2021年1~6月の累計販売台数は32,283台。日産車ではノートに続く2番目に売れているクルマであり、ミドルクラスミニバンの大看板であり続けるセレナ。現行型は2016年に登場しており、今年(2021年)で丸5年が経過しているが、まだまだ人気は衰えない。
そんなセレナにちょっと興味があるぞ、という方は、販売店へ行く前にぜひ当記事をご参照いただきたい。お薦めグレードやライバル、値引き情報など、知って得する情報をまとめてお届けします!
血統を守った日産魂!? 新型Zはなぜ日産単独で開発できたのか
文/諸星陽一
写真/ベストカー編集部、NISSAN、HONDA
【画像ギャラリー】30年の歴史をもつロングセラーミニバン 日産セレナをギャラリーでチェック!!
■日産セレナの最新情報
日産セレナは30年の歴史をもつファミリー向けミニバン。現行モデルは2016年8月に発売が開始された。マイルドハイブリッド車と、エンジンが発電してモーターで駆動するe-POWERを用意する
初代セレナは1991年に登場したので、かれこれ30年の歴史をもつモデルとなりました。じつはエルグランドよりも長い歴史のあるモデルで、最近のクルマがどんどん車名を変更していくことからみれば、車名が大事にされているモデルだといえます。
初代はセミキャブオーバーで基本駆動方式が後輪駆動でしたが、2代目ではFFとなりました。現行モデルは2016年にフルモデルチェンジされた5代目となります。
最新の変更は2020年8月に行われた一部仕様向上で、「インテリジェントFCW(前方衝突予測警報)」を全車標準装備化。従来、全車オプションであった「プロパイロット」をハイウェイスターV、ハイウェイスターG、e-POWER ハイウェイスター V、e-POWER ハイウェイスター Gに標準化、「インテリジェント ルームミラー」のオプション設定グレードを拡大。USB電源ソケットが1.0Aから2.4Aに変更されました。
高速道路における渋滞走行と巡航走行を支援するプロパイロットを上級グレードに標準装備
セレナには2種のパワーユニットが用意されます。ひとつはSハイブリッドの名前で呼ばれるマイルドハイブリッド。150馬力/200Nmの2リットル直4エンジンに、2.6馬力/48NmのISG(モーター・ジェネレーター)が組み合わされます。
Sハイブリッドは12V用の鉛バッテリーを2つ搭載します。Sハイブリッドは基本エンジン駆動車と思って問題ありません。発進時や加速時にISGがアシスト、減速時にISGがエネルギー回収を行いますが、その割合は非常に小さなもの(とはいえそれなりの効果はある)です。
もうひとつのパワーユニットはノートでおなじみのe-POWERの名で呼ばれるシリーズハイブリッドです。84馬力/103Nmのエンジンで発電し、136馬力/320Nmのモーターを駆動します。エンジンの出力は直接駆動力に使われることはなく、あくまでも発電のみに使われます。バッテリーを充電する代わりにガソリンでエンジンを回して発電するわけで、いわば発電機付きのEV。発電された電気の一部はリチウムイオンバッテリーに蓄えられます。このリチウムイオンバッテリーは回生ブレーキでのエネルギー回収にも使われます。
■安全装備
明るく開放的な雰囲気のインテリア
スリムなフロントピラーは死角が少なく、右左折時の安全確認をサポートする
駆動方式はFFが基本で、Sハイブリッドはオートコントロール4WDと呼ばれるプロペラシャフトを有する機械式のスタンバイ4WDを採用しています。e-POWERには4WDモデルは存在しません。SハイブリッドはCVTのミッションを組み合わせますが、e-POWERはミッションが存在しません。どちらもアクセルとブレーキだけの操作となる2ペダルモデルですから、免許はAT限定でOKです。
日産は安全装備を360°セーフティアシストのネーミングで呼んでいます。セレナは基本的な安全装備は全グレードで標準装備です。ですので、どのグレードを購入しても基本的な安全は担保されると思っていいでしょう。以下に標準装備される安全装備を列記します。
●全車標準装備の安全装備
・VDC(ビークルダイナミクスコントロール[TCS機能含む])
・ヒルスタートアシスト
・インテリジェント エマージェンシーブレーキ
・インテリジェント FCW(前方衝突予測警報)
・インテリジェント LI(車線逸脱防止支援システム)
・LDW(車線逸脱警報)
・インテリジェント BSI (後側方衝突防止支援システム)
・BSW(後側方車両検知警報)
・RCTA(後退時車両検知警報)
・踏み間違い衝突防止アシスト
・標識検知機能(進入禁止標識検知、最高速度標識検知、一時停止標識検知)
・車両接近通報装置
・フロント&バックソナー
・SRSエアバッグシステム〈前席〉
・運転席・ 助手席シートベルト非着用時警告灯&警告音
・ISO FIX対応チャイルドシート固定用アンカー〈セカンド〉
以下の装備はX、e-POWER X、ハイウェイスター、e-POWERハイウェイスター(つまり各シリーズのベースグレード)以外にオプションで装着可能です。
・インテリジェント DA(ふらつき警報)
