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「西部警察」に憧れて警察官に! 愛車はもちろんDR30スカイライン! 両方の夢を叶えたオーナーの物語

掲載 更新 21
「西部警察」に憧れて警察官に! 愛車はもちろんDR30スカイライン! 両方の夢を叶えたオーナーの物語

先輩からの教えがきっかけでR30購入を決意!

日本を代表する名車のひとつである、日産スカイライン。プリンス自動車が1957年に発売し、現在新車として発売中の13代目まで、60年以上に渡って多くのファンに愛されている。今回は、6代目となるR30型を2台所有する前田丈彦さんの愛車とのエピソードを紹介しよう。

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小中学生のころは刑事ドラマとクルマに夢中

「地元は田舎だったので、小中学生のころは楽しみのひとつがクルマでした。変わったクルマが街を走っていると、1週間はその話題で盛り上がりましたね」と前田さんは当時を振り返る。昭和50年代中盤のころだった。

また、そのころはテレビドラマで大都会や西部警察といった、大人気刑事ドラマが放映されていた。前田さんも当然ハマり、クラスメイトとドラマの内容で盛り上がったそう。「当時、東京は本当に危険なところで、凶悪犯を逮捕するため、ドラマに登場するスカイラインやフェアレディZのような特別なパトカーが必要なのだと信じていましたね」と笑う。

西部警察といえば、日産スカイラインやフェアレディZをベースにした特殊なパトカーが活躍するドラマ。子供心に、このようなパトカーが本当に活躍していると思っていたようだ。楽しい学生生活を送り、卒業文集には新日本プロレスのプロレスラーになりたい、オレたちひょうきん族などのテレビ番組に出たいといった、当時流行っていたことを夢として書く友人が多かったそう。もちろん、西部警察に憧れて夢に“警察官”と書く同級生も。前田さんもそのひとりだったそうだ。

ときは流れて、大学進学のために上京する。厳しくも楽しい学生生活を満喫して進路を考え始めたときに、小中学生のころからの夢だった警察官の採用試験を受験し、見事に合格。憧れだった警察官になることができたのだ。

「その当時はあぶない刑事のようなスタイリッシュな刑事とか、西部警察のようにショットガンを持つ刑事がいる東京で警察官になるんだ、と思っていました。そして、ドラマで見たスカイラインやフェアレディZは存在しないとしても、そういった特殊任務向けの特別な警察車両はあるんだろうと思っていましたが、それもありませんでしたね。当然なのですが」と、警察官になりたてのころのことを振り返ってくれた。そして、“普通”のパトカーに乗るようになった際、現在の愛車であるスカイラインの維持にもつながる大事なことを先輩に教わる。

国民の皆さまからお預かりする警察車両を大事にすること

「機動隊で勤務していたころに、あまり年齢の変わらない先輩が、パトカーをすごくきれいに手入れをされていました。ボディだけではなく、エンジンルームやタイヤハウスの中までです。なぜそこまでするのだろう? と質問すると、『警察の車両は、何百万円も何千万円もするようなクルマ。そして、これは自分のクルマでも、警察が買ったクルマでもない。国民の皆さまからこのクルマを使って、私たちを守ってください、と付託を受けてお預かりしているんだ。だから耐用年数を迎える日であっても、新車のようにキレイな状態を維持していなければならない。エンジンルームやタイヤハウスの中も、ピカピカに手入れをしなさい』と教えられました。そのときの言葉は、後輩たちにも伝え、今でも受け継がれています」

先輩から教えてもらったクルマを大切に扱うという考え方は、自分の愛車購入、いまも乗るR30スカイラインを手に入れるきっかけにもなったそうだ。80年代の古いクルマであり、普通なら大変なメンテナンスやリフレッシュが必要になる。しかし、小まめに手入れをしていけば、気にせず乗れるのではないか? と思ったそう。

そして、憧れだったR30の購入を検討し始め、R30の専門誌を熟読。自分でも乗れそうだと判断し、専門誌に掲載されていたR30専門店のユーティリタスを訪れた。そのとき、出会ったのが現在の愛車となっている4ドアのシルバー2トーンだった。

「値段を釣り上げるわけでもなく、きちんと適正価格を提示してくれました。クルマのことを丁寧に説明してくれましたし、古いですがまだまだ安心して乗れますよ、とのことだったので、購入を決意しました」

