■日本で一番売れてるクルマ「N-BOX」の魅力とは?
近年、ホンダでもっとも売れているクルマは、軽自動車では「N-BOX」となり、普通車(登録車)ではミニバンの「フリード」が該当します。
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両車は、ボディサイズに違いがあることから一見関係がないように見えるものの、箱型ボディによる広い車内や、両側スライドドアの採用などが特徴となっており、使い勝手の面では近いモデルといえます。
同じディーラーで展示され、ユーザーが実車を見て比較することも想定される両車ですが、違いや価格差も考慮したうえで、どちらの方が「買い」だといえるのでしょうか。想定される使い方も考慮しつつ、比較します。
ホンダ「N-BOX」は、2011年12月に初代モデルが発売された軽自動車です。全高1700mm以上のボディに両側スライドドアを採用したことが特徴で、2012年度には全国軽自動車協会連合会が発表する年間販売台数において首位となります。
2017年9月には2代目へフルモデルチェンジし、2017年度には軽自動車のみならず登録車も含めたすべてのクルマにおいて、販売台数ランキング1位となり、その人気は盤石なものとなりました。2018年度および、直近の2019年度上半期(4月から9月)の販売台数も首位となっています。
N-BOXは、全長3395mm×全幅1475mm×全高1790mm(2WD仕様)となり、軽自動車規格と比べて全長(規格値3400mm以下)や全幅(1480mm以下)を限界まで大きくしているのはもちろん、全高も規格値(2000mm以下)に210mmまで迫るほどのボディサイズです。
外装デザインでは、タイプは標準仕様と「N-BOXカスタム」の2種類があります。カスタムには専用エアロパーツが装着されてスポーティな雰囲気となっているのが特徴です。
また内装色に関しても、ベージュ系で温かい雰囲気の標準仕様と、ブラックで引き締められたカスタムという違いがあり、内外装の求める雰囲気にあわせて好きなデザインを選択できるようになっています。
N-BOXの内装における特筆すべき点として、フロントシートにベンチ仕様を設けたほか、新たに助手席スーパースライドシートを設定したことが挙げられます。
助手席のスライド量を前後57cmも確保したことで、助手席を最後端へスライドさせたときは、助手席から運転席後ろに座る子どもの世話をおこなえるようになります。親子3人での外出に最適なシートアレンジといえるでしょう。
フリードは一般的な左右独立型のフロントシートとなっていることから、ファミリーユースを考えたときに、N-BOXがフリードに対して持つ大きなアドバンテージといえます。
搭載されるエンジンは最高出力58馬力の660cc直列3気筒エンジンと、最高出力64馬力の660cc直列3気筒ターボエンジンの2種類です。WLTCモード燃費は、ノーマルエンジンが21.8km/Lで、ターボエンジンが20.4km/Lとなります(共に2WD仕様の場合)。
安全運転支援システム「ホンダセンシング」は、横断中の自転車や夜間の歩行者検知にも対応した衝突被害軽減ブレーキも含む全10個の機能を含むタイプが搭載されています。
■ ホンダは小型ミニバンも人気! 「フリード」固有の便利機能とは?
ホンダの国内販売をけん引しているのがN-BOXであることは間違いありませんが、ホンダの普通車でもっとも売れている「フリード」の貢献度も、決して無視できません。
日本自動車販売協会連合会が発表する2019年度上半期の登録車販売ランキングでは、フリードはホンダ車で最上位となる10位となっていて、2019年10月18日には、マイナーチェンジも受けたことから、今後さらに販売を伸ばすことが予想されます。
マイナーチェンジを受けたフリードは、フロントフェイスをはじめ外観がより洗練されたものに変更され、さらにSUV風の外観を持つ新グレード「クロスター」が追加設定されました。
クロスターは、専用のフロントグリルや前後バンパー、LEDフォグライト、ルーフレール、アルミホイール、専用色のドアアウターハンドルやドアミラーを採用し、アウトドアシーンにも映えるクロスオーバースタイルに仕立てられています。
SUV風モデルの追加設定は、トヨタや日産のコンパクトカーなどで例があるほか、N-BOXのライバル車でもあるスズキ「スペーシア」の派生モデルとして「スペーシアギア」が設定されているなど、新型車のなかで流行となっています。
N-BOXにはSUV風モデルの設定はないことから、アウトドアらしい見た目が好みとなれば、フリードが有力候補として浮上することでしょう。
フリードのボディサイズは全長4265mm×全幅1695mm×全長1710mmと、軽自動車と比べれば大柄なものの、ミニバンのなかではコンパクトです。
ボディタイプには、前出のとおり標準タイプとクロスターという見た目の違いのほかに、3列シート仕様のものと2列シート仕様の「フリード+」という違いも存在しており、おおまかなタイプ分けとしては「見た目がふたつ」×「シート仕様がふたつ」で計4タイプとなります。
3列シート仕様のフリードは、6人乗り仕様と7人乗り仕様が存在します。いうまでもなく、多人数乗車が可能な点は4名定員のN-BOXに対するアドバンテージです。
なかでも、6人乗り仕様は2列目シートがキャプテンシートで、停車中に車内をスムーズに移動することができるほか、2列目が独立していることやアームレストの装備で快適性にも優れます。
一方、2列シート仕様のフリード+は、開口部地上高が335mmという超低床フロアと上下2段に分けて使える荷室を持ち、さらにフックの取り付けなど自由に使えるユーティリティナットが装備されています。
空間をアレンジできることから、レジャー用途では、N-BOXよりもフリード+の方に分がありそうです。
フリードに搭載されるパワートレインは最高出力110馬力を発揮する1.5リッター直列4気筒エンジン+モーターのハイブリッドと、最高出力129馬力の1.5リッター直列4気筒エンジンの2種類です。WLTCモード燃費は、ハイブリッドが20.8km/Lで、ノーマルエンジンが17.0km/Lとなります(共に2WD仕様の場合)。
安全運転支援システムのホンダセンシングは、衝突被害軽減ブレーキや誤発進抑制機能などを含む9つの機能が搭載されています。
※ ※ ※
N-BOXの車両価格(消費税込、以下同様)は141万1300円から212万9600円で、一方フリードは199万7600円から304万400円に設定されています。
クルマの購入にあたっては予算も重要となりますが、価格帯や車格だけでなく、車種固有の機能や装備なども考慮して愛車選びをすると、より幅広い選択肢が生まれるかもしれません。
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