BMW M5 のみんなの質問

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将来的にATはすべてCVTに替わっていくでしょうか?

最近はCVTを搭載している車両も多くなっており、通常の歯車式4段ATなんと比べると燃費もよく、また、変速ショックがなくて乗り心地もよいと思います。現在普及しているATは、将来的にはCVTに替わっていくでしょうか?

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ベストアンサーに選ばれた回答

当面,下記のようになるでしょう

小型車=CVTに
大型車=多段AT(6速以上)
スポーツ車=DCT(Dual Clutch Transmission) あるいは AMT(MTの自動化)

10年先には,下記のようになります

小型車=CVT → DCT (単体の伝達効率改善のため)
大型車=多段AT(8速以上)
スポーツ車=DCT(Dual Clutch Transmission)

●ATとCVTの比較
4速ATとCVTを比較すると,次のようになります。

・燃費 = CVTが優れる
・単体効率 = ATが優れる
・コスト = ATが安い
・大きさ = ほぼ同等
・変速比幅 = ほぼ同等
・変速ショック = CVTが優れる
・異音 = CVTの方が出やすい(キーンという高音)

●CVTの単体効率が悪い原因は?
・CVTの単体効率を悪化させる原因
大きく3つあります。

(1) 金属ベルトが曲がることによるロス
ベルトがコーンに巻き付くとき,屈曲するとき,ベルト(薄い金属ベルトを重ねたもの)を曲げるロスがあります

(2) 変速比が大きい(小さい)場合の、小さいプーリーでの滑りによるロス
CVTは金属ベルトとコーンの摩擦で伝達する方式であるため,コーンとのすべりが問題です。特に2組のコーンの片側にベルトが巻き付く角度が浅いとき,ベルトとコーン間の接触面積が小さくなりすべりやすくなります。

(3) 作動動力が別に必要
ベルトがかかっている2組のコーンがあります。このコーンを押し付ける油圧を発生させるために油圧ポンプの駆動エネルギが必要です。

・単体効率
CVT 低速=85% 高速=75%
AT 低速=80% 高速=90%
MT 95%以上 (参考)

●どうしてCVTは単体効率が悪いのに,燃費はよいのか?
添付図をご覧ください。これは横軸がエンジン回転数,縦軸がトルク比(その回転数での最大トルクに対する実際のトルクの割合)を示します。さらに青色は燃費が良いこと,赤色は悪いことを示します。このようなグラフを燃費マップといいます。
ATやMTは,変速をすると,ギザギザの線の上を制御されます。一方,CVTでは変速比を無段階に選ぶことができますので,きれいな曲線で表現できます。
このグラフの青色をトレースするように制御すれば,燃費はいちばん良いはずです。CVTはATにくらべて,トレースする能力が高いため,燃費が良いのです。
つまりCVTは単体としての効率は良くないが,車両全体の燃費は良くなるわけです。

●将来
単体効率が悪いCVTでは,やはり燃費改善効果は限定的です。このためDCTへの転換が始まります。しかしCVTの生産設備へ多額の投資をしたため,10年くらい先になります。

●細かい話:変速機の分類
「AT」には,広い意味と狭い意味があります。CVTも広い意味でのATの一種類です。

■AT(自動変速機 Automatic Transmission:広い意味でのAT)

|-AT(狭い意味でのAT:遊星歯車列)
|-CVT(連続変速比可変変速機 Continuous Variable Transmission)
| |-ベルト式 (一般的な金属ベルト式;過去には、ゴム式もあり)
| |-チェーン式 (ボルグワーナーが開発し,最近ではAUDI,スバルが採用)
| |-トロイダル (前型スカイラインなどの一部に採用、消滅。改良版を日本精工が開発中)
|-AMT(Automated MT)
| |-AMT (狭い意味でのAMT:手動変速機の操作を自動化。BMWのM5用など)
| |-DCT(Dual Clutch Transmission:2個の歯車列を2個のクラッチで切り換える:VWのDSG、新型ランサーエボリューションX用SST、日産GT-Rなどあり)

