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レクサス「LBX モリゾウRR」は“SUV全盛時代”ならではの超本格スポーツカー! メカニズムは「バリバリの武闘派」ながら快適性も譲れない

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レクサス「LBX モリゾウRR」は“SUV全盛時代”ならではの超本格スポーツカー! メカニズムは「バリバリの武闘派」ながら快適性も譲れない

バリバリの武闘派「GRヤリス」に準じたメカを搭載

MTを選べる、3気筒ターボエンジンを搭載する、車名に人物の名がついている……「LBX モリゾウRR(MORIZO RR)」は、レクサス車としては異例尽くしのクルマです。

【画像】「えっ!…」これがSUV全盛時代の超本格スポーツカー! レクサス「LBX モリゾウRR」です(30枚以上)

“モリゾウ”というのは、レクサス車の味つけを最終決定するマスタードライバーであり、トヨタ自動車の会長でもある豊田章男氏のこと。つまり「LBX モリゾウRR」は、氏がこだわりを持って世に送り出したモデルであり、レクサスに対する“走りのイメージ”を拡張する特別な存在といっていいでしょう。

「LBX モリゾウRR」のベースは、レクサスで最もコンパクトなSUVである「LBX」。しかし「モリゾウRR」の中身は、スタンダードな「LBX」とは全くの別物です。

心臓部は、1.5リッター直列3気筒エンジン+モーターのハイブリッドを採用するベースモデルに対し、「モリゾウRR」は1.6リッター直列3気筒インタークーラーターボエンジン“G16E-GTS”型を搭載。

また駆動系も、後輪をモーターで駆動するE-Four(電気式4WD)を採用したベースモデルとは異なり、「モリゾウRR」はドライブシャフトを介して後輪へと駆動力を伝達する正統派のフルタイム4WDを採用しています。

これらパワートレインから想像できるように、「モリゾウRR」は単刀直入にいってトヨタ「GRヤリス」のメカニズムを詰め込んだ「LBX」。エンジンも4WDシステムもシャシー構造も、モータースポーツへの参戦を前提としてつくられたバリバリの武闘派「GRヤリス」に準じたものとなっています。

なお製造も、「LBX」のベースモデルを手がけるトヨタ自動車東日本の岩手工場ではなく、「GRヤリス」と同じくトヨタ自動車元町工場が担当。ちなみにこちら、かつてレクサス「LFA」を手がけていた特別なファクトリーなのです。

そんな「LBX モリゾウRR」には、「GRヤリス」とは大きく異なる部分があります。それがボディ形状と実用性。

3ドアでリアシートが極めて狭い「GRヤリス」に対し、「LBX モリゾウRR」は5ドアなので実用性もハイレベル。コンパクトなボディサイズゆえリアシートはさほど広くはありませんが、「GRヤリス」と比べるとはるかに“使える”空間だと断言できます。

また“レクサス基準”で仕立てられたインテリアも「GRヤリス」より上質。内装色、シート表皮の素材、シートベルトの色やステッチなどを自由に選び、自分だけの1台をつくれる“ビスポークビルド”というオーダーメイドシステムが用意される点も、プレミアムブランドならではといえるでしょう。

そんな「LBX モリゾウRR」のルックスは、専用の前後バンパーやフロントグリルを組み合わせることで、ベースモデルにはない迫力を醸し出しています。

また、ボディの両サイドに専用のフェンダーモールを装着。ベースモデルに対して全幅を15mm、トレッドをフロント10mm、リア15mmそれぞれ拡大し、より大きなタイヤを収められるようにしています。

日常的な走行シーンでは快適に移動できる

それでは早速「LBX モリゾウRR」の試乗といきましょう。

ドアを開けて運転席に乗り込むと、フロントシートが体を優しく包み込んでくれること、そして、着座位置が想像以上に低いことに気づきます。

「モリゾウRR」専用のフロントシートは秀逸で、窮屈ではないけれど身体をしっかり包み込んで姿勢を保持してくれる、スポーツカーらしい座り心地を提供してくれます。

また着座位置は、SUVとしては低めの設定であるベースモデルに比べ、さらに10mm下げられています。こうしたドライビングポジションへのこだわりからも、開発陣の並々ならぬ思いが伝わってきます。

モータースポーツへの参戦を視野に入れた「GRヤリス」ゆずりのメカニズムと聞くと、乗り心地などの快適性は重視されていない……なんて想像しがちですが、「LBX モリゾウRR」は決してそんなモデルではありません。

実際に走らせてみると、乗り心地はかなり快適。騒音などもしっかり抑えられており、キャビンの静粛性も上々です。

実はこの快適性こそが、ストイックな「GRヤリス」とは明確に異なる「LBX モリゾウRR」の美点。スポーツ走行を楽しめる一方、日常の走行シーンでも快適に移動できるバランスのよさが「LBX モリゾウRR」の個性でもあるのです。