そのときは結婚もしており、当時流行っていたこともあってY32グロリアに乗っていたという。デザインも気に入っていて、奥さまもお気に入りだったそう。ある日突然、グロリアで出かけて、R30スカイラインに買い替えて帰宅。奥さまへの相談もなく、R30への乗り換えを決めていたそうだ。

「帰宅して車庫へしまっていると、奥さまから『そのクルマはなに?』と……。『なぜひと言も相談なく買ったの?』と、ひと通りご指導いただきました(笑)。妻からしてみればグロリアはもちろん、レクサスセルシオなど高級車のほうがいいに決まっていますよね。ですが、オートマ車だしとか、エアコンもきちんと利く、なんて話をしていたら『あなたはなんの話をしているの?』と。2カ月くらいは文句を言われましたが、なんとか収まりました」と購入当時のエピソードを教えてくれた。

憧れだった赤の2トーンと運命の出会いを果たす

そして、もう1台の愛車となる赤2トーンの2ドアと出会うことになる。4ドアのシルバーに乗って、2年くらいしてからの出来事だった。

「4ドアを購入したお店から、当時走行距離が4万9000km程度の状態のいい赤2トーンの2ドアを買い取り、販売することになったと教えてもらったのです。私が昔、赤の2トーンもいいですね、と言っていたことを覚えていたようで。ですが、お金もないですし、駐車場もない。でもどうしても欲しい。お酒も飲めないですしタバコも吸わないですから、無駄遣いもしてませんし、ちょっと借金はしますが2台目を買わせてほしいと、今回はちゃんと相談しました。程度のいい赤の2トーンは、滅多に出てこないと説得して」

そして、ついに2台目となる赤2トーンの2ドアクーペを手に入れた。こちらはより走りが楽しめる5速MT車だ。駐車場問題は、デパートで使われていたという2段の機械式駐車場を中古で購入することで解決。設置工事をしていたときにご近所の方からは、もう1台買われるんですね、エコカーですか? なんて聞かれましたが、まさかの同じクルマで驚かれたそうだ。

定期的にメンテナンスを施し大きなトラブルはなく快調

こうして2台のR30が車庫に収まった。4ドアは奥さまが買い物などで日常的に使われて、2ドアは前田さんが週末にドライブを楽しんでいる。発売から30年以上が経つモデルだけに、トラブルなどはないのだろうか?

「古いクルマですから、壊れることもありますね。昔、妻が4ドアに乗っているとき、車内のライトがすべて点灯。オルタネーターが壊れる前兆でした。エアコンから熱風が出たりしたこともありましたね。4ドアはエンジンのオーバーホールを1度行っています。多少のトラブルはありますが、基本的には通常のメンテナンスだけで乗ってこれていますね」

早めに部品交換やメンテナンスを行うということは、警察車両を大切に扱うという先輩たちからの教えを守って愛車にも実践している。そのため、好調を維持できているそう。輝きを放つ赤の2ドアは、オールペイントなどは施していない新車時の塗装のまま。一度ボディコーティングを施し、以降は小まめな洗車とボディカバー保護による賜物だ。

西部警察がきっかけのひとつだとは想像が付くのだが、そもそもなぜR30を購入しようと思ったのだろうか?

「中学生のころ、新聞にR30スカイラインの広告が出ていたのです。私が乗っているのと同じ、鉄仮面と当時CMに起用されていたポール・ニューマン仕様の2台が並んでいました。そして、キャッチコピーの『史上最強のスカイライン』というフレーズ。それを見て、子供ながらに史上最強だと言い切るクルマって、すごいな、と思いましたね。その印象がずっと印象に残っていたんです」

「そして、西部警察でのドラマでの活躍。劇中車は鉄仮面ではない前期型がベースでしたが、すごくカッコよかった。クルマにはDOHCといった高性能を主張するステッカーが貼ってあって。真似して自転車にDOHCって書いてみたこともありました。ちょっと速くなった気もしました(笑)。いま思うと、変なことしてたなって思います」

もちろんクルマ雑誌も読んでいたが、当時流行っていた改造車を取り上げる雑誌ではなく、新車をきちんと紹介する雑誌を読んでいたそう。クルマの性能にフォーカスした記事に注目し、R30に搭載されていた当時の最先端技術や先進的なデザインの解説を読み、“史上最強”の意味を再確認したそうだ。

ところで、ドラマに憧れて劇中車のレプリカ仕様が欲しくなったりしないのだろうか?

