなみにRAV4ハイブリットとほぼ同じ金額です。

故障経験

センターコントロールモニターのブラックアウトはディーラーでシステムのバージョンアップすれば解決します。
ブラックアウトしても8分半ほどエンジンを切って再始動すればリセットがかかります。

日本製ナビを組み込むとエンジン始動時に音楽が途中で止まることがたまにあるが、ナビ画面に切り替え「メニュー」をタッチすると音が鳴り、音楽がまた流れます。

この程度はシトロエン乗りにとっては故障の範疇には入らず、ただその車の個性です。