■現代版「クロスロード」誕生!? コスパ良すぎる「WR-V」登場
「これは、クロスロードの再来では……!?」ホンダが新たに投入する、ブランニューモデルの「WR-V」を見た時、そう感じました。
その正体はフィット系のプラットフォーム(しかしセンタータンクレイアウトではない)を活用した全長4325mm×全幅1790mmのコンパクトSUVです。車体サイズは高さが70mm高いことを除けばヴェゼルとほぼ同じ(全長が5mm短いだけで全幅は同じ)といえば、大きさがイメージしやすいでしょう。
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スタイリングの特徴はなんといってもラギッド(いかつい、粗削りな)なこと。ホンダがいま日本で販売しているSUVの「ヴェゼル」や「ZR-V」は滑らかなエレガント系デザインで都会的ですが、ゴツゴツして無骨なWR-Vの雰囲気はそれらとは対極というわけです。
厚みがあり、大きなフロントグリルを組み合わせたボンネットはまるでアメリカのピックアップトラックのような力強さです。
そんなWR-Vの実車を見て感じたのが、冒頭の「これはクロスロードの再来ではないのか?」ということ。
クロスロードとはホンダがかつて販売していたSUV。しかしここで言いたいのは、V8エンジンを搭載する「ランドローバー・ディスカバリー」をOEM販売していた初代ではなく、2007年から2010年にかけて日本で販売していた2代目モデルです。
2代目のクロスロードの全長は4.3m弱で、WR-Vとほぼ同等。そんなサイズ感もですが、それ以上にWR-Vとイメージをオーバーラップさせるのが「ハマーH4」とも言われたカクカクのスタイルです。
もちろん細かい部分のデザインを見れば2代目クロスロードとWR-Vはかなり違うのですが、WR-Vは昨今のホンダのSUVにはなかった無骨なスタイルで、水平基調ならではの力強さなど全体的にどことなく共通の雰囲気を感じます。
ところで、そんな2代目クロスロードですが、商業的には成功とは言えませんでした。なぜなら、登場が早すぎたから。
全長約4.3mながら3列シートというパッケージングは利便性が高く、コンパクトカーとSUVが販売の中心となっている今なら勝算は大いにアリ(当時に比べて今のSUVの年間販売台数は約4倍)。見るからにSUVらしい力強いスタイルとあわせて今なら人気モデルとなる可能性が高いのです。
WR-Vはクロスロードとは違って3列シートではありませんし、駆動方式はFFのみで4WDの設定もありません。
しかし、コンパクトなボディに広い後席&荷室(458Lでクラス最大!)というパッケージングは、クロスロードの「短い全長に3列」と同じベクトル。ホンダの開発陣に初代シビック(言葉として発信されたのは3代目シビック)から受け継がれ、今でも設計思想として根底にある「MM思想」に通じるものを強く感じるのは単なる偶然ではないでしょう。
MMとは“マンマキシマム・メカミニマム”の略語で、機械部分は最小に抑え、人間のためのスペースを最大限広くするという意味。それがクロスロードにも、WR-Vにも織り込まれているのです。
ところで、WR-Vにはもうひとつクロスロードと重なる部分があります。それは価格帯。
クロスロードのFFモデルの価格帯は約193万円から247万円でしたが、WR-Vの価格帯(詳細価格は現時点ではまだ未公表)はボトムグレードが約200万円で最上級タイプは250万円程度とアナウンスされています。
ヴェゼルのベーシックグレード(1.5リッターガソリンエンジン搭載のFFモデル)が約240万円と聞けば、WR-Vがコストパフォーマンスに優れたモデルだということが感じられるのではないでしょうか。
そんなWR-Vは今年末に正式発表され、来年春から納車が始まる予定。手頃で便利なSUVとして、ヒットモデルになりそうな予感しかしません。
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みんなのコメント
悪路走るわけでもないし、FFで持て余すようなパワーが有るわけでもないし。
価格見た目荷物の量もそこそこで目線が高くて運転しやすいし、
高齢者になったら分からないけど車高が低めの車より乗降もしやすいから
喜ぶ人も結構いると思うよ。ただコスパが良いんじゃなくて余計なものがなくて
価格相応の車っていうほうが正しいと思うけど。