このセグメントのブレンドしたロメオ
復活したジュリエッタに恋してしまった。まずは、名前の響きがとてもいい。昔の名前ではあるけれども、そんなことに関係な
2012.2.8
- 総評
- このセグメントのブレンドしたロメオ
復活したジュリエッタに恋してしまった。まずは、名前の響きがとてもいい。昔の名前ではあるけれども、そんなことに関係なく、美しいネーミングであることに変わりはない。本当にいい名前を、アルファロメオはキープしていたと思う。セグメントの違いがあるがMITOが吹っ飛んだ。
いい財産を使うのだから、というわけで、中身も相当に頑張った。新設計のプラットフォームである。ドイツ勢にはお馴染みのモジューラー戦略に基づくもので、今後はこの車台をベースにさまざまなフィアットグループカーが生まれるはず。ちょうど、ゴルフがそうであるように。
ジュリエッタのライバルはゴルフである。イタリア車が、昔のままのイタリア車であり続けていい時代は、147で終わった(そんなイタリア車しか認めたくないと声を荒げるのは、たぶん日本の熱心なマニアくらいのもので、そんな声に耳を傾けていちゃあ、ブランドがもたない、とイタリア人は思っている)。
汎欧州市場で、そしてアメリカや他の新興市場で今後売っていくためには、企画も構造も、仕様も生産も、これまでとは異なる手法で取り組まなければならない。
フィアットに限らず、欧州勢にとって、そのお手本は身近にある。世界第2位の販売台数を誇る、フォルクスワーゲングループだ。
ドイツ車を目指したのではない。プレミアム性が多少なりともあるブランドにとって、
世界で通用するクルマを作りたければ、ドイツ車のようにならざるをえない、というわけである。
欧州スタンダードはドイツ車だ。
ジュリエッタには、走りに関して、ゴルフ以外に、ライバルが想定されている。1シリーズだ。開発陣は“快適さでゴルフ、楽しさで1シリーズを目指し、両立を完成させた。
- 満足している点
- 見栄えの仕立てだけは、何としても譲れない。ジュリエッタのハッチバックスタイルとインテリアムードは、最も合理的なゴルフに真っ向から対立するものとした。
サイドラインとクーペのようなルーフライン、薄いサイドウィンドウグラフィックスが、好き者の目を惹き付ける。
インテリアも刺激的だ。フィアット500で用いた手法をグレードアップして。スイッチ類やメーターまわりのデザインが、スポーティでオシャレ。安く見栄えの悪い部品から目をそらさせるのも、お上手。 で後だしジャンケンでこのセグメントMTは、ルーテシアRSぐらいで、味が違う
走らせて見た感想
日本仕様のグレードは3つ。オススメはまん中のコンペティツィオーネ。このクラスに最適なパワートレインとスポーツシャシー+17インチタイヤのバランスのよさが秀逸。街乗りから、ワインディング、高速、望めばサーキットシーンまで、オールマイティにこなす。特に、TCTのシフトアップの気持ちよさったら! 高回転域での変速は、速さというそのフィールといい、最新フェラーリ風をちょいと味わえる。日本ではプレミアムハッチになるわけだから、インテリアのムードも、上質な方が長く付き合えると思う。
昔ながらのイタリア車が好き、という方には、スプリント(これもアルファらしい良い名前)。16インチにノーマルシャシーだが、パワートレインはコンペティツィオーネと同じ。だから動力性能的には申し分なし。街中の乗り心地が柔らかく、それゆえバタバタするときもあるが、それだってひと昔前のオッサン用アルファロメオ風だ。そう、アルファロメオって、イタリアじゃ、れっきとした実用車。オヤジがフツウに乗るクルマである。
それでも、ドライブ制御をD(ダイナミック)にして1750ターボエンジンをめいっぱい解放すれば、踏んだ方が慌てふためくほど、元気のいい走りをみせる。トルクステアも出るが、各種電子制御のおかげで、回頭性はいい。面白いように内を向く。
低速回転でもトルクがあるので、たしょうズボラなMT操作でも走ってくれるのが嬉しい。18インチタイヤも無難に履きこなす。それだけボディがしっかりしているということだ。
ゴルフのしっかりとした安心感と、1シリーズの切れのいい操縦感。ブレンドした様な感じで、たしかに美味しいとこどりの、よくできたハッチバックスポーツだった。現在このセグメント 間違いなくハッチバック最新ベストバイ
- 不満な点
- MITOを買い換えてしまうかも?
最上級のクワドリフォリオは、3ペダルのやんちゃなオモチャが欲しい、というマニア向け。否、ホントのマニアには、ローンチスペシャルの左ハンドル+MTがオススメか。右ハンドル+MTは、左膝がセンターに干渉するので、頻繁に変速するような使い方では、どうしても気になってしまう
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