「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、スズキ アルト エコだ。
スズキ アルト エコ(2011年:車種追加)
1979年(昭和54年)当時、乗用車には高い物品税がかかっていた。ところが商用車は非課税。そこに目を付けたスズキは、後席を折りたたみ式の簡単なシートとした軽商用車「アルト」を開発。実際は軽乗用車として機能する、平たく言うと合法的非課税軽乗用車、軽ボンネットバンというカテゴリーを打ち出した。全国統一47万円という低価格がセカンドカー需要にマッチし、アルトは大ヒットする。
アンダー100万円でも大満足。シンプルそのもののスズキ アルト Aは、けっして「安っぽい軽自動車」ではなかった【試乗】
そして昨年(編集部註:2011年)あたりから軽自動車の低燃費競争が勃発している。発端は9月に発売されたダイハツのミラ イースだが、スズキはこれに対抗すべく、アルトに新グレード「エコ」を追加設定した。そのスタイリングは、これまでのアルトと基本的に変わらない。低燃費タイヤを装着したり、リアコンビネーションランプに省電力のLEDを採用しているが、パッと見には違いは分からない。
シンプルなインテリアも、これまでのアルトと大きくは変わらない。素っ気なさを感じなくもないが、使い勝手は悪くない。円形基調デザインのインパネにオーソドックスなフロアシフトのATなど、誰もが初めて乗っても戸惑うことのないような操作系は、いかにもスズキらしい。
運転席にシートリフターやチルトステアリングは装備されないが、一般的な体型の人ならドライビングポジションに問題はないだろう。ハイト系ワゴンほどヘッドスペースは広くないが、リアシートもフットスペースは十分。ただし、ヘッドレストがオプションとなるのは残念なところだ。
低中速トルク指向のエンジンは街中で扱いやすい
乗り出してみると、最高出力52psと最大トルク6.4kgmを発生するエンジンは低中速トルク指向だ。そのため、ストップ&ゴーや中間加速の多い街乗りでは、けっこう力強さも感じさせてくれる。低速域のフロア振動なども抑えられており、ハンドリングもすっきりしている。
乗り心地も悪くない。しかも、その走りっぷりは燃費スペシャルといったものではなく、誰にでも勧められるベーシックカーそのものといった感じだ。アイドリングストップ機構はクルマが停止する前、車速が9km/h以下になると作動する。
今回は燃費テストも行ってみた。新橋のモーターマガジン社から首都高速~アクアライン~海ほたるPAの約34kmを走る高速モードでは、平均燃費計は30.5km/Lを記録。また、モーターマガジン社を起点に20kmほど都内の一般道を周回走行する市街地モードでは、アイドリングストップ機能が効いて、24.5km/Lを記録した。もっとも、燃費テストは同じドライバーが乗っても天気や混雑状況などで数値は簡単に変わってしまうから、あくまで参考データとして見て欲しい。とはいえ、電気デバイスなしに高速で30km/L以上、市街地で25km/L近く走るのだから、たいしたものだ。
コストを考えれば、軽自動車にハイブリッドなどを採用するわけにはいかず、従来からある内燃機関をとことん突き詰めて最適化し、アイドリングストップ機能も進化させ、「ハイブリッド車の半分の価格で、ハイブリッド車並みの燃費」を達成する。このアルト エコやミラ イースに追いつき、追い越せと、他の軽自動車メーカーも低燃費競争に参戦してくることは間違いない。
スズキ アルト エコ-S 主要諸元
●全長×全幅×全高:3395×1475×1520mm
●ホイールベース:2400mm
●車両重量:740kg
●エンジン:直3 DOHC
●総排気量:658cc
●最高出力:38kW(52ps)/6000rpm
●最大トルク:63Nm(6.4kgm)/4000rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:レギュラー・20L
●JC08モード燃費:30.2km/L
●タイヤサイズ:145/80R13
●当時の車両価格(税込):99万5000円
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みんなのコメント
ホンダのようなセコさはないメーカーだから、スズキ流燃費スペシャルなら特に不都合はないだろう。