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生々しい感覚のスーパースポーツ マスタングとヴァンテージが輝くのは公道? BBDC 2024(5)

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生々しい感覚のスーパースポーツ マスタングとヴァンテージが輝くのは公道? BBDC 2024(5)

理想的な生々しい感覚のスーパースポーツ

サーキットでの楽しさでは、元ロータス、アナログ・オートモーティブ・スーパースポーツが、最新のロータス・エメヤを凌駕した。「高速コーナーでは衝撃的」。と笑うフランケルは、サーキット・ステージで2位に採点。彼以外の審査員も高得点を与えた。

【画像】2024年のBBDC選手権ノミネート車両10台 GRヤリスにエメヤ、アルトゥーラまで! 全82枚

「パワーに対してグリップしすぎる印象ですが、エリーゼはこれほどサーキットを豪快に走れなかったはず。攻めるほど良い。生々しい感覚は理想的で、本当に最高」。と振り返るレーンは、1位の配点を与えていた。

若干動きが渋いシフトレバーを、筆者も含め指摘する声はあった。それでも、スーパースポーツのダイレクトさを、誰もが深く気に入っていたようだ。

119psのエリーゼ S1との違いにも興味は及ぶが、アナログ・オートモーティブが高次元な仕事を達成したことは明確。2日目の夕方に配点を集計すると、サーキット・ステージで2位にランクインしていた。

これを超えた1台をご紹介する前に、下位から確認していこう。ただし、ノミネートした10台は、すべて精鋭。あくまでも2024年のBBDC選手権での順位だということを、ご理解いただきたい。

審査員を魅了しきれなかったプロトのM500

フォード・マスタング・ダークホースは、充分に輝けなかった。「サーキットでは、動的な繊細さ、細かな部分での訴求力が及びません」。ソーンダースが口を開く。

「感触の薄いステアリングとATの印象が、表現力の高いライバルとの差を広げますね。バランスは良くて楽しいんですが」。とディスデイルが反応する。伝統的なマッスルカーとして、筆者は好意的に受け止めた。細かいことは笑い飛ばしたくなる、ワイルドさだ。

ノーブルM500も、サーキットでは審査員を魅了しきれなかった。プロトタイプ段階にある車両を、BBDC選手権のために準備してくれた、同社の技術者には敬意を表したい。燃料系統は完璧ではなく、シフトレバーのスプリングも未調整だった。

「ターボラグとトランスミッションの渋さは、サーキットで顕著に現れてしまいますね」。とフランケルは指摘しつつ、「ステアリングとシャシーバランスは素晴らしい。反応は機敏でグリップはエクセレント」。と長所にも触れる。彼の配点は低くない。

「シャシーはいい感じでした。ステアリングも悪くない。でも、それ以外の印象を踏まえると、強い好感を抱くほどではないかも」。バプラートが率直に話す。

ノーブルは、素晴らしいスポーツカーを提供するメーカーだ。M500がはらむ弱点のうち、幾つかは量産仕様までに修正できるだろう。だが、簡単には直せない部分も含まれていた。クルマとの一体感やダイナミックな心象は、間違いないのだけれど。

公道で力を発揮できるFRのヴァンテージ

マスタングと同じくフロントにV8エンジンを積み、後輪を駆動するのが、アストン マーティン・ヴァンテージ。サーキットでは、好バランスを披露した。

「クラシックなFRですが、アクセルの加減でライン調整できる、稀有な存在ですよ」。バプラートが微笑む。ソーンダースは「もっと鮮明なフィードバックが手のひらへ伝われば・・」。と明かすが、それは筆者も同感だ。

高速コーナーでは多少の歩み寄りが必要だとしつつ、「アストン マーティンは頼もしい。マクラーレンと同じくらい速く感じましたよ」。とレーンは振り返る。実際のラップタイムでは、小さくない差が付いていたが。

ヴァンテージは、長距離移動が前提のグランドツアラー。閉ざされたコースより、長く続く公道で力を発揮するタイプといえる。

マクラーレン・アルトゥーラは、このサーキットで筆者1番のお気に入り。「マクラーレンらしい輝き。ステアリングは素晴らしく、ブレーキは完璧」。と、ディスデイルがこの気持ちへ相槌を打つ。

「ボディコントロールが緻密。パワーデリバリーは滑らかで、リミテッドスリップ・デフが自信を一層高めますよね」。確かに、従来のマクラーレンにはない水準で、強い信頼感を抱けたように思う。

ステアリングだけでなく、縁石へ乗り上げた際の落ち着きや、電気モーターが即時的に生むトルクにも胸が打たれたと、バプラートは認める。「運転体験の魅力度では、今回のノミネート車両の中では別次元かも」。ソーンダースも続ける。

サーキットも得意分野としたバギー

アリエル・ノマド 2も、サーキットで本領を発揮。ドライバーの気分次第で、どんなコーナーでも、望み通りのテールスライドを誘発できる。2日目の途中でハイグリップなタイヤに交換されてしまい、面白さは若干薄れたが。

「すぐに親しくなれて、性能を引き出せますね。大声で笑ってしまうほど面白い」。ディスデイルの意見に、同意しない審査員はいなかった。

従来のノマドが搭載していたホンダ由来のユニットへ、新しい2.3Lエンジンの特徴が届いていないことは、否定できないだろう。それでも、オフロードへ飛び込めるバギーでありながら、サーキットも得意分野としていることには唸らされる。

ノマド 2は一体感が強く、ライトウェイトでアナログ。2024年に渇望されている、キーワードではないだろうか。

果たして、公道ステージでのポイントを合算して選ばれた、頂上決戦へ挑むトップ3とは? ここから先は、レーンにお任せしよう。

この続きは、BBDC 2024(6)にて。

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みんなのコメント

4件
  • *****
    エリーゼのプラモデルってなんで出ないんだろう…

    実車はとても買えないからせめてプラモデルが欲しい
  • キイロイトリ
    普段使いしたいのでエリーゼは諦めた。
    都内の交通事情や駐車で重ステは不便。

    結局、パワステ、エアコン完備の独MT車にしてしまった軟弱者です。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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