ステージをワインディングロードやサーキットへと移し、スポーツモデルらしい走りを楽しんでみると、エンジンの力強さに感心させられます。

排気量わずか1.6リッターの3気筒ターボだけに「非力なのでは?」と想像する人もいるかもしれませんが、最高出力は304psを数え、最大トルクは400Nmと極太。4リッター自然吸気V8エンジンくらいの力強さだと想像するといいでしょう。

そんなエンジンを小さなボディに搭載しているのですから、速くないはずがありません。しかもトルク感がスゴく、低回転域からでもグイグイと引っ張っていってくれます。その粘り強さは1.6リッターターボとは思えないほど。力強いのに軽快という、不思議な乗り味を体感できます。

そしてもうひとつ驚かされるのが、ハンドリングの鋭さ。コーナーでグイグイと切り込んでいく感覚は、まるでクルマが「曲がりたい」という意思を持っているかのよう。とても生き生きとしていて、気持ちよくコーナーをクリアできます。

「GRヤリス」のようにストイックに鋭く曲がる感覚とは異なるものの、サーキットを走行したりモータースポーツに参戦したりしない限り、「LBX モリゾウRR」の方が自然にドライブできるのではないでしょうか。筆者(工藤貴宏)はそう感じました。

ちなみに、「LBX モリゾウRR」には、日本市場向けのレクサス車としては初めて、トランスミッションにMTが設定されています。そのため、しばしば話題になるのはMTの方ですが、実はATも秀逸です。

広範囲でロックアップ機構が働くのでダイレクト感が強く、走行モードを「スポーツ」にすると減速時にシフトダウンするなど、スポーツ走行向けに開発された特別なATなんだな、と感じます。

かつてのATとは異なり“ダルさ”はないため、MT好きの筆者としても「これで十分かも」と思ったほど。スポーツ走行をしっかりと楽しめるATとなっています。

サーキットを走ってもMTと互角に戦える性能を誇る一方、高速道路などでは快適に移動できます。本当にバランスのいいATですね。

対するMTは、自ら変速操作を楽しみたい人のためのツール、といった趣。このMTの操作フィールは、大人っぽい仕上がりが魅力的な「LBX モリゾウRR」の中で唯一、ストイックさを感じさせます。

きわめてソリッドな、まるで競技車両のような変速フィールは「気軽に触れるとヤケドするよ」とクルマが語りかけてくるかのよう。ちょっとでもルーズに操作すると変速ショックが否応なしに伝わってくるほどです。MT仕様の購入を検討している人は、それなりの覚悟を持って選んだ方がいいでしょう。

サーキットレベルまで煮詰められたセッティング

公道で「LBX モリゾウRR」をドライブする以前に、筆者はサーキットでこのクルマを走らせる機会を得ました。

その際、驚いたのは、開発陣から「とことん楽しみたいのであれば、ぜひ“スタビリティコントロール”を切ってみてください」と声をかけられたことでした。

イマドキのスタビリティコントロールは、作動しても違和感を覚えることはあまりありません。とはいえ、クルマ本来の性能を引き出せないシーンが多々あるほか、スタビリティコントロールで“ごまかす”ことを前提に、限界性能を煮詰め切れていないクルマがあるのも事実です。

開発陣が筆者にかけた「スタビリティコントロールを切って走ってもOK」という言葉は、「LBX モリゾウRR」が電子制御のサポートを借りなくても破綻しない、高い限界性能を身に着けていることへの自信にほかなりません。

ちなみに「モリゾウRR」には「サーキットモード」というサーキットでしか使えない走行プログラムが用意されています。

スマホのアプリ操作でそれをONにすると、スピードリミッターの作動速度アップ、ターボラグを減らすためにアンチラグ作動、エンジンを冷やすべくクーリングファン作動風量の最大化、そして、専用メーター表示への変更がおこなわれます。

こうした点も、サーキットレベルまでクルマを煮詰めていることの証といえるでしょう。

* * *

ベースモデルとなった「LBX」はこだわりのコンパクトSUVですが、「LBX モリゾウRR」はレクサスの走りへのこだわりを強調したモデルといえるでしょう。

一見、スポーツカーには見えないかもしれませんが、ある意味「SUV時代の超本格スポーツカー」といえるかもしれません。

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みんなのコメント

2件
  • gor********
    この程度の高級スポーツ仕様はストリートでちょっとイキってかマス程度の走りしかできないよな。
    ガンガン走りたいならサーキットへどうぞの車。
    ※かつてのFシリーズと同様な扱い
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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