■ダントツ「ランクル」も軽トラックも要注意?
2025年3月、警察庁から令和6年(2024年)の車名別盗難(認知)台数が発表されました。1位はトヨタ「ランドクルーザー(ランドクルーザープラド含む)」で1064台。前年が643台だったので、421台もの大幅増加となりました。
2位はトヨタ「プリウス」で539台。こちらも前年の428台に比べて111台の増加です。3位はトヨタ「アルファード」で488台という結果で、前年(2023年)の700台から大きく減少しました。
【画像】「えっ…!」 これが「盗まれやすいクルマ・ワースト10」です! 画像で見る(24枚)
そして4位はレクサス「LX」で台数は前年より少し減っていますが、1000台当たりの盗難率は23.3%(100台あたり2.3台が盗まれている)と相変わらず高くなっています。
6位のレクサス「RX」も前年の88台から165台と、2倍弱の増加です。
さて、10台中8車種がトヨタとレクサスだったのですが、あとの2台はダイハツ「ハイゼット」とスズキ「キャリイ」と軽トラックでした。
ハイゼットは107台から103台、キャリイは115台から96台で少し減っています。近年、軽トラの盗難台数は増加傾向にあったので、減少したことは喜ばしいことです。
では、なぜ減ったのでしょうか。これは、軽トラックが盗まれているという実態が明らかになり、警戒するオーナーが増えたことに関係していると考えられます。
そもそも軽トラックが盗難車として10位以内にランク入りし、近年とくに増加傾向にあったことはまったく知られていませんでした。
というのも、警察庁の盗難車ランキングは「自動車盗難等の防止に関する官民合同プロジェクトチーム」の公式サイト(2022年12月末で閉鎖)などで、1~5位のみ、ひっそりと公開されるにとどまっており、そこでは例年トヨタやレクサスが独占していました。
2022年12月、筆者(自動車生活ジャーナリスト 加藤久美子)も立ち上げメンバーとなっている「車両盗難厳罰化の会」の活動で警察庁を訪れた際、車名別ランキングの10位以内公表を求めたこともあり、2023年6月に初めて10位までが公開されました。
そこで、キャリイとハイゼット(軽バン含む)がランクインしていたことが判明しました。
こうしたこともあって軽トラックの盗難がメディアで注目を集め、今まで盗難対策に無縁だった軽トラオーナーが施錠を確実にするなどの対策を講じた結果、台数が減少した可能性があります。
なお、盗難車の車名別ランキングには日本損害保険協会の統計もありますが、こちらは保険金を支払った台数のランキングで、これまで20年以上にわたって10位までが公表されてきました。
しかし、こちらはあくまでも盗難されて車両保険が支払われた車種のランキングです。つまり、車両保険を付けない(自動車保険の対人・対物のみ)ことが多い軽トラックがランクインすることはなかったのです。
■アルファードが減少… 「税関で発覚したケース」も
2024年にもっともたくさん盗まれたのは、先出の通りランドクルーザーでした。
モデル別の盗難台数は明らかになっていないので詳細は不明ですが、SNS上で共有されている盗難被害報告を集計すると、おそらく1064台のうち、7~8割が「ランドクルーザープラド」だと考えられます。
ランドクルーザーは1月から6月までの上半期だけですでに590台が盗まれていたため、通年で1000台を超えることが予想されましたが、その通りの結果になってしまいました。
また、注目すべきは上半期2位のアルファードです。303台が盗まれていますが、通年で488台なので、下半期に盗まれたのは185台となります。
このように大幅に減っていることがわかりますが、なぜ、アルファードが減ったのでしょうか。
そこには、2023年の暦年で「700台」という、盗難台数ワースト1位を記録した結果が大いに関係していると考えられます。
アルファードの盗難についてメディアで報道されることが増え、社外セキュリティなどをつけて警戒するオーナーが増えました。
また、もう一つ大きな理由は先代の30系アルファードで多用されていた“目玉抜き”という方法では、税関で摘発されやすくなり、海外に輸出しにくくなっていったことも影響しています。
30系アルファードは“目玉抜き”(盗難車の車台番号打刻を切り抜き、別の車両の車体番号を溶接して付け替え、不正に手続きする方法)で丸車(切断せず、クルマの形を保ったまま)の状態で海外に密輸するケースが大変多くありました。
しかし、2024年は税関の盗難車摘発体制が強化されたことで、車台番号を付け替えて密輸する“目玉抜き”は船に積み込む直前の検査で発覚されやすくなったのです。
実際、全国の港で盗難車が丸車で発見された乗用車の台数は、2023年がわずか5台だったのに対し、2024年はなんと24台に激増しました。
これは、大型X線装置での検査や輸出のための書類確認で、盗難車であることが判明しする台数が大幅に増えたということです。
切断されてパーツとして海外に出されることが多いランドクルーザーと違って、丸車でアルファードを密輸するのは困難という情報が、窃盗グループにもいきわたったのでしょう。
その結果、2024年の特に下半期でアルファードの盗難が大幅に減ったと考えられます。
※ ※ ※
今回のランキングワースト10に入っている車種のオーナーは、これまで以上に警戒を強めて防犯対策をしてください。
実際、ランドクルーザーもプラドもアルファードも、盗まれたクルマの9割以上は有効なセキュリティを装備していないことがわかっています。
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みんなのコメント
被害者が希望した場合、死刑執行も可にしようぜ。
屋内ガレージに駐車出来ればいいけど、仕方なく青空駐車してる人も多くいる。
警察も車両窃盗にもう少し力を入れてほしい。