・SRSカーテンエアバッグシステム&サイドエアバッグシステム〈前席〉
■乗車定員とインテリア装備
室内長は3240mmとクラストップの広さを誇る。乗車定員はSハイブリッドが8名、e-POWERが7名
セレナはSハイブリッドモデルが8名定員、e-POWERがモデルが7名定員となります。この逆は選べないので、パワートレインを決めると必然に乗車定員が決まる、乗車定員を決めるとパワートレインが決まることになります。
7名定員モデルはセカンドシートが2名分のキャプテンシートとなります。8名定員モデルはスマートマルチセンターシートという機構を採用します。スマートマルチセンターシートは、左右のシートの間に位置する細めのシートで、セカンドシート間にある際はセカンドシートをベンチシート状にして3名の乗車を可能にします。スマートマルチセンターシートを前に移動するとフロントシートでセンターアームレストのように使用することもできます。
https://youtu.be/glqmzjM5vN8
また、セカンドシートはX、e-POWER X、ハイウェイスター、e-POWERハイウェイスター(つまり各シリーズのベースグレード)が左右ロングスライド&横スライド式。XV系、V系、G系、はセカンドシートをロングスライドシートよりもさらに後方に下げられる、左右超ロングスライド&横スライドシートが装着されます。セカンドシートに超ロングスライドシートを採用するモデルは、サードシートのスライドも可能となっています。
サードシートは左右に分割して跳ね上げスペースアップするタイプです。シートの跳ね上げは比較的低い位置となるタイプが全グレードで採用されます。
格納した3列目シートは窓を大きくふさぐことなく、後方の安全確認に支障をきたさない
スライドドアは全グレードで両側にオートクロージャーが装備されます。ハイウェイスターGとハイウェイスターVは両側ハンズフリーオートドアが標準、GとXVは両側ワンタッチオートスライドドアが標準、Xとハイウェイスターはワンタッチオートスライドドアがオプションとなります。
フロントオートエアコンとリヤクーラーは全車に標準装備。Sハイブリッドの4WD車はリヤがオートエアコンのデュアルエアコンタイプとなります。リヤオートエアコンが標準装備ではない機種は、オプションで選択可能です。
■値引き相場
ハイウェイスターのVとGにはプロパイロットが標準装備されるが、その他グレードを選んでもオプションで装着可能(Xを除く)。ハイウェイスターVはSハイブリッドが307万100円~、e-POWERが358万2700円~
さて、グレード選びです。
前述のように7人乗りか? 8人乗りか? を選ぶと同時にパワートレインは決まってしまいます。またe-POWERには4WDが用意されていないので、降雪地帯で4WDが必須という方はSハイブリッドとなります。e-POWERモデルとSハイブリッドの価格差はグレードによって異なりますが、41万円~52万円程度の開きがあります。
セレナ グレードと価格
先行車追従機能付きのACCのプロパイロットはSハイブリッド、e-POWERともにハイウェイスターVとハイウェイスターGに標準。Sハイブリッド、e-POWERともにGとXVにオプションとなります。SハイブリッドXVのFFにオプション装着する場合は電動パーキングブレーキやインテリジェントルームミラーなどとセットとなり、プラス23万7600円が必要で総額は297万4400円となります。
プロパイロットが標準装備のハイウェイスターVが307万100円でその差が9万5700円なので、標準装備のハイウェイスターVを選ぶ人が多いでしょうが、ハイウェイスターVはエアロパーツなどがついたボディに専用の引き締まったサスペンションが装着されるので、おとなしめの仕様に乗りたいという方はあえてオプションで装着するというのがいい方向性でしょう。
現行モデル登場からすでに5年を経過しているため値引きはそこそこ期待でき、最高で50万円~60万円という値引き額も見かけるようになりました。しかし、こうした高額値引きは条件が揃った場合で、通常ならば30万円程度が妥当と考えておいたほうがいいでしょう。
ライバル車のホンダステップワゴンは横方向に開く「わくわくゲート」を装備する。3段階に開くようになっており、後方のスペースが狭い場所でも開閉が可能
競合車となるのは、トヨタのノア&ヴォクシー、ホンダのステップワゴンといったところです。ノア&ヴォクシーはプロパイロットのようなACCを装備していないので、日産のディーラーで「プロパイロット付きのクルマが欲しいのです」というような発言をすると、ノア&ヴォクシーは圏外であることがバレてしまうので注意。 ステップワゴンは床下収納のサードシートや横開きのテールゲートが特徴なので、その使い勝手のよさに悩んでいるというような口ぶりが大切でしょう。
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2年も経つとかなりの確率でリヤショックアブソーバーからオイル漏れがあります。またオルタネータ、ラジエーターの故障も多いです。コンピュータの異常も急に起こります。