「一時期はそう思うこともありました。じつは、同じエアロパーツも持っているんです。もし宝くじが当たって、前期型のスカイラインを手に入れる機会に恵まれたら、定年後の楽しみにしたいですかね、でも、乗っていないと思いますが」と前田さんは笑う。

早めの部品確保といいショップと巡り合うことが大事

現在、4ドアは16万km、2ドアは5万2000kmを走行している。車両を購入したユーティリタスと、スカイラインに精通した日産東京販売モータースポーツ室の両方のショップにて手厚いメンテナンスを施している。どちらもR30に詳しいため、安心して任せられるそうだ。

「ユーティリタスはR30専門ですから、目をつぶっていても整備できるのでは? と思うほど完璧です。わずかな音を聞いただけでも、トラブル箇所をすぐに発見してしまうほど。そして、モータースポーツ室は車両の状態に合わせて最適なメンテナンスを提案してくれます。もちろんR30にも精通していますし、ディーラー直系という安心感、そしてすぐに純正部品なども手配していただけます。このふたつのショップのおかげで、2台のR30に安心して乗り続けていられるのです」と全幅の信頼を寄せている。

そんな大事にしている2台のR30だが、じつは一度4ドアを手放した時期があるそう。仕事も多忙になり、2台に全力で愛情を注げないかもしれない、と断腸の思いで別れを決意する。手放したあと、2ドアのメンテナンスでショップを訪れると、手放した4ドアが入庫していた。メンテナンスですか? と尋ねれば、なんとまた売却され、中古車として出戻っていたそう。なんでも、前田さんの次のオーナーが大事に乗っていたそうだが、さらに条件に合うR30と出会ったため、手放したそうだ。

せっかくいいオーナーのもとに嫁いでいったのに……という思いで頭から離れなくなり、1週間後には奥さまに相談。そして再び4ドアは前田家に戻ってくることになった。4ドアの後継車として日産ノートに乗っていたそうだが、再び4ドアが戻ってきた日、ご近所の方から「やはり前田さん家は、こっちのクルマのほうがいいわよ!」などと言われたそう。いかに、ご近所からも理解を得られているかがわかる、心温まるエピソードだ。

乗れるかぎり、ずっと乗っていきたいと語る前田さん。いまでは手に入らない、貴重な純正部品の数々を新品で確保している。モール類やヘッドライト、テールランプなどは1台分、きちんと買ってある。4ドアのマフラーは、純正新品に交換したばかり。純正部品の確保は、旧車オーナーにとって切実な問題だ。

「高騰する前に購入しておいてよかったです。先輩からの教えや、ショップからも部品があるうちに買っておいたほうがいい、とアドバイスをもらっていましたから。ウインカーや小さなライトなども揃っていますが、本当にボロボロになるまで、交換しないでしょうね、もったいなくて。ネットオークションでは15万円とか値がついていることを家族に教えると、売ってしまおう! なんて言われますが」

小さいころからの夢だった、警察官になることとR30スカイラインに乗ること。その両方を実現した前田さん。奥さまをはじめ、ご家族やご近所の方からの愛情を受けながら、これからも2台のR30スカイラインは走り続けてくれることだろう。

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みんなのコメント

21件
  • 32だ、GTRだのが出てからというものは
    いくら鉄仮面だの西部警察だの持ち出されたところで
    もうすっかりクソどうでも良い「スカイライン」だったハズなのだけど
    今、たまにどこかの駐車場で見かけた日には、「もうすっかり」ガン見状態で
    テメエ自身の考えや感性などというものが、いかにその場その時の適当極まるモノでしかない事を
    このスカイラインは教えてくれた。
  • 自分も昭和59年から30年近く新車からR30を所有していた。2ドアのポールニューマンバージョン。見た目は今の車にはない精悍さはあってターボのブーストがかかり出した時の日産独特のヒューンというサウンドもノスタルジックに浸れる。ハンドリングは今の車と違いかなり緩めで、ステアリングもラックピニではないからダルなのはしかたない。峠道をハイペースで走っても今の86クラスにはまったく追いつけず、回答性はオーバーハングの長さからよくないけど、車重は軽いし調整式のショックを切り替え、エア式のシートサポートを調整してドラポジを決めればなかなかいい感じに走れる。ツーリングみたいな感じでゆっくりと当時のメカ、ターボノイズに浸りながら走るのには適している。自分は海外に引っ越すため預けていた車庫が土地所有者の売却により預け先がみつからず売却となったけど、これから買われる方は大事に乗ってほしい。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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