2019年11月にデビューした、大人気コンパクトSUVのダイハツ「ロッキー」とトヨタ「ライズ」。2024年は、ダイハツの不正問題による長期出荷停止措置が行われたことで不安定な販売状況となったが、3月のガソリン車に続き、7月にハイブリッド車についても生産が再開されると販売台数は大きく上昇、ライズは、10月には1万台を超える登録台数を記録している。
税込180万円~というリーズナブルなガソリン車や、低燃費のハイブリッド車の構成で人気を得ているロッキー/ライズだが、登場から6年を迎えるタイミングとなれば、そろそろ次期モデルの話が登場してもいいころ。はたして爆売れコンパクトSUVは次期型でどのような姿となるのか!??
コスパ最強SUV「次期ロッキー/ライズ」トヨタ主導で進む開発の最終仕様はこうなる!!
文:吉川賢一/写真:DAIHATSU、TOYOTA、SUZUKI
【画像ギャラリー】そろそろ次期型登場か!?? 爆売れコンパクトSUV ダイハツ「ロッキー」とトヨタ「ライズ」(18枚)
小型SUVとしては理想的な構成のロッキー/ライズ
ロッキー/ライズが初披露されたのは、2019年10月末の東京モーターショーだった。発売開始はその直後となる、11月5日。ダイハツの3ドアライトクロカン「初代ロッキー(1990)」が1997年に終売となってから、約22年ぶりのブランド復活とあり、懐かしさと、5ドアコンパクトSUVへと進化した目新しさで、大いに注目が集まったのを覚えている。
現行ロッキー/ライズの長所は「全てのバランスがいい」ことだ。全長4メートル以下、5ナンバーサイズのコンパクトSUVであり、見切りのいいボディ形状によって運転がしやすく、最小回転半径も4.9~5.0mと小回りも利く。車重1トン程度(ハイブリッドでも1070kg)と軽量なおかげで走りはキビキビで、燃費もすこぶるよい(1.2Lガソリン車 20.7km/L、1.0Lターボ車 17.4km/L、HEV 28.0km/L)。価格も、税込176万円~(ロッキー2WD Lグレード)とリーズナブルなうえ、下取り価格も比較的高め。カーライフコスト(買値から売値を引いたコスト)がめちゃくちゃいいのだ。
全長4メートル未満のボディサイズが丁度よい。4.9~5.0mの最小回転半径も小回りが効くので、運転がしやすい
2021年11月にマイナーチェンジにて、最上位グレードの「Z」に電動パーキングブレーキとオートブレーキホールドを採用
パワートレインはコストを優先してe-SMARTでくるか、それとも燃費をとってTHS-IIにするか!??
このように、現行のロッキー/ライズは、小型SUVとしては理想的な構成といってよく、その後継に期待したいのは「正常進化」しかないわけだが、ここで悩ましいのがパワートレインだ。
ダイハツとトヨタといえば、ダイハツの不正発覚を受け、小型車について、今後はトヨタ側が開発責任を負う体制になることを表明しているが、トヨタとしては、ロッキー/ライズよりもワンサイズ上であるヤリスクロスハイブリッドの30km/Lという燃費に対して、ロッキーハイブリッド/ライズハイブリッドが28.0km/L(WLTCモード)にとどまっていることに対して、改善代があるとみているはずだ。
2024年の販売データでは、ライズのガソリン車とHEVの販売割合は3:2と、ガソリン車のほうが多い状況ではあるが、次期型では時代を考慮してハイブリッドを主要モデルに据えたいと思われ、そうなるとやはりヤリスクロスハイブリッド並みの燃費性能が欲しくなるのだ。ちなみに、ヤリスクロスはガソリン車とHEVの割合が1:5と、HEVのほうが圧倒的に多い。
ただ、ダイハツ独自のハイブリッドシステム「e-SMART HIBRID」のコストが安いというメリットもまた、無視はできない。日産のe-POWER同様にシリーズハイブリッド方式であるため、高速道路走行は苦手(高速走行時の燃費の落ち代がトヨタやホンダのハイブリッドシステムよりも激しい)なのだが、現行ロッキーハイブリッドは税込221万円~(ライズは226万円~)と、ヤリスクロスハイブリッド(243万円~)より20万円も安い。車両価格上昇を抑えるために現e-SMART HIBRID継続もしくは改良をして搭載するか、燃費をとってトヨタ製THS-IIに切り替えるか、商品企画は悩ましい判断となるはずだ。
ロッキーHEV/ライズHEVの燃費は28.0km/L(WLTCモード)。ただ、ワンサイズ上のヤリスクロスHEVは30km/Lを超えており、トヨタとしては改善代があるとみているはず
ヤリスクロスの場合、ガソリン車とHEVの割合は1:5と、HEVのほうが多い
外装は、現行よりもさらに、ワイルドになるか!??
もうひとつ、注目したいのがエクステリアデザインだ。次期ロッキー/ライズでは、現行モデルよりもさらに、ワイルドなエクステリアを追求してほしいと思う。たとえば、ランクル250をコンパクト化したようなクロカン風スタイルのSUVとなれば、欲しいと思うユーザーは少なくないはずだ。スズキの新型ジムニーノマドのエクステリアデザインが、いい見本になるように思う。
フルモデルチェンジのサイクルが6、7年とすると、次期ロッキー/ライズは2025年から2026年には登場するはずであり、2025年秋のジャパンモビリティショーで、コンセプトカーがお披露目される可能性は高い。爆売れコンパクトSUVの今後の展開に注目だ。
2025年4月に発売予定のジムニーノマド。武骨なスタイルは唯一無二のデザインだ。次期ロッキー/ライズもこの方向でデザインを仕上げてくるのでは??
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