ネガティブな話題を払拭するかのように、日産がメディアに向けて新商品と新技術投入に関する計画の説明会を開催した。そこでお披露目されたのは、新たな経営体制のもとで進むターンアラウンド(事業再生)を支えるさまざまな「可能性」。大胆不敵なコンセプトに則ったデザイン、革新的なテクノロジーは果たして、どんな近未来を日産にもたらすのだろう。(写真:日産自動車株式会社)
2028年度までに世界に投入されるNISSAN車、続々
2025年3月25日(火)、日産自動車は神奈川県 厚木市にあるデザイン拠点「日産テクニカルセンター(NTC)」において、各種メディアを対象に「ターンアラウンドの取り組みに関する説明会」を行った。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
プログラムは、ターンアラウンドの取り組みと進捗に関するプレゼンテーションに始まり、「日産」と「インフィニティ」ブランドの将来モデルやSDV(Software Defined Vehicle)、コネクテッドを中心とする将来技術の紹介、デザイン決定のプロセスを実体験するコーナーへと続く。時間的には休憩もはさんで4時間ほどだったが、まさに盛りだくさんな興味深いプレゼンテーションが続いた。
会の終盤、日本の取材陣を前にラウンドテーブルに臨んだイヴァン・エスピノーサ氏(現日産自動車株式会社チーフ プランニング オフィサー/4月1日付で同代表執行役社長兼最高経営責任者(CEO)に就任予定)は、きわめて率直に「日産というと最近は他社とのやりとりばかりが語られがちですが・・・」と触れた上で、この会を通して「世界に対して日産の取り組みをオープンにすることで今一度、日産の“熱”を理解して欲しい」と語った。
その言葉どおり、新型車に関する情報は「大盤振る舞い」だった、と言っていいだろう。まずは新型リーフのエクステリアデザインを皮切りに、世界各国で発売される(すでに発表済みのものも含む)代表車種について、「さわり」の部分が次々に紹介されていく。
発表予定の時系列毎に並べると・・・。
●2025年度投入予定車種
リーフ/ローグPHEV/セントラ/マイクラEV/パスファインダー/キャシュカイ/インフィニティQX60
●2026年度投入予定車種
ローグ(エクストレイル)/ジュークEV/ナヴァラ(フロンティア)/ヴァーサ/インド市場向け2列シートSUV/インド市場向けMPV/インフィニティQX65
●2027年投入予定車種
新型ニッサンSUV
●2028年度投入予定車種
インフィニティEV SUV
新型リーフの実車デザインを大胆不敵にお披露目
日本市場向けに導入が明らかされているのは、新型リーフと新型「大型ミニバン」。リーフはもちろん、大型ミニバンも日産が誇る電動化の最先端を行く存在となる。
それにしてもコンセプト段階とはいえ、確定した市販型リーフの実車デザインを見せてくれるとは思っていなかったので、さすがに少し驚いた。3代目の進化における最大の特徴は、すっきりとしたシルエットのクロスオーバーモデルへと生まれ変わったことだろう。
「アリア」と共通のCMF EVプラットフォームを採用しているとのことだが、言われてみればシルエットというか塊感というか、全体的な雰囲気は確かにアリアに共通するものがある。あえて言うなら、アリアを少しすっきりと「さわやか系」に仕立てた、といったところだろうか。
日産のデザイン部門をグローバルで統括するアルフォンソ・アルバイサ氏(4月1日より執行職 グローバルデザイン、ブランドチャンピオン)のコメントを通しては、「スマートなたたずまい」と見晴らしの良さ、ゆとりある室内空間という魅力のポイントが印象に残った。
新型リーフは先進的なアーキテクチャーを採用し、北米仕様車にはテスラスーパーチャージャーネットワークへのアクセスを可能とするNACS充電ポートが搭載されるという。効率的なパワーマネジメントと相まって、大幅な航続距離の改善も実現。市販モデルの発表は2025年半ばを予定している。
高速走行が得意なe-POWERを積んだ大型ミニバン。無敵か?
