ベントレー コンチネンタルGT 「贅を尽くした美しきクーペ」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

工藤 貴宏
工藤 貴宏(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

4

デザイン
5
走行性能
4
乗り心地
4
積載性
3
燃費
2
価格
3

贅を尽くした美しきクーペ

2021.9.30

年式
2017年12月〜モデル
総評
ごくごく一般的な価値判断で言えば、価格の高さからしておすすめできるクルマではない。しかし、ホテルに例えれば、単に寝るための場所ではなく時間を楽しむためのラグジュアリーホテルだと考えれば、キャラクターと価値をイメージできるのではないだろうか。贅沢に時間を楽しむためにどれだけお金を払えるか? それがこのクルマを所有する資格があるかの分水嶺といえそう。
満足している点
スーパーカーレベルの走りと実用性や快適性を両立していること。贅沢なグランドツーリングカーを探しているのならとても魅力的な選択肢と言える。これだけの性能を持ちつつ、リヤシートがきちんと使えるのはさすが。
不満な点
まるで郊外のマンションのような価格をウィークポイントとして気にするのは野暮ってもの。実用品ではなく嗜好品であり、それに見合う価値を感じるかどうかの問題なのだから。同様に燃費も気にしても仕方ない。それを気にしない人のためのクルマなのだから。
デザイン

5

丸型ヘッドライトやロングノーズのプロポーションなどクラシカルな構成としつつ、全体の雰囲気はモダン。いずれにせよ贅を尽くしたオーラがプンプン伝わってくるのはさすがといっていい。ボディはクーペとコンバーチブルが選べるが、どちらも優雅さに異議なし。ボリュームのあるリヤフェンダーもセクシー。
走行性能

4

550psのV8エンジンを積むベーシックな「コンチネンタルGT V8」から635psのW12エンジンの「コンチネンタルGT」、そして最高峰となる659psのW12エンジンを積む「コンチネンタルGTスピード」。いずれも走行性能は素晴らしく、グランドツアラーのパッケージングながら走りはスーパーカーレベル。思い通り動くハンドリングに驚くほどで、ドライバーを楽しませてくれる。
乗り心地

4

スーパーカーと同水準のエキサイティングな走りを実現しつつ、快適性をハイレベルで実現しているのがコンチネンタルGTの魅力。乗り心地はプレミアムカーらしく極上で、路面の凹凸をしっかりと吸収することで実現した、車体の揺れの少なさには驚くばかり。
積載性

3

トランク容量は358L。全長4.8mを超えるボディサイズを考えると広いとは言えない。しかし、大型スーツケースを積めるゆとりはあるし、一般的に「アームレストスルー」などと呼ばれる後席中央部分の貫通機能も組み込まれているから、スキー板や釣りのロッドも積める。ホイールハウスの張り出しは大きめで、ゴルフバッグの積載は1つと少し物足りないかも。
燃費

2

可変シリンダーシステムを搭載し、高速巡行時など一定の条件下はエンジンのシリンダーのうち半分の燃焼を休止。その際V8モデルは4気筒、W12モデルは6気筒となり、燃費に効く。とはいえ、大排気量エンジンなので燃費性能は「極悪ではない」という程度。調子がいい時で7km/L程度と考えておくといい。
価格

3

ベーシックな「コンチネンタルGT V8」で2690万円。スーパーカーの領域であり、もはや一般的なコストパフォーマンスを語るのは無意味。W12エンジンを積む「コンチネンタルGT」は2733万5000円からだが、比べるとシリンダー数が1.5倍になるエンジンを積んで価格差が50万円にも満たないのはどう考えてもお買い得としか言いようがない。
工藤 貴宏
工藤 貴宏
自動車ジャーナリスト
1976年生まれ。クルマ好きが高じ、大学在学中に自動車雑誌の編集部でアルバイトしたことをきっかけに、そのまま就職。そして編集プロダクションを経てフリーランスの自動車ライターに。日々新車を試乗し、日夜レポートを書く日々も気がつけば10年以上。そろそろ、家族に内緒でスポーツカーを買う癖はなんとかしないと。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
ベントレー コンチネンタルGT 新型・現行モデル

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