BMW X1 「SUV嫌いにこそ乗ってほしい1台」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西川 昇吾
西川 昇吾(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

5

デザイン
3
走行性能
5
乗り心地
4
積載性
5
燃費
4
価格
2

SUV嫌いにこそ乗ってほしい1台

2024.1.29

年式
2023年2月〜モデル
総評
FFベースのSUV(SAV)であまり走行性能が高くないと言われがちなジャンルに属するクルマだが、実際に運転してみると安定性やハンドリングの気持ち良さに驚かされる。また、SUVとしての利便性が高いのも魅力的なポイントだ。パワーユニットとしてはディーゼルエンジンが魅力的。このサイズの輸入車SUVとしては総合性能が高い1台と言える。
満足している点
総合的に満足度が高いモデルであるが、一番は走行性能の高さ。全高の高いSUV(SAV)ながら、操縦安定性や高速域での安定性はセダンをも思わせる雰囲気で、いい意味でSUVらしくないのがとても好印象。また、FFベースながらBMWらしいFRチックなフィーリングを感じるハンドリングも魅力的だ。
不満な点
全体的な不満点は少ないが、ガソリンモデルのメリットがあまり多くないことと、同クラスの国産モデルと比較すると車両価格が割高に感じてしまうことだろう。また、モデルのキャラクターとエントリーモデルであることを考えると、エントリーグレードとして2WDモデルがラインアップされていれば、よりユーザーが増えるのではないかと思う。
デザイン

3

全体的なデザインは現代のBMWを考えるとオーソドックスなSAVと言った印象。大きなキドニーグリルも見慣れてきたし、新型モデルと聞いても正直あまり目新しさはなく可もなく不可もなくといったイメージで、デザインが決め手で買うクルマではないかなと思う。個人的な好みで言えばノーズの先端が垂直にそびえ立っているのは少し疑問を感じる。
走行性能

5

FFベースのSUV(BMWではSAV)としては結構びっくりするほどの安定性を感じる。コーナリングでも気持ちよく曲がるし、不安なロール感や高速域でのフラれ感も少ない。FFベースのSUVは近年のトレンドのパッケージとなっているが、その中ではダントツにサルーンに近い乗り味だ。SUVの中でもトップレベルで高速での長距離移動が楽なのではないだろうか?全高の高いSUVを毛嫌いしていた人にこそ試乗して欲しい1台だ。
乗り心地

4

全高の高いクルマにありがちなふらつき感が少なく、セダンやツーリングワゴンのようなボディ剛性の高さからくるしっとり感を感じることができる。ディーゼルエンジンも静粛性が高く、とても快適なSUV(SAV)と言える。街中の荒れた路面と低い速度域ではソフトなSUVに比べて若干乗り心地に不満を持つ人もいるかもしれないが、基本的に大きな不満はない。
積載性

5

500Lの容量を誇るラゲッジスペース(パワーユニットによって若干異なる)は、クラスを考えれば満足のいくものだ。実際にトランクを開けて見ても広々とした印象を受ける。加えて、リアシートは4:2:4の分割が可能だし、リクライニングとスライドが可能なので、シチュエーションに合わせてフレキシブルに使える利便性を持っている。
燃費

4

ガソリンモデルはあまり良いとは感じないが、ディーゼルエンジンモデルはWLTCモードで19.5km/Lと満足度は高いと言える。燃費性能はもちろんだが、価格差やリセールバリューを考えるとディーゼルエンジンの方がオススメだ。
価格

2

ヨーロッパのライバルSUVたちと比べたら妥当な金額帯ではあるものの、正直国産の同クラスSUVと比べたら高いと感じてしまう。プライス面で国産モデルと比べてしまうのも酷な話だが、高額ゆえの特出したメリットや魅力が不足しているのも事実。欧州ライバルと比較できる人ならば「アリ」と感じさせる金額かも。
西川 昇吾
西川 昇吾
自動車ジャーナリスト
1997年生まれ、大学時代から自動車ライターとしての活動をスタート。現在はWEB・紙の各種媒体で様々なジャンルの記事を執筆するほか、車両解説動画にも出演し、喋りの分野にも挑戦中。愛車のマツダ・ロードスターで定期的にサーキット走行をし、ドラテクの鍛錬も忘れない、目指すは「書けて、喋れて、走れるモータージャーナリスト」
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