電動化という意味では、新型大型ミニバンに搭載される予定の、第三世代e-POWERも日本導入が楽しみなテクノロジーだ。
小型のガソリンエンジンとリチウムイオンバッテリーを組み合わせるハイブリッドだが、電動モーターで駆動する「シリーズ」であるところが特徴。走行性能はEVそのものでありながら、内燃機関を備えることで航続距離に関するネガティブ要素を払拭している。
新世代のシステムはそのツアラー性能に、さらに磨きがかかっているようだ。とくに高速走行時の燃費を最大で15%ほども引き上げることを目指しているという。今回のシステムは次期ローグに搭載されて北米市場に投入を計画しており、「電動化のNISSAN」のもうひとつの魅力をアピールすることができるかもしれない。
欲を言うなら、e-POWERつながりということで、北米ローグを「エクストレイル」として日本に導入するとか、欧州で大人気のキャシュカイを「デュアリス」として復活させるとか、余計な期待までしてしまいそうになる。
ちなみにフルバッテリーEVとして新型「ルノー5」とメカニズムを共有する「マイクラEV」も、かなり心ときめく存在になるはず。東京オートサロンで人気を博したコンセプトモデル「ハイパーパンク」のデザイン性をまじめに市販モデルに活かしたという新型「ジューク」もまた、「昔の名前で出ています」的ななつかしさと新しいもの好きのパッションをくすぐってくれそうだ。
地道な取り組みがAIとのコラボで新たなステージへ
各種運転機能の高度化などクルマとの付き合いかたを根本的に変える可能性を秘めたSDVに関しては、アップデートが着実に進む「日産CCS(Connected Car and services)プラットフォーム」が実際に搭載された時の、実車としての完成度が気になるところだろう。
カギを握るのはご他聞に漏れず「AI」となるようだが、日産の場合は単に便利なだけではない「ライフタイムバリューを最大化」するドライブ体験、操作体験を実現してくれるという。
そこで提供してくれる価値を端的な印象で並べてみると・・・
・レスポンスよく応答してくれる優れた操作性
・マルチタスクをストレスなく使いこなせる多用途性
・個々人の好みによりそうおもてなし力とパーソナライズの可能性
・サードパーティ製アプリにも対応する拡張可能性
といったあたりに、日産らしいSDVが目指す理想のエッセンスが秘められているようだ。
高度なシステムプラットフォームの構築が必要になることは言うまでもないが、そのプロセスに「日産内製ビークルOS」があることに、長い間、プロパイロットなど先進運転支援システムの独自開発にこだわりぬいてきた日産開発陣の矜持が感じられるように思えた。
スポーツカーの血統にもブランド力あり。たゆまず進み続ける
再び、エスピノーサ次期CEOとのラウンドテーブルに話を戻そう。実は最後のQ&Aでとても興味深いクエスチョンに対して、とても率直な答えが返ってきたことが印象的だった。その質問とはもちろん「次期スポーツカー、あるやなしや」といったものである。
アタマにアイデアはあります。それをどうやって実現させるか・・・きわめて前向きに検討中です、ということのようだ。
そもそもエスピノーサ氏が「ニッサンファン」になったきっかけは、若い頃に街中で見かけた300ZX(4代目?)だったというから、前向きコメントの信ぴょう性はそうとうに高い。実際、Zの開発チームに加わっていたこともあるし、最新のZに毎日乗っているというから羨ましい。
「(スポーツカーは)利益云々を語る以上の存在。(日産にとって)ブランドそのもの。(その血統を)持続させることをお約束します」という力強いコメントに、思わず拍手しそうになった。
市場のニーズに沿った商品導入という目線とか、プラットフォームの共通化(「ファミリープロジェクト」と呼ばれているらしい)による効率的な企画・開発への挑戦、さらにはVR技術を駆使した「デザイン決定会議」がもたらすスピーディ極まりない車種展開のポテンシャルなど、地力は確かなものがある。
そこから生まれる新たなクルマたちには、しっかり期待して良い。願わくば、世界で展開されている魅力的なクルマたちがもっと日本で楽しめるようになると、なお良い。
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みんなのコメント
リーフも日産大型ミニバンも生産サイド、販売サイド、そしてユーザーも望んでいない。
欲しいのはライズ対抗のコンパクトSUV、フリード対抗のコンパクトミニバンでしょ。
日産は市場リサーチしないのかな?
もう社名変えたら。
日いらんやろ、産だけで充分。