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日産は燃料電池車をやらない!? EVとe-POWERに注力する理由とは

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日産は燃料電池車をやらない!? EVとe-POWERに注力する理由とは

日産は2023年2月27日、長期ビジョンの日産アンビション2030(2021年11月29日発表)の進捗状況に合わせ、電動化戦略をアップデート。その新たな取り組みについて公表した。

リーフアリアサクラといったゼロエミッションの電気自動車EV)は、2010年の初代リーフ投入以来、全世界で約60万台を販売。発電専用のエンジンで発電した電気をもとに走行するe-POWER車は、日本(ノートオーラエクストレイルセレナ)のほか、欧州やメキシコ、タイなどに投入され、いずれも好評をもって迎えられているといい、グローバルで約70万台を販売した。2022年第3四半期のグローバルの電動化比率は13%で、日本(EV+e-POWER)は53%、欧州(EV+e-POWER)38%、アメリカ(EV)2%、中国(e-POWER)1%となっている。

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電動車両を求めるユーザーニーズの高まりや事業環境の変化に対応して、電動化をより一層推進するため、日産アンビション2030で公表した2030年までに投入する電動車の車種数を増加させた。具体的には、15車種のEVを含む23車種としていたのを、19車種のEVを含む27車種の投入とし、EVが4車種増える形となった。これによって、2030年の電動車の販売比率は50%から55%になるとしている。

ちなみに、2026年度の電動車の販売比率は、日本58%(日産アンビション2030で公表した数値では55%)、欧州98%(同75%)、中国35%(同40%)、アメリカは2030年度までにEVのみで40%以上(変更なし)となっている。中国の比率が下がっているのは、グローバルでEVが想定以上に伸びてないことやEVに関する中国の規制が延期されたことなどを踏まえたものである。

■今後の主要構成パーツについて

バッテリーは現在の液体リチウムイオンバッテリーのコストダウンを進める一方、エネルギー密度が2倍で充電時間3分の1の全固体電池を2028年度までに投入する。全固体電池は正極と負極の間を液体ではなく固体の電解質が担う電池で、一般に安全性が高く、温度変化による影響を受けにくい、劣化がしにくいといわれている。日産アンビション2030では、2028年度までに自社開発の全固体電池を搭載したEVの市場投入を目指すとしている。

パワートレーンはEVとe-POWERの互換性を持たせ(両者を併せてeパワートレーンと呼ぶ)、モーター、インバーター、ギヤ(減速機)を両者で共用化。EVはモーター、インバーター、ギヤ(減速機)で1つのユニットを構成する「3 in 1」構造に、e-POWERは共用化したモーター、インバーター、ギヤ(減速機)に、発電機とギヤ(増速機)を加えた「5 in 1」構造とすることでコスト削減と軽量化の実現を図る。パワートレーン自体も2020年度の49(eパワートレーン4+内燃エンジン45)から、2026年度は27(eパワートレーン4+内燃エンジン23)へ45%削減、さらに2030年度には19(eパワートレーン3+内燃エンジン16)へとさらに30%削減する。

プラットフォームはバリエーションの最適化を図り、例えば5車種のバリエーションの場合(2車種のセダンEV+2車種のSUV EV+次期型キャシュカイEV)、従来はナロー/ワイドの2種類のプラットフォーム、中距離・中出力/長距離・高出力仕様の2種類のバッテリー、標準/プレミアム仕様の2種類のサスペンションで合計16のバリエーションを想定していた。最新の計画では、市場ニーズに基づき選択と集中を行い、ミドルサイズのプラットフォームに統合、地域によって中距離・中出力/長距離・高出力仕様の2種類のバッテリーから1つを選択し、プレミアム仕様のサスペンションを組み合わせる。これによって、合計3バリエーションとすることで、16→3へのバリエーション削減を図った。

なお、欧州の現行モデルではキャシュカイがCMF-CDというルノーとのアライアンス・プラットフォームを採用、ジュークはアライアンス・プラットフォームCMF-B、リーフは単独のEVプラットフォームを採用しているが、次世代のキャッシュカイ、ジューク、リーフではCMF-EVというアライアンス・プラットフォームに統合。現在は約100車種のうち約6割未満が日産・ルノー共通のプラットフォームを採用しているが、2026年には90車種以下に削減したうえで、約8割の比率に高めるという。このようにアライアンスを活用してプラットフォームの共通化を進める。

日産は次世代車両について、燃料電池車はその実用性やビジネスの観点も踏まえて商品化は行わず、EVとe-POWERの2つのパワートレーンに集中しているという。ただし、プラグインハイブリッド車については、リチウムイオン電池と次世代の全固体電池の間の過渡期に、大型SUVやピックアップトラックなどのフレーム車に適用の余地があり、検討中であるとした。

■コネクテッドカー戦略について

日産はコネクテッドカー戦略を強化し、車載コンテンツの充実からオンデマンド機能の実現まで、多様化する顧客ニーズに幅広く対応。プロパイロットやe-4ORCEなども含めた各種ソフトウェアは、2025年からすべての新型車について100%日産内製で開発が行われるという。社内や社外のパートナー企業を含めて4000人のソフトウェア開発者が従事。なお、一部のモジュールや技術はルノーのものを採用する可能性があるとしている。

〈文=ドライバーWeb編集部〉

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みんなのコメント

35件
  • アンチだからなんでもディスればいいというもんじゃない。現状では燃料電池は難しい。トヨタがすべて正しいとは言わないが、トヨタの方針の転換を見ればそうなんだろう。というくらいのことは、アンチ日産の人でもわかるだろう。今のところそれは正しい(トヨタの方針変更も日産の方針も)と思う。
  • 何が正しくて 何が間違っているなんて、誰も解らない… 日産の進むべき方向が 間違いで無いことを祈る。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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