アウディ e-tron スポーツバック 「アウディのフルEV第一弾モデル」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

工藤 貴宏
工藤 貴宏(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

2

デザイン
3
走行性能
5
乗り心地
3
積載性
5
燃費
3
価格
1

アウディのフルEV第一弾モデル

2021.10.29

年式
2020年9月〜モデル
総評
今後は電気自動車のブランドになることを表明したアウディの本格市販モデル第1弾だけあり、内外装ともに新しさを感じる演出が盛り込まれている。航続距離も長く確保した。とはいえ、これ1台ですべてを賄えるかといえばそれも難しい。クルマを複数台所有できる裕福な人の、“何台かの1台”というのが現実的なポジションだろう。やはり現時点では、400kmを超えるようなロングドライブをEVでこなすのはスマートにはいかないからだ。
満足している点
運転していて「新しい」と感じさせるのは鋭い加速。内燃機関車では、たとえアウディのRS系であってもアクセルを踏んだ直後にタイムラグなく強烈な加速というのは実現できなかったが、e-tronではアクセルを踏んだ瞬間に背中を蹴られたかのように前へ押し出される感覚を生み出せるのがスゴい。
不満な点
全長4900mm×全幅1935mmの大きな車体は日本の道路環境で運転するのには苦労する。また1充電の航続可能距離は長いが、それに頼ってバッテリーを減らしてしまうと容量が大きいだけに充電するのには時間がかかるのもウィークポイント。
デザイン

3

アウディがラインナップする電気自動車のなかでいえば、「e-tronスポーツバック」のボディは大きなサイズのクーペスタイルSUV。純粋なセダンの「e-tron GT」と比べると厚みがあるいっぽうで、「e-tron」に比べると軽快なフォルム。シルエット自体に電気自動車らしさがあるわけではないが、グリルやヘッドライト、そしてホイールデザイン、仕様により備わるカメラ式ミラーなどの処理に先進感を盛り込んでいる。
走行性能

5

なによりの特徴は、圧倒的な加速力。アクセルを踏んだ瞬間から強い力を発生して「ドン!」とクルマが加速するモーターの働きは絶大で、停止状態からのロケットのような加速はもちろん、高速走行時の追い越し加速などもエンジン車では真似できない鋭さ。その強い力と立ち上がりの反応の良さに驚かされる。
乗り心地

3

多くのEVに共通する特徴ではあるが、路面の段差を超えたときに車体が上下に揺さぶられるような感覚は否めない。これは重い車両重量を支えるためにサスペンションを硬めているのが理由のひとつと思われ、全体的にはしなやかな乗り味なだけにこの上下動は気になるポイント。
積載性

5

テールゲートを開けた瞬間に思わず2度見しそうになるほど広いラゲッジフロアが印象的。容量は後席を畳まない状態で616Lと大きな車体ならではの大容量で、EVだからといったネガは感じない。クーペスタイルで傾斜の大きなテールゲートゆえに荷物を高く積み上げて積載することはできないが、一般的な使い方では問題ない。
燃費

3

大容量バッテリーを搭載するモデルだけに、「e-tron50」は335km、「e-tron55」は423kmという長い航続距離を実現する。日常生活範囲で航続距離の心配をする必要はないだろう。ただし、大容量バッテリーだけに充電には時間がかかり、急速充電器を頼って充電を繰り返しながらの長距離移動は容易ではない。それが大容量バッテリーを積むEVの難しいところだ。
価格

1

ベーシックなタイプを選んでも約1150万円。バッテリー容量の大きな上級タイプは1291万円。かなり大きく出たプライスタグだ。とはいえ、プレミアムブランドで、大型SUVで、しかも電気自動車……と考えれば無理はない。
工藤 貴宏
工藤 貴宏
自動車ジャーナリスト
1976年生まれ。クルマ好きが高じ、大学在学中に自動車雑誌の編集部でアルバイトしたことをきっかけに、そのまま就職。そして編集プロダクションを経てフリーランスの自動車ライターに。日々新車を試乗し、日夜レポートを書く日々も気がつけば10年以上。そろそろ、家族に内緒でスポーツカーを買う癖はなんとかしないと。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
アウディ e-tron スポーツバック 新型・現行モデル

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