●クリープ走行
渋滞時など,アクセルを踏まないでも,ゆっくり車両が前進できる機能を「クリープ走行」といいます。これはトルクコンバータ(トルコン)での流体継手の機能です。
トルコンは,入力軸が500rpmのとき,出力軸側が250rpmであれば,トルクは約2倍に増幅されます(この機能をトルク・コンバート機能といいます)。実際はトルコン内のオイルの流れのロスがあるため,2倍よりもっと小さくなりますが。
トルクが2倍になれば,重い車体をゆっくり動かすことができます。これがクリープ機能です。

●ATは無くなるか?
4速ATと比較すると,CVTに方が,燃費が良くなる場合が多いのですが,6速以上のATになると,伝達効率の差により,6速ATが有利になります。このため小型車向けにはCVT,大型車には多段ATという選択になります。なおスポーツ指向のクルマには,2つのクラッチを切り替えるDCT(Dual Clutch Transmission)が,伝達効率や変速時間で有利になります。

結局,4速以下のATはCVTに置き換わるものの,多段ATは残ると思います。

ご参考になれば幸いです。

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質問者からのお礼コメント

2011.1.24 21:48

非常に詳しいご回答をありがとうございました!

その他の回答 (4件)

  • 日本限定では普及が進むでしょう。

    日本は、
    ■軽自動車が1/3の普及
    ■コンパクトカーしか売れない
    ■平均車速40キロと低い
    ■信号が多く、渋滞も多い
    ことから1番適切なのはCVTです。


    実際にe燃費ではCVT車が上位を独占してます。

    日産やスズキのCVTはだいぶ効率があがってますし、これからますます日本に適したCVTが出て来るでしょう。


    多段ATやDCTはコストも高くとても軽自動車やコンパクトカーにのせられるものではありません。
    ニッチ商品です。

    ただ、マツダだけは独自開発したステップATに移行していくようです。

  • 将来的には多段ATやDCTが普及するでしょうね。
    他に詳しく説明されてるかたがいますが
    CVTをここまで騒がしてるのは日本くらいですからね。
    理由は世界が早くに開発をやめたのに
    日本はずっと開発を続けましたからね。
    それで現状はDCTの方が全体的に優れている状況です。
    日本は開発しちゃいましたから
    それを回収するために宣伝しまくって
    注目を集めるしかないんですよ。
    少しでも車に詳しくて
    走るのが好きな人はフィアット、VWとかを買っちゃいますね。
    200万行かないくらいの車種にもDCTが搭載されてますから。

  • 日本「のみ」爆発的に普及しているCVTですが(海外ではそれほどでもない)、
    すでに欧米の変速機メーカーはCVTに見切りを付けていると雑誌に書いてました。
    日本では中・小型車のみ今後も採用例は続くと思います。

    日本では速度も低くエンジンの美味しいところのみ使えるのでリアルな燃費は良いそうですが、どうしても伝達効率(実は良くない)や許容トルクに欠点があるとのこと。

    CVTは急な車輪のロック(ABS差動、空転)でCVTが保護されるように過剰な制限が出たり、乗ってみてもやはり見えない部分での欠点が露呈すると感じます。ATやDSGではそんなことありませんので。

  • 日本ではCVTの普及率が上がってますが、欧州などではDSG又はDCTといったクラッチペダルの無い、ギヤを用いたトランスミッション(MT車でクラッチペダルが無い)の採用率が高まっています。

    ATやCVTよりも燃費がよく、AT限定免許で乗れます。…がシステムの値段が高めなのとストップ&ゴーが頻繁な日本では扱いづらいのがネックになってイマイチ日本での普及率は高くないです。
    恐らく国内ではCVT&DCT、ちょこっとMT…な感じになるかと思います。

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