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2代目を“襲名”した阪急の新型 では初代はどんな車両? 『電車でD』で見たことある!

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2代目を“襲名”した阪急の新型 では初代はどんな車両? 『電車でD』で見たことある!

初代の2000系と2300系はどんな車両?

阪急電鉄では2025年2月24日から、新型2000系電車が宝塚線で運行を開始しました。また、京都線では座席指定サービスの「PRiVACE(プライベース)」を2024年7月21日より導入していますが、これに合わせて新型2300系電車の運行がスタートしています。

どこが違う? これが2代目(新型)2000系です【写真】

2000系と2300系はよく似た車両ですが、今回登場したそれらは、いずれも2代目の車両にあたります。阪急には過去にも2000系や2300系と名乗る車両があり、2代目が登場した現在も、初代の車両は残されているのです。

初代の2000系と2300系は1960(昭和35)年に登場し、2000系は神戸線用、2300系は京都線用として製造されました。初代の2000系と2300系もよく似ており、車体は丸みを減らし角ばった形状をしており、扉のあいだには下降窓が3つ並んでいます。

初代の2000系と2300系以降もモデルチェンジを行った車両が数多く登場していますが、その多くは初代の2000系と2300系をベースに手を加えたものです。そのためか阪急の電車はどれも同じように見えてしまい、違いを見分けられるのはコアな阪急ファンだけになってしまったのかもしれません。

「人工頭脳電車」と呼ばれたワケ

初代の2000系と2300系が登場した当初は、走行機器でも革新的な技術が導入されています。当時は珍しい、ブレーキの際に発生した電力を架線に戻す回生ブレーキの機能が採用されたほか、運転士の操作によって一定の速度で走行できる定速度運転制御も採用されていました。こうした高度な機能を備えていたことで、「人工頭脳電車」や「オートカー」とも呼ばれています。

しかし、機器の不具合が多かったため、のちに走行機器は交換されています。神戸線では1967(昭和42)年に架線の電圧を600Vから1500Vに昇圧して輸送力増強に対応しますが、これに合わせて初代2000系の走行機器は交換され、回生ブレーキや定速度運転機能は取りやめとなりました。

『頭文字D』にも登場する初代2000系

初代の2300系では冷房化と合わせて走行機器が交換され、回生ブレーキの機能は残されたものの、定速度運転機能は取りやめています。さらに、前面を改修して種別や行先の表示幕が設置されたほか、標識灯が前面の窓の下に移設されたため、外観が変わりました。

一方で、初代の2000系では一部を除いて冷房化が行われていましたが、引退する時まで前面に表示幕が設置されず、行先を表示した運行標識板が使用されていました。

ちなみに、漫画『頭文字D(イニシャル・ディー)』をパロディ化した『電車でD』という同人誌・同人ゲームがありますが、この作品の主人公である藤原拓海が乗務しているのが初代の2000系でした。『頭文字D』は走り屋の世界を描いた漫画ですが、『電車でD』は『頭文字D』のハナシをそのまま電車へと置き換えて再現しているのが特徴です。

能勢電鉄に残る初代2000系

後継の車両が登場したことで、初代の2000系は神戸線の支線である甲陽線での活躍を最後として1992(平成4)年に引退しています。ただ、ほかの形式に連結されていた車両が2005(平成17)年まで残りました。

また、1983(昭和58)年から1992年にかけて能勢電鉄への譲渡も行われ、大半の車両は能勢電鉄1700系電車となりました。この際、阪急時代にはなかった表示幕が前面に設置されたほか、下部にはスカートが設置されたため、外観が少し変わっています。能勢電鉄1700系も引退が進んでいますが、2025年2月現在でも4両編成2本が残っています。

引退したはずなのに阪急線を走っている!?

なお、能勢電鉄の車両は検査のために、阪急の線路を走ることがあります。能勢電鉄と阪急宝塚線が接続する川西能勢口駅(兵庫県川西市)から、宝塚線の平井車庫(同・宝塚市)までや、宝塚線を経由し、正雀車庫・正雀工場がある阪急京都線の正雀駅(大阪府摂津市)までなど。さらに工場での検査を終え、試運転で正雀駅から先も走ることもあります。ただし能勢電鉄1700系は、2024年10月に最後の重要部検査を終了したとアナウンスされています。

一方、初代の2300系は2015(平成27)年に引退しています。最後まで残った2301と2352の2両が2016(平成28)年に廃車となりましたが、解体はされずに正雀車庫に残されています。

2代目2300系の「2800系」…?

初代の2300系と2000系のほか、京都線の特急用の車両として2800系という車両が、1964(昭和39)年から2001(平成13)年まで存在していました。初代の2300系をベースに転換クロスシートを備えていましたが、のちに座席配置を一般的なロングシートに変え、片側2か所にあった扉も3か所に増設していました。今回登場した2代目の2300系には、なんと2800番代を付した車両があり、見方によっては“2代目の2800系”ともいえるのかもしれません。

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みんなのコメント

2件
  • 藍流頓瀬奈
    同じ阪急でも神戸・宝塚線系統(以下神宝線と表記)と京都線では成り立ちの違いから大きな差異がある。
    内面的には神宝線の主要機器は東芝製、京都線は東洋電機製造。
    車両の幅も神宝線より京都線がわずかに広く、神宝線車両が京都線に乗り入れは出来るが逆は不可能。
    乗り入れと言えば電車でDの2000系は台車を振り替える荒業で南海や東急などに乗り入れバトルした。
    なにわ筋線と阪急新大阪連絡線が完成すると狭軌の台車を履いた阪急電車が南海線を走る事になる…
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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