ユーザーにとってはメリットだらけ?
トヨタは、5月8日から全系列店の全トヨタ車の全車併売をスタートさせる。見積書の作成はすでに4月下旬から可能になっているので、実質的にはもう開始しているといえる。東京地区は2019年4月にメーカー資本の4販社を統合し「トヨタモビリティ東京」を発足。従来の4系列店の全トヨタ車の併売を開始している。
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他地域は全国規模で全トヨタ車の全車併売を5月8日から実施に踏み切るが、東京地区とは基本的に手法が異なる。他の大部分の地域は東京のようにメーカー資本ではなく、地場資本販社であるから、別資本販社の統合はせず、4系列店販社は多くが従来法人を継続させる地域が多い。多くの地域は2~3の有力地場資本が出資して4系列店を設置している。トヨタ全車を別資本の4系列店の販社が扱うことになるので、ユーザーは新車を購入する際に、同じトヨタ車を競合させて安く手に入れることが可能になる。この手法は従来よりもむしろやりやすくなるといえる。
メリットとデメリットは、販売店、もしくはユーザーと立場による。ユーザーにとってはどこの系列店からでもトヨタ車を同じ車種同士を競合させて購入できるようになるので、ほとんどメリットだけだ。ただあえてデメリットとして指摘すれば、今後トヨタ系列店同士の乱売競争が激化し、戦いに敗れた店舗は閉鎖される可能性がある。たまたまその店舗で購入したら、以降のアフターケアがどうなるか、混乱してややこしくなるかも知れない。ただその場合は他のトヨタ系販社で受けるようにすればよいだけのことだから、デメリットのうちに入らないともいえる。
販売店は戦国時代「トヨタの敵はトヨタ」
販売店にとってメリットやデメリットは当然ある。
メリットは、これまで売れなかった他系列店の有力専売モデルが自由に売れるようになるので、毎月売らなければならない販売台数のノルマが達成しやすくなる。トヨタ店だとトヨペット店の専売だったハリアー、アルファード、カローラ店のカローラ、ノア、パッソ、ネッツ店のヤリス、ヴォクシー、ヴェルファイア、をそれぞれ自由に売れるようになる。トヨペット店、カローラ店、ネッツ店もしかりである。これまではユーザーが他系列店の専売モデルを購入したいと申し出たときは専売店に紹介するだけで、1台も売ったことにカウントされなかったのが、これからは販売実績になる。販売店にとっても扱い車が増えることで、収益が上がるようになる。
デメリットは4系列店同士が同じ車種を売るようになるので、仲間食いが頻繁に発生し、乱売による収益の悪化が生じやすくなる。つまり最初は扱い車種が増えもうかるが、先になると乱売が多くなり、逆に収益が落ちるようになるのは必至といえる。また専売モデルがなくなるのは、それだけうまみがなくなるので、デメリットになる。最近の新車の売れ方は80%が代替えといわれる。したがって専売車については、扱っていた系列店は他系列店よりも多数の代替え母体を持っていることになる。したがって4系列店各社の営業担当者によると「当面は自社の既納ユーザーをキープするのに重点を置いたセールス活動をして行き、徐々に他系列店の専売モデルだった車種の販売にも力を入れて行きたい」とコメントしている。
■トヨタ店:優位な状況に
トヨタ店はクラウン、ランドクルーザー、ランドクルーザーなど高級車を中心に販売し、ユーザー層は高額所得者、法人が多い。コンパクトカーはファミリーのセカンドカーなど複数保有者にもニーズがあるので、優位な状況になる。アルファード、ハリアー、RAV4など人気の高い車種も売れるようになるのもメリットである。
■トヨペット店:人気車専売のほうが…?
トヨペット店はトヨタ店に次ぐ高級車を扱い、ミディアムクラスの小型車中心の系列店として浸透してきた。クラウン、ランドクルーザー、ランドクルーザープラドなどラグジュアリーモデルを扱えるようになるのはメリットだが、クラウンはセダン市場の低迷で従来ほどの売れ行きはよくないので、アルファードやハリアーを独占的に売ることができた従来の方がうまみはあったといえるかも知れない。
■カローラ店:メリットあり!
カローラ店は専売のカローラ、パッソ、ノアが全店併売になるが、代わりにクラウン、ランドクルーザー、アルファード、ハリアーの人気車種が扱えるようになるので、メリットは大きい。ノア/ヴォクシー/エスクワイアの3兄弟でノアが残るのもプラス材料であろう。
■ネッツ店:メリット少ない?
ネッツ店はヤリス、ヴェルファイア、ヴォクシーの専売が全車併売になる。高級車が扱えるようになるが、もともとユーザー層は若者が多いだけに、他系列店に比べるとメリットは少ないといえそう。ヤリスが専売でなくなり、ヴォクシー、ヴェルファイアもいずれはノア、アルファードに統合されるのでデメリットの方が大きくなる可能性がある。
今後「トヨタの敵はトヨタ」状態になるので、トヨタ車は殆どが値引き拡大で安く買えるようになるが、負け組になる販社は消滅する可能性があるので、実際にどうなるか見守る必要がありそうだ。
〈文=遠藤 徹〉
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